2006.01.04
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カテゴリ: □日本酒
お燗



●燗酒は負担の少ない飲み方

冷やしたお酒を、「今日はあまり酔わないな、もう少しいけそう」なんてスイスイ飲んでいたら、後で急に酔いが回って「とんでもない事態」に陥った・・・、そんな経験はありませんか。どんなお酒も限度を考えずに飲みすぎれば身体に負担がかかるのは当たり前。飲み過ぎを防ぐのに最適なのが、「燗酒」です。
一般にアルコールは体内で、体温に近い温度で吸収されると言われています。ですから、冷たいお酒は体内に入ってから時間をかけて温まり、一気に吸収されます。そこで初めて酔いを感じるわけですから、飲んでから「酔ったな」と感じるまでに時間差が生じることになるわけです。その結果、実際に飲んだアルコール量がつかめずに、飲み過ぎてしまうということが起こるのです。
これに対して燗酒は、時間をかけずに体内に吸収され、一杯飲めば一杯分の酔いを感じることができます。ですから身体の調子を確認しつつ飲むことが出来、その結果、飲み過ぎを防ぐことが出来るのです。また燗酒は和食だけでなく様々な料理にあわせやすく、肴が欲しくなるお酒です。従って、自然と食べながら飲むことになるため、空腹にお酒を飲んで負担をかけるのを防ぎます。
そもそも、酒を温めて飲むことは奈良時代頃から行われ、平安時代に貴族社会で広がり、江戸時代・中期以降に民衆に広がりました。貝原益軒の「養生訓」にも、当時の自然思想や自然療法の考えで、体温に近いものの法が身体に良いとも考えられていたことが分かります。「燗酒」は、昔から受け継がれてきた、健康的な飲み方なのです。

●燗酒のメカニズム

では、お燗に合うのはどういう酒質のお酒で、温めるとどのように変化するのでしょうか?各温度による味の強さを調べると、「甘味」は35度で最も強く、それより高くても低くても弱くなります。一方「酸味」は温度の影響を受けず、いつも同じ強さです。お酒の味は「甘味」と「酸味」が大きく影響を及ぼしていますから、温度で大きな味の違いが生まれるのです。相互関係に置いては、「酸味」が「甘味」を強め、「酸味」が「甘味」によって弱められるという関係にあります。ですから、ますます「甘味」が強く感じられるというわけです。燗酒にするなら、冷やで飲むお酒よりも「酸味」が強く、「甘味」を抑えた酒質が適当だと癒えます(一概には言い切れませんが・・・)

●おいしい湯煎燗酒

大きめの鍋に湯を沸かして火から下ろし、徳利を漬けます。しばらく置いて、好みの温度で引き上げましょう。温度計の使用(専用の)お奨めしますが、徳利の底に手が触れられるくらいが上燗。この方法だと、アルコールが揮発する温度より低い状態で燗がつくため、香りが抜けることも、過加熱を起こして辛すぎる酒になることもありません。これからは、ますます日本酒が美味しくなる季節なので是非お試しください。





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Last updated  2006.01.04 23:39:15
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