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小説「晴れときどき殺人」(赤川次郎)を読み終わりました。あそびあーと☆こども劇場いるまの例会で、人形劇「晴れときどきブタ」があるのですが、その原作の名前のパロディみたいな題名が気になり、借りてみました。内容は別に関係なかったですが。北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘、加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。「私はかつて嘘の証言をして、無実の人を死に追いやった。だが最近、ごく身近な人の中に真犯人がいると知った―」財閥の社長たち、婚約者の正彦、かかりつけの医師の菊井親子ら、ごく身近な人達が屋敷に集まった。そして警察に追われているという若い男まで加奈子のもとに転がり込んで…莫大な遺産を巡り、恐怖の殺人劇がはじまった!赤川次郎ベストセレクション4。Google booksで立ち読み出来ます。まあ面白いけど、コメディというか、深みはないかな。一気に読めるのはありがたい。行きの電車内で読み終わりました。読んでて乗り過ごしてしまったのは残念ですが。最後の、隠れ部屋に男女2人きりで何も無いのは不自然かも?お互い好きな人が居るから大丈夫なのかもしれないけどね。でも、そんなにすぐに好きになるのかなとも思ってしまった。あんなにしっかり者の浪子なのにね。ネタバレになってしまうけど、犯人はなんとなくわかりました。親子で共犯というのは悲しいけど、やはり我が子は可愛いのかな。
2019年10月27日
小説「愛が理由」(矢口敦子)を読みました。途中で、既視感あるので、読んだことあるかもと思ったけど、よく覚えてなかったので、最後まで読んでしまった。内容:親友・美佐子の突然の死を知らされた三十九歳の翻訳家・麻子。死因が納得できない麻子の前に現れた美少年・泉は、年上の女性を翻弄し心中に見せかけ死に追いやる「心中ゲーム」の存在を教える。彼女は若者に弄ばれ死んだのか?泉の力を借りて真相を探る麻子に、死んだ美佐子からメールが届く...。女性の孤独と切なさが胸を打つ恋愛サスペンス。ネタばれになってしまうかもしれないけど、どんでん返しの連続です。麻子も信じたいのか、信じられないのか、よくわからないけど、泉に翻弄されてしまう。でも、泉に指摘された美佐子への羨望・嫉妬は本当のことではないかと思ってしまう。実際にはやってないかもしれないけど、潜在意識としてはあったのでしょう。だからこそ、泉にそう言われたときに納得してしまったのかもしれない。自分が庇われてた弱者から、心配する強者に変わっていく。美佐子がどう感じていたのかは想像するしかないけどね。子どもの頃の家庭環境などがこんなにも精神的に影響があるのかと痛感する。それから逃れるすべはないのかな。虐待からのサバイバーと言うけど、救われたいよね。泉もある意味被害者だけど、加害者になってしまうのが悲しい。ネタバレか・・・読後感は良くないからイヤミスなのだろうけど、不思議とそれほど悪くない。2度も読んでしまうほどだからね・・・読んだのは2年前。もしよかったら、その日記も見て下さい。2017年06月11日の日記それより、2年前に読んだのに、忘れてる方が怖いですね。もう認知症かな・・・途中で読んだことあるとは気づいたけど、結末は覚えてなかった・・・上記の日記の中で、森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」を挫折したと書いてましたが、ネットで検索したら以下のサイトが見つかったので、良かったらどうぞ。私は再挑戦しなくてもいいかな・・・挫折するのが私だけじゃなかったと知っただけでも安心。【読書】一旦挫折したけど、森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」をどうしても読んでみたい人には「つばさ文庫版」がオススメ。次女が万城目学が好きで、勧められて何点か読み、その奇想天外な感じに驚きましたが、だんだん慣れてきました。それでも、森見登美彦にはついていけなかったですね。ファンの方には申し訳ないけど。
2019年10月20日
小説「ブルースカイ」(桜葉一樹)を電車の中で一気に読んでしまった。行きも帰りも乗り入れで直通だったので。内容:1627年、魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツ・レンスで10歳の少女マリーは、「アンチ・キリスト」と遭遇する。2022年、近未来のシンガポールで、青年のディッキーは、かつて絶滅したはずの「少女」という生物と出会う。そして、2007年、鹿児島。私は、青い空の下にいた―。三つの空を見た、ある少女にまつわる物語。1部のドイツが舞台の魔女狩りが一番面白かった。2部のシンガポールも興味深いけどね。3部で全部つながるというのだろうけど、あまり意味が分からない・・・なんとなくは分かるが、すっきりしないなあ。少女の概念を追求したいのだろうけど。少女性というなら、シンガポールの青年の方が、女性より少女っぽいのかもしれない。1部の話をもっと膨らまして欲しかった。それだけでも良かったくらいです。作者は一樹という名前だけど女性なのですね。ある意味、青年のディッキーみたいかも。最後はあまり納得できなかったので、後味は良くないけど、1部は引き込まれましたね。
2019年10月05日
「さよならをあげたい」(清水志穂)を電車内で読み終わりました。内容:未来に期待が持てず、彼との距離を縮められない「わたし」は、ある日1枚のディスクを見つける。それは深い後悔にまみれた老人の告白だった。さらに見つかる数々のディスク。いったい誰が、何のために残したものなのか。「わたし」は心に刻み込まれた重い記憶を、解き放つことができるのか。過去と孤独に縛られる心の苦悩を描き切った渾身の最新作。優しい綺麗な文体なのだけど、捉えどころが無くて、なんかもどかしい。読後感も悪くはないけど、少し物足りないかな。人の悩みを聴き、涙を集めて命を縮める萌黄さん。植物の精のような人で、現実味がないほど。優しい振りをして、飼い犬を見殺しにしてしまう小学生。それを見破りながらも黙って見ていただけの兄。どちらも怖い。人間の性をさらけ出させても、汚く見せないところはある意味すごいのかも。オブラートに包んでいるみたいな感じは、痒いところに手が届かないような気もする。もっと甘いだけではない厳しさも見たかったかな。
2019年09月30日
今日、図書館に返却しようと、小説「凍りのクジラ」(辻村深月)を一気に読んでしまいました。少しは読んでたのですが、これなら後は一気に読めるなと確信してましたね。内容:藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/凍りのくじらあらすじ:「あなたの描く光はどうしてそんなに強く美しいんでしょう」そう訊かれたとき、私はいつもこう答えることにしている、「暗い海の底や、遠い空の彼方の宇宙を照らし出す必要があるからだ」と。「ドラえもん」の作者藤子・F・不二雄を深く敬愛する写真家の父。彼の名を継いだ新進フォトグラファー、芦沢理帆子の高校時代を追う。学校と、飲み友達と、元彼氏と、病床の母と、行方不明の父と。どんな相手にも合わせてしまう、合わせられてしまう理帆子は、自分を取り巻く個性に名前を与えていく。例えばあの子は「少し・不安」。あの子は「少し・不満」。そして私は、「少し・不在」。藤子先生の創るSFの世界、「少し・不思議」から取り、それぞれの個性にふさわしい名を付ける遊び、「スコシ・ナントカ」。私はどこへでも行ける。誰にでも合わせられる。それが許される。「どこでもドア」みたいに。でも、一人でいると息苦しい。誰かといても息苦しい。自分の意志など、とうに摩滅してしまっているのかもしれない。私の「少し・不在」は最近いよいよ深刻だ。ドラえもんへのオマージュが目一杯詰まった、「少し不思議」な物語。うちの息子はドラえもんの全集を買うほど好きで、高校の入学式の自己紹介でドラえもんが好きと言っていた。私はそれほど詳しくはないが、ある程度は読んで知ってるし、話を聞いたこともある。でも、この作者辻村深月や、主人公の芹沢理帆子や父親ほどのドラえもん・藤子先生への敬愛はないから、ある意味すごいと思う。高2なのに達観してる理帆子。読書好きで、人間関係に心まで入っていけない。私も高校の頃、何を見ても「バカみたい」と言って、母に怒られたなあ。作者と同じ千葉大学教育学部なので親近感も感じています。元カレで腐れ縁の若尾は「少し・不自由」から「少し・腐敗」に変わり、ますます腐敗が進んで危なくなる。ネタばれになるからあまり書けないけど、やっぱりそうなってしまったかという感じ。可哀相な気もするが、どことなく以前知ってる人に似てるようで怖い・・・別所は、こんな人が実際に居たらいいなと思えるほどの青年。同じ高校の先輩なのに、すごく大人で「少し・フラット」若尾の暴走は予想できたけど、最後のどんでん返しは意外でした。でも、納得いきましたね。結構怖い話なのに、後味が悪くないのは、達観してるように見えて、人間に愛情を持ってるからかも。母親に対しても距離を取っていたけど、やはり娘なのですね。安心してしまいました。この作家の本は好き。温かいものを感じます。かといってぬるま湯ではなく、冷たそうで温かい?いい意味でツンデレかも。読んで良かったと思える本ですね。読み終わり感想を書いてから図書館に返却に行ったら、土日は5時までだったので、もう閉まってました・・・閉館時間が伸びたと思ってたのに、それは平日だけだったのですね・・・仕方なく、この「凍りのクジラ」だけ返却ポストに入れ、まだ読んでない本は持ち帰りました。他の本も早く読まないとね。
2019年09月22日
長女が買ってきて貸してくれた本を読みました。「私は私のままで生きることにした」(キム・スヒョン)。裏表紙。著者、訳者。内容。目次。イラスト。これもキム・スヒョンが描いてるのですよね。一コマ漫画みたいで面白い。「金も実力のうちよ。悔しいなら親をうらむんだね。」ところでそのお金、どうやって稼いだの?「太ったんじゃない?」「人間らしくていいでしょ」私もこう言い返したい!「何を泣いてるの!」私たちは、感情を表すのは、悪いことだと学んだのかも「意味わかんない」誰かに理解されるために生きているわけではない。「心配だから言うけど・・・」「自分の心配は自分でするから大丈夫」私たちに必要なのは、心配ではなく尊重。「さっさと消えてしまえ、ハハハ」先に手を出したら有罪。正当防衛は無罪。あなたのことを大切に思ってくれる人は、最初から無理なお願いなんてしてこない。希望というのは、もともと条件がついてる。よくある根拠の無い希望や自信は、、、ものに対する中毒のうち最もよくあるのは、お金に対する中毒だ。あなたはどちらがより恥ずかしいことだと思いますか?他人をないがしろにし侮辱すること。ブランドバッグをもってないこと。 ときには寄り道してみよう。寄り道が許されない国は、ハンガリー、日本、韓国。韓国は最高の自殺率と最低の出生率、、、自分が幸せであることを人に証明しながら生きることは、最も不幸な生き方。インスタ映え、、、いいね!、、、さらば、不要品!私には幸せになる資格がある。私たちには幸せになる資格がある。もう大丈夫だよ。思わず涙ぐみそうになってしまった。浪費した時間は長生きして埋め合わせよう。星の王子さま。自分自身になろう。当たり前のことなんだけど、なんとなく自分勝手・自己中心的じゃないかと罪悪感を感じてしまったこと・感情を肯定してもらうと嬉しい。ネタバレ、著作権共にすみません。ぜひ紹介したかったので。
2019年09月16日
小説「出版禁止」(長江俊和)をようやく読み終わりました。電車に乗る時だけ読んでたので、なかなか読み終わらなかったのです。今日は図書館に返すために読み切りました。「内容紹介:社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印された―。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。」どんでん返しの連続で何が真実なのかよくわからなくなるけど、ルポライター若林の手紙で明らかになる。それでも、その動機や意図はよくわからなかったが・・・面白いけど、ちょっとグロテスク。あまり読後感は良くないが、伏線を解決するのは興味深い。後からそういう意味だったのかと納得するけど、感動という感じではないなあ。
2019年09月08日
Yさんとランチに行く電車内で、小説「トリップ」(角田光代)を読み終わりました。「内容(「BOOK」データベースより)普通の人々が平凡に暮らす東京近郊の街。駆け落ちしそびれた高校生、クスリにはまる日常を送る主婦、パッとしない肉屋に嫁いだ主婦―。何となくそこに暮らし続ける何者でもないそれらの人々がみな、日常とはズレた奥底、秘密を抱えている。小さな不幸と小さな幸福を抱きしめながら生きる人々を、透明感のある文体で描く珠玉の連作小説。直木賞作家の真骨頂。割と面白かったけど、角田光代の小説なので、もっと面白いかと期待してしまっていた、、、平凡だけど、少しずつ変わったいろいろな人々。なんとなく居場所がないという意味では共通しているのかな。まあ、そんな人は多いと思うけどね。私も含めて。
2019年08月13日
電車内で、小説「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ)を読み終わりました。映画やドラマは観たので、話は分かっているけど、小説もいいですね。「説明:優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。ネタバレしないように感想を書くのは難しいですね。その秘密を別にしても、控えめながら鋭い心理描写は素晴らしい。最初に映画を観た時は衝撃でしたね。後でまたDVDでも観たほどです。ノーベル賞を受賞したのも納得。夫が話題だからと買った本ですが、読ませてもらって良かったですね。
2019年08月09日
小説「坂の途中の家」(角田光代)を読みました。内容。説明:2007年『八日目の蝉』、2012年『紙の月』、 そして2016年――著者の新たな代表作が誕生する!最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない――。 虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていくのだった。 社会を震撼させた乳幼児虐待事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス。 感情移入度100パーセントの社会派エンターテインメント! 私は、果たして、文香を愛しているんだろうか。もちろん愛していると思っている。いなくなったらと考えただけで胸がふさがる思いがする。(略)それでも、文香を自分より大切なものと思えるだろうか。かわいい、かけがえのない子どもと思えるだろうか。(本文より)読んでるうちに里沙子にも被疑者にも感情移入してしまい、怖くなってしまいます。私自身にも夫にも子どもにも小説と共通するところがあるから、他人事とは思えない。一歩間違えれば、私もそのようになっていたのではという気持ちと、真綿で首を絞められるように夫の言いなりにされてることに気づいてしまう。夫と義母の関係など思い出してしまいました。義母はもう亡くなってしまったけどね。読んでると思い出して不快な気持ちになるのに読むのをやめられない。それも怖いことですよね。いつも電車内で読むので、先日一旦読むのをやめ、今日電車で出かけるのでまた読み始めました。バスを待ってる間に読み終わってしまうほど後少しだったのに、怖くて読め始められなかったのです。先に読んだ夫にも感情移入してしまうと言ったら、気持ちはわかると言ってたけど、男性にはわからないだろうなあ。女性でも母親になってみないとこの恐怖はわからないかもしれない。娘達にも読んで欲しいけど、母親になってからかな。今はプレッシャーを与えない方がいいしね。
2019年07月31日
「子どもたちは夜と遊ぶ」(辻村深月)を面白くて上下一気に読んでしまった。辻村深月:1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』(講談社文庫)で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。エンターテインメント界に現れた期待の新人として注目を集める。他の著書に『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』(すべて講談社ノベルス)、『名前探しの放課後』(講談社)がある。 私も千葉大教育学部卒なので、親近感が湧きますね。文中の飛び級入学のあるC大というのは千葉大のことかな。虐待を受けた人が皆犯罪に走るわけではないけど、それくらい苦しかったということですよね。読んでて辛くなるほど。もしかしたら、『i』ではないかと思う人が3人ほどいた。それくらい、犯罪者になっても不思議はないというか、人は変わってしまうものかもしれない。苦しいけど、最後は少し希望が見えたかな。解説にも比喩ではないかという説も書いてありましたね。「大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。 」「浅葱(あさぎ)、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚(こづか)や月子(つきこ)を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならないーー。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。 」
2019年06月26日
入院した昨日から読み始めた「行きずりの街」(志水辰夫)を朝読み終わりました。 暇だし、一気に読んでしまいましたね。 「女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。退職後、郷里で塾講師をしていた彼は、失踪した教え子を捜しに、再び東京へ足を踏み入れた。そこで彼は失踪に自分を追放した学園が関係しているという、意外な事実を知った。十数年前の悪夢が蘇る。過去を清算すべき時が来たことを悟った男は、孤独な闘いに挑んでいった…。日本冒険小説協会大賞受賞作。」 「16年の時を経て大ブレイクした、1991年度「このミステリーがすごい!」第1位作品。雅子はわたしのすべてだった。自分の一生を賭けた恋愛だった――。それを、教師と教え子という関係にのみ焦点をあて、スキャンダルに仕立て上げられて、わたしは学園と東京から追い払われた。退職後、郷里で塾講師をしていたわたしは、失踪した教え子を捜しに12年ぶりに東京へ足を踏み入れた。やがて自分を追放した学園がこの事件に関係しているという事実を知り……。事件とともに、あの悪夢のような過去を清算すべき時が来たのか――ミステリー史に残る大傑作。」 調べたら、ドラマや映画にもなったらしい。 先が知りたいと読み進めてしまった 女性観が古いなあと思ったら、昭和11年うまれで、父とあまり変わらない年。仕方ないか。 引用しますね。 「男にとって女性はいつだってお姫さまなんだ。お姫さまでいてくれなきゃ困る。願望だよ」 「そのお姫さまは人形でしょ。生身の人間であったり、自分の頭でものを考えたりしはじめると、大抵の男性は困るのよね。もうそれだけで想像力の範囲外へ飛び出してしまうということになるのよ」 「男のそういう気持ちをもうすこし上手に逆用してくれないかな。男は自分のことは棚に上げて、好きになった女性にはこうあってもらいたいと願わずにはいられないんだよ。それを過大な要求というふうに受け取らたんじゃ身もふたもないだろう。演技してくれたらいいんだよ。お姫さまのふりをしてくれたら」 「それがサービスの強要じゃないの」 と言いながらも、元夫婦がよりを戻してしまうのだから不思議。 ミステリーというか、恋愛小説みたい。 失踪した教え子は、以前の妻ではなく、現在の塾の教え子。また?と思ったら、そういう関係ではないらしい。 それなのに、命をかけてまで探したり、匿ったりするのが謎だけど。 まあまあ面白かったかな。時代背景がバブルですね。
2019年06月25日
入院初日に、以前から読んでた「窓の魚」(西加奈子)を読み終わりました。次女の本棚から持ってきたもの。「温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される──恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。」「説明:秋のある日、二組のカップルが山の温泉へ向かう。一緒にいるのに遠い四人にまとわりつく、猫の鳴き声と不穏な影。裸になっても笑いあっていても、決して交わらない想い。男の子のようなナツ、つるりとした肌のアキオ。明るく派手なハルナ、ぶっきらぼうなトウヤマ。大人になりきれない恋人たちの旅の一夜を美しく残酷に描いた長編。 」淡々としたタッチで、残酷な程。筆者は感性が鋭いんだろうなあと思うけど、あまり入り込めない。謎が謎のまま終わり、読者の想像任せなのかな。勝手に想像していいんだろうけど、丸投げな感じもする。何が言いたかったのかよく分からない。入院中の暇つぶしで読んだとはいえ、あまり気が晴れないなあ、、、
2019年06月24日
図書館へ行き、10冊借りてきました。明後日から1週間ほど入院するので、暇つぶしに。声帯ポリープの手術なのですが、1週間発声禁止だから、入院なのです・・・
2019年06月22日
電車内で読み終わったエッセイ「ザ・万遊記」(万城目 学)。その前にエッセイ「ザ・万歩計」も読みました。内容。多分、2冊とも万城目学ファンの次女がうちに置いていったものでしょう。以前「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」も、次女推薦で読んだかな。「鹿男あをによし」はドラマも観ましたね。シュールなコメディだと思っていたけど、エッセイもユーモラスなんですね。面白くて、割と一気に読みました。一気にというのが、私の褒め言葉だと次女が言ってたのですよ
2019年06月02日
夫と新宿へ行く車中で、小説「グロテスク」(桐野夏生)をようやく読み終わりました。電車に乗る時だけしか読んでなかったのです。東電OL殺人事件をモデルにしているらしい。エリートOLなのに夜は娼婦の和恵。類いまれなる美少女だったユリコも娼婦に。妹のユリコにコンプレックスを抱く平凡な私。天才的な頭脳を持つミツル。でも必死に努力していた。4人はQ女子高の同窓生。慶応がモデル。初等部からの内部生と中・高からの外部生とのスクールカースト。わたしの悪意に満ちた観察眼と言葉。それでも嫌とは感じないのは、私自身もそう思ってしまうからかも。あまり読後感がいいとは言えないけど、まあ面白かったかな。
2019年04月19日
飛行機内で、小説「深い河」(遠藤周作)を読み終わりました。「あらすじ・内容:第35回毎日芸術賞受賞。それぞれが愛を求めてそれぞれが人生の意味を求めて母なる河にたたずむ刻(とき)。『沈黙』をしのぐ7年ぶりの純文学書下ろし長編小説。 1人ぽっちになった今、磯辺は生活と人生とが根本的に違うことがやっとわかってきた。そして自分には生活のために交わった他人は多かったが、人生のなかで本当にふれあった人間はたった2人 母親と妻しかいなかったことを認めざるをえなかった。「お前」と彼はふたたび河に呼びかけた。「どこ行った」河は彼の叫びを受けとめたまま黙々と流れていく。だがその銀色の沈黙には、ある力があった。河は今日まであまたの人間の死を包みながら、それを次の世に運んだように 川原の岩に腰かけた男の人生の声も運んでいった。」私も一応クリスチャンだけど、汎神論的なのは、遠藤周作の影響があるかもしれない。象を盲人達が触ると、長い鼻や平らな胴体など別物に思えるように、いろんな宗教の神も実は一体なのではないかと思うから。ヨーロッパの厳格なキリスト教より、大津の語る日本的なキリスト教に納得してしまうのは、やはり日本人だからなのかな。
2019年01月29日
行きの電車内で読みかけの小説「ラッシュ・ライフ」(伊坂幸太郎)を読み終わりました。久しぶりに読んだのと、群像劇なので、すぐにシチュエーションを思い出せなかったりしましたが、伏線が回収されると割と面白い。伊坂幸太郎は次女の好きな作家で、この本も次女の本です。私も嫌いではないけど、この本はあまり好きではないかも。まあまあだけど、それほど良くはなかったなあ。
2018年12月22日
駅で電車を待つ間に、読みかけの小説「世界地図の下書き」(朝井リョウ)を読み終わりました。夫が買って読んた本を借りたのです。「両親を事故で亡くし、施設で暮らす小学生の太輔。施設を卒業することになった高校生の佐緒里のために、仲間たちと「蛍祭り」を復活させる作戦を立てはじめ……。坪田譲治文学賞受賞作。」「両親を事故で亡くした小学生の太輔は「青葉おひさまの家」で暮らしはじめる。心を閉ざしていた太輔だが、仲間たちとの日々で、次第に心を開いてゆく。中でも高校生の佐緒里は、みんなのお姉さんのような存在。卒業とともに施設を出る彼女のため、子どもたちはある計画を立てる…。子どもたちが立ち向かうそれぞれの現実と、その先にある一握りの希望を新たな形で描き出した渾身の長編小説。 」「小さな子どもたちが、自らの想像力で、今いる場所から逃げる、もとい、自分の生きる場所をもう一度探しに行くという選択をする物語。そんな物語を書き、『逃げる場がある』という想像力を失いかけている誰かに届けたいと考えました」(「受賞者のことば」から)私も自殺するくらいなら、逃げることは出来なかったのかとつい思ってしまったりします。自分自身、仕事を辞める時、逃げてると思いながらも、ここで逃げないと自分が鬱になってしまうという危機感がありました。今は辞められて良かったと思ってます。引き継げる人が見つかるまでという約束だったので、見つかるまでは生きた心地がしませんでしたが。この小説に出てくる子ども達、大人達も追い詰められて、逃げたいけど逃げられない。でも、逃げていいんだよと言ってくれる人がいて、そう思えたことは本当に良かった。「どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない。」未来にも希望があり、減ったりしないということ自体に、希望が見えますね。
2018年12月01日
行き帰りの電車などで「天使のハシゴ」(村山由佳)を読みました。内容:バイト先のカフェで耳にした懐かしい声。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから―。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。 「天使の卵」の続編。映画は見たことありました。割と良かったけど、評判はあまり良くなかったよう。あらすじ:美大を目指し浪人中の19歳の歩太(市原隼人)と大学生の夏姫(沢尻エリカ)はつき合っていた。だがある日、歩太は満員電車で出会った美しい女性(小西真奈美)に一目惚れする。数日後に彼が精神病院に入院中の父を見舞いに行くと、その女性が父の新しい主治医として現れる。しかも、彼女は夏姫の8歳年上の姉だと分かり……。 やわらかな文章で読みやすい。罪と許し、罪悪感との闘い。切ないけど、最後には希望が見えるかな。夏妃が魅力的に描かれてる。それでも歩太は春妃に惹かれたのだから、もっと魅力的だったのかもね。
2018年09月20日
絵本作家の深見春夫は、母の兄なのです。新作絵本「あしにょきにょきときょうりゅう」を送ってきてくれたそう。最初の頃の「あしにょきにょき」が好きだったなあ。「あしにょきにょきにょき」があるとは知らなかった。父の遺影。引き伸ばしたもの。額は妹に叔父がくれたものだそう。
2018年09月20日
電車の中で、小説「真夜中のマーチ」(奥田英朗)を読み終わりました。ウキペディアまあまあ面白かった。ユーモア小説という感じで軽い。「三田物産の三田」と名乗るだけで、三田財閥の御曹司と思われるものなのかな?ミタゾウの能力は凄いのに、集中すると他のことに気が回らなくなるというのは、発達障害?かと思ってしまう。他のことに気が回らなくなるということだけは私も一緒だけどね。他にもユニークなキャラクターが散りばめられている。読後感は悪くないけど、あまり残らないかな。
2018年08月29日
千葉大学合唱団同期会へ行く電車の中で、昨日から読んでる「優しい男」(諸井薫)を読み終わった。「内容:それぞれに孤独を秘めた女と男が、人生の迷路への哀歓をこめて織りあげる、さまざまな人間模様。短篇小説の名手が、移り変る東京の風物を背景に軽妙自在に描き出す、大都会の夜と昼のラブ・ストーリーズ!」男目線、女目線の両方あり、それぞれ立場が違うから面白い。筆者は男性なのに、割と女性のこともわかっているのかな。まあ、想像しているだけかもしれないが。30年前に書かれた小説だから、時代背景は古いけど、心理描写はそれほど変わらないのかもしれない。
2018年08月11日
昨日から読んでいた小説「傷痕」(矢口敦子)を読み終わりました。 「裁判員制度勉強会で知り合った桜井香子に一目惚れして以来、一色知也の人生は、次第に暗がりへと呑み込まれていく。実は知也は養子で、実父は二十年前の一家惨殺事件で死刑になっていた。刑期を終えて目の前に現れたその共犯者小田島の影に怯えつつ、知也は香子がひた隠す、二人の呪われた宿命を辿ってゆく。」 割と面白かった。香子の出生や人生は可哀想だと思うけどね。 知也が実の母と出会った時は冷たいと感じたが、再出発を願ってのことだったのかと納得。 まあ、母だという実感は湧かないだろうが。
2018年08月03日
行き帰りの電車で、小説「小さな理由」(森浩美)を読みました。「離婚した妻が引き取り、もう15年も会っていない娘から突然連絡があった。それは結婚の報告のためで、披露宴に呼べないことを涙ながらに告げるが……「いちばん新しい思い出」。大好評、森浩美の家族シリーズ第三弾、待望の文庫化!」面白くて一気に読んでしまいました。特に「黒たまご」は泣いてしまいましたね。父を亡くした小4の息子が、反抗期なのか母に不貞腐れた態度を取るので、人間ドックで病院へ行くのに「あんまり和希が言うことを聞かないから、ママ、なっちゃったかも」と言ってしまう。息子が突然、小学校から無断で帰り行方不明に!箱根の大涌谷で見つかり、慌てて迎えに行く。大涌谷に黒たまごを買いに来たらしい。「黒たまごを食べれば寿命が延びるんだろう?パパが教えてくれたじゃん」「パパが死んじゃったのも、僕が風邪をひいて、旅行に来れなかったからだし・・・パパが、黒たまごを食べてれば、死ななかったんだ。」夫の死を自分のせいだと思っていたなんて・・・「うううん、和希のせいなんかじゃない」私は必死に否定した。「今度はママがさ、僕のせいで、病気になっちゃったんだろう?だから、ママ、病院に行くんだろう?「ううん、あれはね・・・」今朝、嘘をついたことを激しく後悔した。「パパが死んじゃって、ママまで病気で死んじゃったらイヤだもん」「パパに言われたんだ。いつも頑張らなくていいから、いざっていうときは、ママを守ってやれって。パパとグータッチして約束したんだ。だから、だから・・・」ついに息子は大声を上げて泣き出した。「まったくもう。和希は本当にばかなんだから・・・」私は息子を胸深くに抱きしめた。どんなに悪態をついても、心根は私を気遣う想いで満たされている。「ありがとうね。本当にありがとう、ママ嬉しい。うんうん、大丈夫だから、ママは絶対に大丈夫だから」私も涙が止まらなくなった。「いい息子さんだね」中年のお巡りさんがもらい泣きして洟を啜りあげている。「はい。世界一の息子です」ネタバレしてしまいましたが、私ももらい泣きしてしまいました。ただ、早く病気ではないと息子に言ってあげればいいのにね。息子の名前も漢字は違うけど読みは一緒なので、つい他人事とは思えない。
2018年08月01日
「『ひとりではいられない』症候群~愛と孤独と依存症をめぐるエッセイ」(カトリーヌ・オディベール、訳・平野暁人)を読みました。内容紹介「絶対的な孤独感から自分を守るためあらゆるものに依存を余儀なくされる現代人の病理を豊富な臨床事例から解読、その処方箋を提示する 」孤独に耐えられるのは、両親の愛情を受けて育ったおかげと言う感じ。冗長な繰り返しが多く、途中で読むのを止めてしまったが、これを書きながらもう一度読んでみた。やはりあまりよく理解できないが、最後の翻訳者のあとがきの方が分かりやすかった。「安らぎとしての孤独」と「苦しみとしての孤独」。本書を貫く鍵概念として繰り返し語られるこのふたつの孤独を、「ひとり」と「ひとりぼっち」と言い換えてみると、問題の輪郭がより明確になるのではないでしょうか。「ひとり」で過ごせる時間は快適でも、「ひとりぼっち」にされる時間は耐えがたい。翻訳もそう訳して欲しかったなあ。満たされないから依存行動で満たす。依存は完全な心の崩壊から守る命綱でもあった。依存を一方的に断罪したり強制的に治療することは、暴力的でもあると。「やり場のない不安、慢性的な自己嫌悪、絶望に踏み切れないことへの絶望といったぬかるみに足をとられかけながらも、歩み続けるすべての人々ーそれはもしかするといつかのわたしであり、あなたであり、わたしやあなたの大切な誰かかもしれませんーを蝕んでる孤独のなんたるかを知り、その心にそっと寄り添う。」孤独とはそんなに悪いものじゃないと思えてきました。一人は淋しいけど、それに耐えられる自分でありたいですね。
2018年06月22日
「大人の発達障害を的確にサポートする」(星野仁彦)を読みました。内容紹介「大人こそ注意したい発達障害、子どもだけのものじゃありません! うつ病や依存症につながりやすい大人の発達障害と向き合う一冊です。発達障害は決して珍しくない?見過ごされている大人の発達障害としっかりと向き合う方法と、適切な治療法を紹介、解説します。 本書では、子ども目線の多かった発達障害の解説本とは一線を画し、アスペルガー症候群、ADHD、LD、自閉症などの障害を大人の目線で解説し、社会での人間関係を維持するための方法や、最新の治療法などを紹介します。スグに役立つ"相談支援期間リスト"付きです。 」具体的な対処法が載ってていいですね。エジソンや坂本龍馬など個人的な例も載ってました。私や長女が軽いADHDではないかと思ったことがあるので、参考になります。小学校でもADHDやアスペルガー症候群の子ども達が居ましたが、うまく接することが出来なかったので、子どもの対処法も知りたかったなあ。
2018年06月22日
小説「砂の家」(森瑤子)をようやく読み終わりました。電車に乗る時、少しずつ読んでたのですが、今日やっと読み終わりました。美也子が主人公かと思ったけど、途中から不倫相手・大作の妻・咏子のモノローグになる。こっちの方が興味深かったりしましたね。娘の恋人とヨーロッパへ駈落ちし、別れて別の若い男性と恋に落ちる。娘が会いに来て、彼を好きになると、娘を預けて日本に帰る。自由奔放な母娘に見えるけど、内面は傷つきやすいのですよね。でも、思ったことを率直に言えるという意味では強い。美也子は言えずに7年間大作の側に居た。二人とも結局大作の元を離れてしまう。大作の自業自得とは思うけど、哀れかな。解説にもあるように、大人な恋愛ですね。
2018年06月13日
図書館で借りた小説「仮面同窓会」(雫井脩介)を読みました。ドラマ「火の粉」の原作者なので、興味が湧いたのです。怖いけどね・・・あらすじ「青春の思い出を語り合うだけのはずだった。同窓会で再会した洋輔ら四人は、旧交を温め合ううちに、かつての体罰教師への仕返しを思いつく。計画通り暴行し置き去りにするも、教師はなぜか別の場所で溺死体で発見された。犯人は俺達の中にいる! ?互いへの不信感が募る中、仲間の一人が殺されて……。衝撃のラストに二度騙される長編ミステリー。」ドラマ「火の粉」もイヤミスだったから、これもそうかなと思いつつ、一気に読んでしまいました。体罰教師への恨み、トラウマが怖い。感受性豊かな頃に受けた仕打ちは忘れられないのですよね。社会に出ても忘れられず、うまくいかないと、こんな自分になったのはそのせいだと思ってしまう。洋輔は死んだ兄も忘れられず、兄と会話してるから二重人格かと思ったら、それも違った。どんでん返しが面白いけど、救われない・・・やはり後味が悪いですね。復讐というのは、やってもやらなくても心は楽にならないのではないかと思ってしまいます。
2018年06月06日
コミック「GO AHEAD」(樋口大輔)を1~4巻読みました。子ども達が処分すると出したので、その前に読んだのです。アイスホッケーの少年漫画。サッカー漫画の「ホイッスル」と同じ作者です。スポーツマンガが多いのですね。キャラも似た感じ。「ホイッスル」も好きだったので面白かったです。
2018年04月05日
電車や飛行機内で、小説「ジョニーになった父」(谷村志穂)を読みました。内容:「今日から俺はジョニー・スカイだ!」平凡な町医者である父の突然の別人宣言。還暦を前に真面目一徹だった父が医者を廃業し、家庭をほうりだしてひとり那須の別邸で悠々自適の生活をはじめるという。唖然呆然の家族を尻目に、ハーレーを乗り回し、年若い恋人とレンアイする父・ジョニー。いったい父に何がおこったのか? そのとき妻は、娘は、息子は? 平凡な一家を襲った未曾有の悲喜劇。作者紹介を見たら、谷村志穂は私と同い年でした!そうとは思えないほど、若々しい文章だなあ。父が60歳にして第2の人生を歩むと宣言し、翻弄される家族。やりきれないけど、今まで勤勉で真面目な医師・父・夫を演じていたんだろうなあと思ってしまう。つい、夫に退職後やりたいことはない?と聞いてしまった。まあ、来年度まで働き、その後は好きなことをするそうだが。今年度で息子は大学卒業して就職するから、無理しなくてもいいのだけどね。20代前半の女性が、60歳のジョニーに本気になるとは思えなかった。大学の入学金など出してもらうなんて、まるで眞子様の婚約者みたいとも思ったけどね。それこそ父親代わりということなのかな。ジョニーに合わせてサリーになった妻も可哀想。鬱にもなるよね。ネタバレだけど、最後は報われて良かった。長女の夫婦関係が何故、急にギクシャクしてしまったのか原因がよく分からないけど、別居してまた新鮮になれば変わるのかな。あまり深刻にはならずにユーモラスに描いているのが救いかも。
2018年03月19日
「切りかえしの論理」(増原良彦)を読みました。屁理屈?というか、面白い論理でしたね。東大卒とは思えない感じ。内容紹介がよく見えないので、文庫紹介のページも。筆者紹介。まあまあ面白かったですね。日本人が失敗した時に思わず笑ってしまう微苦笑は、外国人には理解されないというのも。普段は能面のように無表情なのが崩れるという。どちらかというと、普段も微笑しているような気がしますが。
2018年02月28日
「ささいなことで傷つかない人の人間関係」(加藤諦三)を読みました。 内容:自分の弱さを認められる人が、本当は強い人。困難から逃げてばかりいるとクセになる。より良い一生は健全な人間関係から生まれる。他人に自分の人生を支配されない生き方のすすめ。 読んでるうちに、自分が書かれてるナルシストや精神年齢が幼児の大人のような気がしてきて、 不安になってきてしまう。合ってるからかな。 だから傷つきやすいのかもしれないし、成長しないのかもしれない。 まあ、この加藤諦三の本を読むと読後感が良くないと分かっているのに、読んでしまうのですよね。 割と独善的だと思って、不快な気分になるのに。 自分に自信がなくて、不安だからそうなるのかな。 傷つきやすい人が読むと、ますます傷つくかもしれませんね。
2018年02月18日
小説「十六歳たちの夜」(谷村志穂)を読みました。 「内容:心と体で癒してあげる。同級生タカシを想い、16歳の小さな胸に芽生えた女性としての決意。 暴走族、妊婦、理容師見習い……。多恵子の通う夜間高校の生徒たちは、誰もが半分大人、半分子供の顔を持つ。氷のように固く心を閉ざしている同級生タカシを、多恵子は自らの心と体で癒してやりたいと願う。女性として生きる決意と葛藤を鮮烈に描く。ベストセラー『十四歳のエンゲージ』を凌ぐ感動と共感。」 夜間高校には様々な生徒たちが居るのですね。 唯一の家族が病気の祖母というタカシを多恵子が救いたいと願う。 一緒にうさぎの世話をしながら、心を通わせていく。 体で癒せず、タカシに拒否され、元カレに逃げてしまうこともあるけれど、やはりタカシに戻るのです。 哀しいけれど、透明感があるというか、不思議な雰囲気。 割と良かったですね。
2018年02月10日
「女が再婚するとき」(沖藤典子)を読みました。内容。1994年発行だから、24年前で古いはずだけど、今でもそれ程変わってないかも。解説が福島瑞穂。私も福島瑞穂のニコニコ離婚講座を聴いて離婚したから、同じ時代かな。子連れ再婚して、今の夫の子どもも生んでます。他人事とは思えなくて、感情移入してしまいますね。姓を3回変えたから、なんで女だけ変えなければいけないのかと不条理に思ったし。今は再婚して良かったと思ってるから、離婚したことも後悔してない。子ども達も小さい頃から知ってるから、それ程ショックは受けてないとは思うけど、娘達はなさぬ仲の父親に遠慮とかあったのかな。娘達も結婚したから、理解はしてもらえるかも。本を読んで、老再婚は子ども達だけでなく、親からも反対されると知りました。介護して欲しい老親、老姑?に反対されるとか。離婚・死別した夫の母親の面倒をみる為に再婚出来ないなんて、ひどいですよね。まあ、ありそうな話だから怖い、、、後妻も介護や相続など大変そうだしね。それでも孤独よりはいいのかな。子どもは巣立つし、最後は夫婦ですものね。
2018年01月25日
上野への行き帰りの電車内で、小説「ボロボロになった人へ」(リリー・フランキー)を読みました。内容:結婚情報誌で紹介された相手は素敵な大麻農家の長男だった。婚期を逃した女性が幸せを掴もうとする姿を描く「大麻農家の花嫁」等、読む者の心を予想不可能な振幅で揺らす六篇の珠玉小説。誠実でありながらも刺激的、そして笑え、最後には沁みていく...。天才リリー・フランキーが、その才能を遺憾なく発揮し、物語の面白さすべてを詰め込んだ。面白くて一気に読み終わりました。エロかったり、奇想天外でもあるけど、読後感は割と爽やか。俳優としても個性的だけど、小説家としても流石ですね。ちょうど昨日、録画したスペシャルドラマ「都庁爆破」を観て、首相に扮したリリー・フランキーを見たばかりだったから、想像してしまった。東京から逃げ出す姑息な首相だったけど、飄々としてたなあ。解説は一般公募した読者。こちらも文章力が凄い。
2018年01月10日
年賀状の印刷を待ってる間、小説「春を嫌いになった理由」を読んでました。だから印刷の失敗に気づかないんだよね。内容:フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々ながら向かったロケ現場。エステラの透視通り、廃ビルから男性のミイラ化した死体が発見された!ヤラセ?それとも…。さらに、生放送中のスタジオに殺人犯がやって来るとの透視が!?読み始めたら止まらない、迫真のホラー・ミステリー。 割と面白かったけど、中国から違法入国する場面など読んでても辛いものがありましたね。透視などの超常現象は信じがたいけど、そんなこともあり得るのかなと思ってしまった。読み始めたら一気に読めました。印刷が終わる前に読み終わるほど。
2017年12月26日
京成スカイライナーなどで成田へ向かう間、小説「ヒガシくんのタタカイ」(群ようこ)を読みました。 内容:「家族って,大変だなあ!」ヒガシケイタくんは現在,私立中学三年生。サッカーが大好きで,成績は中くらい。特別,目立たないが女子生徒にはもてるほう。幼稚園からエスカレーター式の学校で,比較的のんびりとした生活を送っている。が,両親の離婚,再婚,わがままな彼女,将来への不安……と悩みは尽きない。ケイタくんをはじめとするヒガシ家の人々の日常生活における機微を鮮やかに描き出す,長篇家族小説。 面白くて一気読みしました。 ケイタくんの年長から中3までの話。 両親や彼女に振り回されながらも、割と冷静にのんびり受け流しているところがいい。 友達のクラタ君は、ケイタよりもっと大人で意思が堅い。 ダイエットだけでなく身体を鍛えるのは、見習いたいところ。 ケイタはわがままな彼女に閉口し、一方的に振られて女性不信というか、 男女交際が面倒くさいと思ってしまう。 読んでるとそうだろうなあと共感してしまった。 だからこんな草食系男子が増えつつあるのだろうけど。 成田空港から送迎バスに乗り、成田ビューホテルへ。
2017年11月19日
小説「R・P・G」(宮部みゆき)を読みました。内容:住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが? 虚実が交錯し、見えてきたものは…文庫書下ろしミステリー! ネットの疑似家族というのが、ありそうで怖い。そこでしか言えないことがあるというのも。本当の家族では言えないことが言えるというのはいいけど、本当の家族からしたら嫌だろう。割と面白く、読み進められました。どんでん返しというか、途中からなんとなくわかってはいたけど、結末は哀しいですね。R・P・Gの意味が疑似家族のことかと思ったら・・・ということも・・・
2017年11月17日
長女マッキーがMさんから借りてきた本を読ませてくれました。「空が青いから白をえらんだのです〜奈良少年刑務所詩集」内容:受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ……。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった──「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。非行少年だった受刑者たちが書いたとは思えないほどの端正な詩。あまり教育を受けてこなかったとは信じられない。母についての詩が多いなと思ったら、そういうテーマで書いたと長女から聞いて納得。家庭環境に恵まれてなかった少年が多かったのだろうけど、母に感謝し、会いたがっている。優しさに包まれ過ぎて、かえって窮屈に感じていたことも書かれてあるけど。1ヵ月に一回、1時間半の授業が6回でこんなに変われるのだろうかと思ってしまう。今まで周囲から拒絶され、無視されてきた受刑者たちが、詩で表現し、仲間に認められ成長していく。合評で否定することなく、受け入れられるということが心を開かせるのかな。明治に建てられた美しい煉瓦造りの監獄も、冷暖房が無く夏や冬は厳しい環境だそう。その監獄も2017年3月に閉鎖され、他の少年刑務所に分散していいき、2020年には監獄ホテルに生まれ変わるらしい。見学会などのニュースは見たことがあったけど、詩を読むのは初めてでした。
2017年11月14日
「大丈夫!そんなにがんばらなくても~あなたの努力がむくわれるヒント」(姫野友美)を読みました。内容:「がんばること」にしばられてはいませんか? 「がんばらないこと」と「サボること」とは違います。がんばりすぎているあなたに贈る、肩の力を抜いて心に余裕を持つためのヒント。女性視点で書かれてるから、私には読みやすい。がんばり過ぎてはいないから、それでもいいのかと安心してしまった。仕事をストレスで辞めたことが後ろめたいけど、無理しなくてもいいんだよと言われた気がした。カウンセリングルーム、心療内科、精神科の違いなどわかりやすく書いてあって参考になる。
2017年11月05日
池袋への行き帰りの電車内で「とり残されて」(宮部みゆき)を読みました。「内容:勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が…。その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。清新にして熟達の筆致をおたのしみください。 」「とり残されて」は、小学校の養護教諭が子どもの幻に出会う不思議な話。人の憎しみなどの感情が時間を超えてその場に残ってるというのは哀しい。怨念なのかな。また「たった一人」も面白い。夢の「場所」捜しで夢をスケッチブックに描いて探偵に見せると、探偵が見たことある風景・・・探偵を助けた女の子だった。運命ってあるのかな? それを変えちゃいけないのかしら?タイムマシン、ドラマ「アシガール」とかでも思うけど歴史って変えちゃうとどうなるんだろう。こんな風に元に戻ってしまうとか、空白の時間ができてしまうのだろうか。それでも助けたいと思ってしまったりするよね。パラレルワールドでもいいから生きていてほしいと思うんだろうなあ。いろいろ考えてしまいましたが、また一日で一気に読んでしまった。
2017年11月01日
「凍える牙」(乃南アサ)を読みました。「内容:深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した! 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか? 野獣との対決の時が次第に近づいていた――。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。 」産業文化センターで待ってる時に読み始め、一日で読み終えてしまいました。女性蔑視の警察の中で、刑事として必死に生きていくのは大変だろうけど、生き甲斐もあるのかな。相棒の滝沢が女性と組むのはやりにくいと感じながらも、だんだん認めていくのは嬉しい。元白バイのトカゲとして、オオカミ犬疾風をバイクで追跡していくのは読んでても爽快。人をかみ殺すように訓練された疾風だけど、人間のような知性を持つ存在として共感して追ってる。人間の方が醜いかな。一気に読み終えてしまうほど、引き込まれましたね。
2017年10月31日
行き帰りの電車内で「猫鳴り」(沼田まほかる)を読みました。「内容:流産した哀しみの中にいる夫婦が捨て猫を飼い始める。モンと名付けられた猫は、夫婦や思春期の闇にあがく少年の心に、不思議な存在感で寄り添ってゆく。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた。濃密な文章力で、生きるものすべての心の内奥を描き出した傑作。」 1部。流産した女性が庭に捨てられていた仔猫を何度も畑や森に捨てに行くが、仔猫は家に戻ってきてしまう。仔猫と流産した子ども重ねてしまうが故に拒否していたのだが、夫に言われてやはり飼うことにする。イヤミスと言われるだけあって、これでもかと醜い感情をあらわにするけど、それほど違和感がないのは、自分にもあるからかな。2部の少年の心の闇の方がきついけど、それをわかっていながら警官などに弁明する父親もすごい。仔猫・ペンギンの遺骸をモンがくわえて去ってしまう。多分食べられてしまうのだろうけど、そこまでさせなくてもいいのではと思ってしまった。2部でモンを捨てた少女アヤメがまた出てきた。1部では母を誉めているけど、それは理想の母親像であって、実はネグレクトされてるのではないかと思っていた。やはり2部ではそれらしい感じ。3部のモンの最期は苦しい。人間の延命拒否・安楽死に通じるものがあるなあ。自然には逆らえないし、逆らわないで自然に任せた方がいいと思ってしまう。別れが哀しいから引き伸ばしたいのだけど、モンはそう願っていないかもしれない。作者の実体験があるのかなと思うほど、執拗に細かく描写されていた。動物を飼ってない私でも読んでてきついのだから、飼ってる人には辛いだろうな。一気に読み終えてしまったけど、後味は重かったですね。悪くはないけど。
2017年10月29日
「少女」(湊かなえ)も読みました。今日図書館から借りてきて一気に読み切ってしまった。内容:親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。映画「少女」の原作にもなっていたのですよね。本田翼・山本美月がちょっとイメージとは違ったけど。最初と最後がうまく繋がって納得。最初は誰のことを言ってるのか分からないところがいいのかな。やはりイヤミスだけど、それほど後味は悪くなかった。偽善的じゃないからかな。偽悪的かもしれないけど。昔話(猿蟹合戦)のラストをめでたしめでたしにするのは好きじゃない。私もクリスチャンだけど、無理にハッピーエンドにする必要は無いと思う。死を前にした子どもに、死を見せないようにしても、かえって意識させてしまうのではないかな。死を考えることで、かえって生に気づくのかもしれない。死をタブーとして遠ざけない方がいい。まあ、死の瞬間を見たいという気持ちはわからないでもない。私も以前、義母の妹を義母と義従妹と一緒に見舞った時、初めて人の死に目に立ち会い、衝撃を受けました。介護施設で延命措置をせず、安らかな最期だったので、いつ亡くなったのか分からないほどだった。こんなにあっけなく亡くなってしまうのかと、かえって衝撃を受けたのです。由紀と敦子の心情が交互に描かれてるけど、状況が違えば、同じような心情になるのではと思ってしまう。それぞれに心の闇を抱え、お互いに明かすことなく付き合ってきたけど、最後は分かり合えて良かった。認知症の祖母に心身共に傷つけられた由紀。同じように苦しめられた家族からも心無い言葉を浴びせられるとは、あまりにも可哀想だった。一気読みしてしまうほど、引き込まれてしまいましたね。
2017年10月27日
図書館に行き、返却してまた借りました。「桃ノ木坂互助会」(川瀬七緒)を読みましたが、これは夫が買ったものです。内容:のどかだった町は、すっかり変わってしまった―。移り住んできたよそ者たちの度重なるトラブルに頭を抱えていた桃ノ木坂互助会会長の光太郎。元海自曹長でもある彼は、悪い芽は早く摘まねばと、町に害を及ぼす人物を仲間たちとともに次々と町から追放することに。次なるターゲットは、大家とトラブルを起こしていた男、武藤。しかし、男を狙っていたのは光太郎たちだけではなかった。とある事件を機に、互いの思惑は狂い始め…。江戸川乱歩賞作家の新機軸ミステリー。 夫はただの老人互助会の話だと思って買ったらしいが、本当に思わぬ方向へ動くので驚いたそう。私はそれを聞いていたので、それほど驚かなかったが、それなら題名をもっと違うものにした方がいいと思ってしまった。意外性を突いてるのかもしれないが、この題名ではあまりミステリーとは思われないですよね。内容は面白く、DV・ストーカーを自殺に追い込む幽霊代行コンサルタント業の沈着冷静な沙月が素敵。確かにこういう男性達には居なくなって欲しいと思ってしまう・・・元海自の曹長の光太郎は時代錯誤だけど、信念があるかな。最後、穏やかで可愛らしい菊美が「代理ミュンヒハウゼン症候群」で、民生委員であることを利用し事故死に見せかけた殺人をしていたなんてことが分かり、怖過ぎる。それに気付いた和歌子が逆にスパイや認知症を疑われていたのにね。一昨日、劇を観に日本橋まで行った電車内でほとんど読んでいたのですが、今日読み終えました。
2017年10月27日
「うつを生きる」(朝日新聞医療グループ)を読みました。「内容紹介:やっぱり、うつだったんだ、と気づくことからすべてが始まる。仕事に追われ疲れ果てた会社員、育児に孤独感を募らせる主婦、妻に先立たれた夫、それぞれが、それぞれの歩みで希望の扉を開いていく。」うつの症例、通院・入院治療、休職してから復職するまでのリハビリなど、具体的に書かれてました。私も、仕事で軽いうつ状態になって辞めたので、他人事とは思えない。今は元気になってきたけどね。
2017年10月21日
人間ドックの行き帰りに小説「百瀬、こっちを向いて。」(中田永一)を読みました。内容紹介:〜せつない恋心が感動を呼ぶ永遠の名作、遂に文庫化!/凄い! このありふれた世界からいくらでも新鮮な物語を掘り出すね。−映画監督・岩井俊二/どれも若い世代の淡い恋愛感情の芽生えを描き、繊細ながらもユーモラスで、叙情的でありながらコミカル。ぎゅっと抱きしめたくなるような、愛おしい作品ばかりだ―ライター・瀧井朝世〜「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。 「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」 恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。 映画の原作にもなってますね。筆者の中田永一、実は乙一だそう。別名義がいろいろあるらしい。短編集で、「百瀬、こっちを向いて。」は、なんとなく知ってたけどやはり面白い。他の短編も良かったですね。美人過ぎる「小梅」が目立たないためにブスメイクするとか。高校のカーストも感じたけど、高校だけではないかな。切ないけど、セリフはコミカル。一気に読んでしまいましたね。
2017年10月18日
「発達障害と生きる~どうしても『うまくいかない』人たち」(岩波明)を読みました。内容紹介:「発達障害のイメージ」には、大きな誤解がひそんでいる!――発達障害の正しい知識をわかりやすく解説この数年、「発達障害」は非常にポピュラーになり、一般の人にも知られるようになってきたが、その一方で、メディアで取り上げられたり、一般の人が思い浮かべる「発達障害」のイメージと、実際の疾患との間には大きなズレが生じている。一般に考えられている「どこか変わったところのある人」「奇妙なクセがあり、集団に溶け込めない人」という発達障害のイメージは、あくまで「軽症例」であって、実は発達障害の一部でしかない。多くの発達障害を抱える人たちをみてきた経験豊富な精神科医が描き出す、「ほんとうの発達障害」の姿。臨床の現場にいると、正しく診断されていないASDやADHDの患者が数多く存在していることに驚かされる。彼らは、うつ病や躁うつ病、あるいはパーソナリティ障害などと診断され、長年に渡って適切とは言えない治療を継続していることも多い。患者本人が自分自身の状態を知ることなしに、長く辛い日々を送らなければならないことは不幸なことである。――「おわりに」より患者の症例や、文学の登場人物の症例など、症例は多く載せてるけど、その対処法とかがなく、「発達障害と生きる」という題名には合ってないかも。発達障害は大人になってから発症するものではなく、子どもの頃から症状は現れてるというので、大人の発達障害ではないか?と後から気づくのは軽症例や、うつなどの二次障害などかもしれない。私や子どもも、そうではないかと疑ったこともあるけど、それほどではないのかな。
2017年10月17日
小説「手紙を読む女」(新津きよみ)を読みました。「内容:10年前、無理心中を図った妹夫婦。高須恵美子は、生き残った甥の和彦を養子として引き取る。人気作家として第二の人生を歩み出した和彦と、アンチエイジング研究の第一人者・美恵子に届く様々な手紙を巡るミステリー連作集。」面白くて、一気に読み終えてしまいました。甥の小6の少年の書いた手紙は、あまりにも大人びているから不自然。天才というのかもしれないけどね。筆者にもモデルにした甥が居たそうだけど、どんな子だったのかな。
2017年10月15日
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