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tajim

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Feb 16, 2006
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それは、カビ。
何度引っ越しても、どこに住んでも、毎年冬になるとどこからかカビが発生する。それも、普通に暮らしている家自体に生えるんだから始末に終えない。

最初に住んだ家は、ビクトリア時代に立てられたセミデタッチドハウスを3つのフラットに改造した家の一階だった。その時はロンドンで始めての家だったし、カビのことなんて考えもしないで、庭のついている一階部分のフラットを選んだ。
おかしなことに気づき始めたのは冬の初めのこと。備え付けのワードローブの中に入れている服に、点々と白い汚れがつく。洗っておいたはずなのにおかしいな、と思い、もう一度洗ってからしまう。でも、しばらくするとまた汚れる。よく見ると、カビだった。ぎょっとして他の服を調べると、ドレスや一度も着たことのない喪服、ダンナのスーツなど、あまり着ない洋服全てにびっしりとカビが生えていた。
それは始まりに過ぎなかった。カビは徐々にバッグ、手袋、ベルトなどの革製品に移り、納戸のバックパックを真っ白にした。しまいにベッドの後ろの壁にはめてあるウッドパネル自体にカビが生え始め、私達は引越しを余儀なくされた。

ベッドルームは100年以上経っている建物の増築部分だった。そもそも作りがいい加減だし、ワードローブの後ろには隣のフラットのお風呂とか、水周りがあるのかもしれない。そして、日照時間が極端に減るイギリスの冬で、じめじめした地面に触れている1階部分はさらにカビを寄せ付けやすいのかもしれない。

そんな理由で、次にはほぼ新築の、3階部分にあるフラットに移ることにした。そこは比較的マシだった。基本的にドライだし、外からカビが生えることはなかった。でも、居間の壁の一部分に、いつもカビが生えるスポットがあった。その裏側はバスルーム。壁が、水を吸ってしまうんだろうか・・・

仕事の関係で、意外にすぐにそこを引き払うことになった。次に住んだ家は1980年代くらいに作られたフラットの3階部分を選んだ。イギリス的には「比較的新しい」と言える。その頃には慎重になっていたので、カビの形跡を探して丹念に調べたつもりだった。


そして、現在の家。玄関は一階だけど、居住エリアは二階、という建物に住んでいる。築10年ほどで、イギリスの町並みに於いてはずいぶん新しく見える。でもやっぱりカビからは逃れられなかった。
冬になると、カビは玄関のある一階部分の壁から始まる。カビだけでなく、壁自体が水分を含んでじっとりし、水滴が見える。ほっておくと白と黒のカビが生えてまだらになる。やはり毎週末は梯子を出して壁を拭いて周ることになる。でも天井が高くて届かない部分もあるので、カビは少しずつ範囲を広げていく。最近は、二階のベッドルームに進出してきた。階段の裏側にあたるベッドルームの壁の隅が、微妙に黒い。
でも、今までのことを考えればましなほうだ。洋服はカビないし、居間にはカビは出ないから。これから春になるまであと、数ヶ月の辛抱だ。

不思議なことに、こんな話をイギリス在住のほかの日本人にしても、共感してくれることが少ない。カビなんて見たことないとか、ちょっとは生えるけど気になるほどじゃないとか言う。私達がいつも2人用の小さいフラットに住むからかもしれないし、毎日お風呂を入れたり室内で洗濯物を干す習慣が良くないのもかもしれない。でも、そう言うと大抵「でも私も毎日お風呂はいるよ!」とか言われるし、日本人としては毎回乾燥機を使うことに抵抗がある人も多いはず。今の家では24時間除湿機を稼働してるのに、それでも追いつかないくらいの湿気がでているのだから困ったものだ。

こうなると、私達がカビ菌を出しているか、よっぽど引越し運がないか、どちらかだと思うしかないだろう。次に引っ越す時こそ、カビから逃れたいものだ。






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Last updated  Feb 16, 2006 10:33:06 PM
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