しろこ

しろこ

第13回 ホテルへ



今考えると、学校で習ったアメリカ英語の発音もろくに聞き取れない私が、いきなりコックニー(ロンドン訛り)を聞いた状態だったのだろう。私は警察官に「よく分かりません」と言った。彼はしばらく困った顔をして、「ついて来なさい」と合図をする。親切な警察官は私をホテルまで連れて行ってくれた。

時間は12時近くだったと思う。道中、赤い2階建てバスが目の前を走っていく。「おお、イギリスだ!」よく考えたら、空港についてから地下鉄と駅だけだったので、これが始めてみるロンドンの景色だった。町の明かりは日本よりもオレンジ色で、建物が歴史的建造物のように見えた。ちなみにホテルは、駅のすぐそばで、見つけられない人はいないというような場所だった。「ホテルも何か厳かな感じだなー」と思いながらホテルに入る。


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