フランスでの暮らし

フランスでの暮らし

ケーキや修行の始まり。

ケーキサロンでの仕事

ここではほんとに簡単な仕事だった。
パフェや皿盛りのデザート作りである。
お客の注文の合間に、カスターを炊いたりクレープを焼いたりする。
ただ、客の流れで忙しかったり暇だったり。5,6枚伝票が並ぶとあせるのである。そんなときに限ってソースが切れたりする。よく、デーザート作りに手をとられて紅茶を入れたのを忘れて、苦くなってたりした。
そのとき思った。就職するならテイクアウト専門店!
ここで接客とは何かを教わった気がする。ココの店長さん、自分は働かないのだがいい事を言う。
ある日のこと、ある一人の男性がお店に入ってきた。こちらはもてなす用意。ガ、その人はトイレだけ入って出て行った。
そこで店長「お店に入ったとき、店員みんなが心からいらっしゃいませとお出迎えできたら、彼はトイレだけじゃ悪いなと思ってコーヒーのひとつでも注文してくれただろう。」という。
店長の考えはこうである。「人間なんだから私たち販売員にも間違いはある。ただそのとき最高の接客ができていたなら、それはクレームにはつながらないであろう。確かにそうだ。頼んだケーキと違うのが一つ入ってた。そのときの店員さんがよかったら、まあいっか!とも思えるが、対応が悪ければ、電話してやる!てなもんだ。
新作ケーキが届くと必ずみんなで試食する。
そして感想を求められる。
「おいしいです」と答えるのは馬鹿だ!といわれる。
どうおいしいのか、どう自分の好みには合わないのかが必要である。
お客さんによく聞かれるからである。
「これおいしいの?」
当たり前だ!まずいと思ってるものを売るものか!
おいしいですよ!とは答えない。ココがこうなってて、これとこれがこういうぐあいに合うんです!購買意欲を高める。これが大切だという。 なるほど。
二つのケーキを買いに来たお客様に3,4つのケーキを買って帰らせることのできる人。これがいい販売員である。




© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: