第１５回 初めての買物
レジでは何人かの人が並んでいた。「次の方どうぞ」と言われて前に行く。「さあタバコ」だ。「まーるぼろ、らいと、ぷりーず」。店員さんは「はいはい」と言って奥からタバコを取ってくれた。全部で5ポンド（1000円ぐらい）だったと思う。店を出て私はハッとした。「タバコとジュースとサンドイッチで1000円！？」レシートを見るとタバコで700円近く取られている。「そういえば外国はタバコがの税金が高いと言ってたな。」それにしても高すぎる。もう一度店内に入った私はタバコのコーナーをのぞいた。なんと10本入りのマールボロが400円ぐらいで売っている。どちらかというと10本入りを買っている人の方が多い。「こういうことなのか」と納得した私は、外に出て広場のようなところへ行った。
サンドイッチはひどい味だったと思う。ただ幸いなことに私は味にうるさくないので別にどうってことはなかった。ジュースはタンゴオレンジ（イギリスにいったことある人だったら1度は飲んだことがあると思う）と言って、ファンタオレンジより多少甘い感じだった。タバコを吸いながら空を見た。その日は天気が良く気持ちよかった。「イギリスにいるんだなーっと」実感した。「これからどんな生活をし、いつ帰国するんだろう」と考え始めたら、途端に不安におそわれた。しばらく心臓がドキドキして、もう1本タバコを吸った。すると「まあどうにかなるさ。別に死ぬわけじゃないし」といういつもの開き直りが始まった（これのおかげでここまで来ている）。「さて、そろそろマンチェスターに行こうかな」と日本語でつぶやいて、ホームに向かった。
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