宝石の豆知識6(ジュエリーの種類編)

【4 ジュエリーの商品知識】

■ジュエリーの種類
 前章ではジュエリーが使用目的では消費財に、
 購買慣習においては専門品に入ると説明しました。
 ジュエリーの中にはファッションリングなどと呼ばれ、
 ファッション衣料品とそれ程変わらない購入のされ方を
 しているものもあります。
 消費者各自が雑誌や友達よりの口コミなどから情報を仕入れ、
 さらに店頭で販売員からのアドバイスを受けて購入に至るという、
 買回品の性格ももっています。
 この傾向は若い世代に強く見られますし、
 購入単価もそれ程高いジュエリーではない場合です。
 この章ではジュエリーがどんな性格をもつか、
 ジュエリーと他の商品との違いではなく、
 ジュエリーの種類についてお勉強していきましょう。

■1、ジュエリーの種類

 ジュエリーは着ける体の部位によって名称が分かれます。
 指に着ける「リング」、首回りに着ける「ネックレス」、
 首から下げる「ペンダント」、耳に着ける「イヤリング」、
 手首に着ける「ブレスレット」、
 服の上で胸回り着ける「ブローチ」です。

 ところでジュエリーの商品分類にでてくる言葉に
 「ハイジュエリー」があります。
 本来一点物で、さらに使用地金・宝石が高品質である、
 加工技術が優れている、デザイン性に優れている、
 どれをとっても高い品質をもつジュエリーということです。
 そのため当然価格は高くなります。日常生活で身に着けることより、
 「特別の日」用のジュエリーと考えたら良さそうです。
 このほかのジュエリーの商品分類の仕方については、
 ジュエリーコーディネーター2級で勉強できます。

■リング:各部位の名称を知る

 ここでは代表的なリングの構造について紹介します。

 ・代表的なリングの構造

 「中石」center stone
 中石の宝石のカットスタイルには、
 ダイヤモンドのように「ファセット」facetと呼ばれる平らな
 切子面が何個もいろいろな大きさ、
 角度で連なっている「ファセットカット」と呼ばれるものと、
 スタールビーの様につるりとした曲面を持った半円形の
 「カボッションカット」cabochon cutの2種類があります。
 また真珠やさんご、半貴石のビーズ(丸玉)や
 「カービング」carvingと呼ばれる表面を彫刻したものもあります。
 カットは外形で「ラウンド」round、「オーバル」oval、
 「ペアシェイプ」pear shape、「ハートシェイプ」heart shape、
 「マーキーズ」marquiseと呼ばれます。
 近年は宝石のカットもデザインの一部としてとらえられ、
 比較的安価な半貴石はデザインに合わせてカットされる場合も多い様です。

 「爪」prong、claw
 首まわりや胸に比べると指はよく動きます。
 したがってリングはいろいろなところに当たります。
 しかし直接宝石に当たらないように爪のつける位置や
 形に工夫が凝らされています。
 中石の爪の形は代表的なものとして「丸爪」、「鬼爪」、「平爪」、
 「剣爪」、「わし爪」、「おがみ爪」、「割爪」があります。
 メレ(小粒石)の爪としては大きく分けて「線爪」、「割爪」、
 「板爪」があります。
 さらに「共有爪」といって一本の爪で複数のメレを留める場合もあります。
 これはできるだけ爪の数を減らしデザイン的にすっきりさせたり、
 石を目立たせたりする為のものです。

 「石座」mount
 近年のリングでは腰にボリュームがなくなった分、
 石座のバリエーションが増えています。
 低価格帯の日常よく身に着けるおしゃれとしての
 ファッションリングでは、石座もデザインの大きなポイントです。
 石座にはいろいろな模様や透かしがはいり、
 そのリングの特徴になったりしています。
 石座は宝石の深さ、形、雰囲気に大きく影響を受けます。
 例えば深いパビリオンをもつタンザナイトやブルートパーズの場合、
 キューレットが当たらない程度の高さの石座が必要になります。
 またその部分へのデザイン的配慮も必要です。
 石座のなかでも石のはまる部分を「ベゼル」bezelとか
 「シャトン」chatonといいます。

 「腕」arm、shank
 腕の断面の形は「甲丸」、「平打」、「平甲丸」、「しのぎ」、
 「剣腕」の5種類に分かれています。
 近年は着け心地が販売のポイントになることも多く、
 指なじみをしっかりとったリングも見受けられます。
 指なじみがとってあるものとないものを比べると、
 リングが少々きつめの場合、
 とってないものはリングの腕の回りの肉が盛り上がりぎみになりますが、
 十分にとってあるものは内側の丸めた部分だけ肉を吸収し、
 指をすっきり見せる効果があります。
 そしてリングを外した際にも、跡が残りません。
 腕の厚みは手のひら側にくる中央部分で1.0~1.8mm必要です。
 余り薄いと重いものを持ったり、指に力が入ったりした場合、
 変形したりします。
 しかし低価格帯のものの中にはサイズ直しが容易にできるという理由で
 薄く仕上げてあるものもあります。

 「腰」base
 「唐草腰」、「線腰」が代表的です。
 近年日常身に着け易いということで、
 立ち(高さ)の低いリングが増えています。
 あまり高いと引っ掛かりが気になるという理由からです。
 そのため腰部が低かったり、まったくないデザインが好まれています。

 「肩」shoulder
 腰と同じように近年肩のあるリングは少なくなりました。
 腰と共に高さのでてしまう肩をつけないデザインが増えたからです。

 ----- まとめ -----
 「中石」:宝石付きリングで一番のポイントとなる部分
 「爪」:宝石をしっかりつかまえる部分。石を保護する働きもあり
 「石座」:宝石をのせる座。爪座ともいう
 「腕」:輪になった部分
 「肩」:腕や石座や腰につなげている部分で、補強や装飾をかねる
 「腰」:石座の下、石座と腕の間をつなぎ、補強や装飾をかねる
 「指なじみ」:腕の内側の部分。角を面取りし丸くすることを
 「指なじみをとる」といいます。

■リングの基本デザイン
 リングの基本デザインは宝石の配置と「腕」を中心に考えることができます。

1)宝石の配置をメインとしたタイプ分け

 リングは宝石をとめる為のもの、
 と思うくらい宝石付きのリングは古くからありました。
 ここでは宝石の配置によりタイプ分けをします。
 センターに一個石だけの「ソリテール」、
 中石の両サイドにメレがある「サイドストーン」、
 中石のまわりをメレが取り囲んだ「取り巻き」、
 ほぼ同じサイズの宝石が横一線に並ぶ「一文字」、
 複数のメレで構成される「マルチストーン」に分けられます。

 「ソリテール」solitaire
 センターに一個石だけのリングをソリテール(仏語)といい、
 英語ではソリテアといいます。
 色石の一個石をソリテールと呼ぶことは間違いではありませんが、
 多くの場合ダイヤモンドの一個石リングの立爪をさしています。

 「サイドストーン」
 「脇石リング」とも呼ばれ、両サイドにメレ(小粒石)があるので、
 「サイドメレ」とも呼ばれることがあります。
 サイドのメレはラウンドだけではなく、
 バゲット、テーパーバゲット、マーキーズ、
 オーバル、ペアシェイプと様々使われます。

 「取り巻き」
 高価な中石をよりゴージャスにみせる為、
 また宝石にボリュームを持たせるため中石を中心にメレで取り巻きます。
 取り巻くメレは、ダイヤモンドの場合が圧倒的です。
 メレの形はラウンド、テーパーバゲットが多く使われますが、
 様々なメレをミックスして使用される場合もあります。
 特にテーパーバゲットが波打ったように取り巻かれたものを
 「バレリーナ」とも呼びます。
 バレリーナのチュチュのような優しい表現ができます。
 特にうねっている分、石目(石の重量)がつくので高額品に使われます。
 またメレを円形(花形)にレイアウトしたものを
 「クラスターセッティング」cluster settingといいます。
 取り巻きタイプは豪華なものが多く、
 夕食時につけると映えるということで
 「ディナーリング」と呼ばれる宝石をちりばめて華やかさ
 を演出するリングの代表でもあります。

 「一文字」band
 漢数字の一のように横一線に石が並ぶのでこう呼ばれます。
 使われる宝石の数は奇数で、一列のものを一文字、二列を二文字、
 三列を三文字と呼びます。

 「マルチストーン」
 中石がなく複数のメレだけのタイプです。
 メレの組み合わせは、同種類の宝石で同じサイズのメレを使ったものから、
 サイズ違いのもの、ラウンドとマーキーズといった様に形の違うもの、
 宝石の種類の違うものといったものがあげられます。
 この中で色の違うものの組み合わさったものを「カクテルリング」と呼びます。
 またラウンドブリリアントカットされた宝石が石畳のように
 接して並んでいるものは「パヴェセッティング」pave setting、
 通称「パヴェ」と呼ばれます。

2)腕をメインとしたタイプ分け

 「V字腕」
 指を長く見せるという効果もある腕です。
 Vの切れ込みがもっと穏やかな「U字腕」もこの仲間です。

 「抱き合わせ腕」
 中石を包み込むような柔らかなフォルムの腕です。

 「ひねり腕」
 シャープな動きがある腕です。

 「割腕」
 隙間を作ることによって軽快さをだす事ができると同時に
 地金の節約もできます。
 付け目を低く抑えたい、しかし地金の面はある程度ほしいといったときに
 この割腕は有効です。
 またひねり腕で割腕といったリングもあります。

 「スネークタイプ」
 螺旋状になった腕ですので「スパイラルタイプ」とも呼びます。
 一本の輪になっていないので、
 つける人の指のサイズに調節することができます。
 「フリーサイズリング」の代表です。

 「チェーンタイプ」
 喜平などの幅広のチェーンを使ったり、
 時計の金属バンドを感じさせる要素を持った腕です。

■リングの様々な呼称
 リングは他のアイテム以上に思い入れがしやすく、
 人生の多くの場面に登場してきたので様々な呼ばれ方をしてきました。
 ここではいくつかの項目に分けて説明します。

1)つける指に関するもの

 「ピンキーリング」
 ピンキーとは英語で小指を指します。
 古来より小指は「チャンスや秘密」の象徴とされてきました。
 近年両手に何本ものリングを着ける女性が増え、
 ピンキーリングも一般的になりました。
 一番端にある小指に着けるため、
 サイドにポイントをおくリングも見受けます。
 ピンキーリングの一般的リングサイズは4番位です。
 普通のリングがサイズ10番から13番ですので、
 かなり小さめといえます。
 小指は他の指に比べ節がなく、
 するりとリングが抜けやすいのでやや幅広のものが目立ちます。

 「ブライダルリング」
 左手の薬指につけます。
 左手は「服従と信頼」を表し、
 特に薬指は「創造」を表す指とされてきました。
 古代エジプトより「左薬指の血管は心臓までつながる」と言い伝えられ、
 愛の象徴であるブライダルリングをこの指につけました。
 また左薬指が一本では使えない弱い指なので、
 相手への服従を表すために着けたという話も伝えられています。
 婚約まではいかないにしてもお互いただ一人の相手を
 約束しあった「ステディリング」もブライダルリングと同じように
 左手薬指に着けます。

 「中指リング」
 この指は「直感やインスピレーション」を表す指とされています。
 指の中で真ん中にあり一番長い指なので
 大振りのリングを着けこなすことが出来ます。

 「インデックスリング」
 人差し指に着けるリングをインデックスリングといいます。
 この指は「人を導き教える」指とされてきました。
 人差し指は親指との間隔があるので大振りなデザインが可能で、
 ピンキーリングと同じようにサイドに特徴を持たせることもできます。

 「サムリング」
 親指にはめる指輪です。
 弓を引く親指の保護のため、この指輪が使われてきました。
 (archer's ring)
 また親指は「権力や権威」を表す指とされ、
 中世キリスト教の教 皇は親指に大きな指輪をしたとされています。

 「トゥリング」
 足の指にはめるリングです。
 私達の社会のように靴を履く生活の中では馴染みが薄いですが、
 アフリカやインドの種族の写真集等ではよく見ることが出来ます。
 また近年私達の中でも夏場にサンダルやミュールを履くとき、
 ファッションとして身に着けている人もいます。

2)結婚に関するもの

 「ブライダルリング」
 日本では広くとらえて結婚指輪と婚約指輪の両方をさす場合がありますが、
 欧米でも結婚指輪と婚約指輪を両方贈る習慣は
 19世紀に入ってからのことで、
 それまでは、その時代の教会が結婚を重視するか、
 婚約を大事と見るかで、どちらかのリングを贈りました。

 「結婚指輪」
 結婚式の時または入籍した日に男女が取り交わすリングです。
 「ウェディングリング」、「マリッジリング」とも呼ばれています。
 結婚指輪は古代ローマ時代より取り交わされるようになりました。
 初め素材は鉄でしたが、ローマ時代末には金へと変わりました。
 現代でも欧米では金のマリッジリングのウェートが高いのに対し、
 日本では圧倒的にプラチナの比率が高くなります。
 マリッジリングのデザインは常に身に着けているということで、
 甲丸リングや平打リングをベースにアレンジした
 シンプルで飽きのこないデザインが主流です。
 「カットリング」といって周囲に彫りを入れたものもあります。

 「婚約指輪」
 婚約のとき、男性から女性へ贈るリングです。
   「エンゲージリング」とも呼ばれています。
 日本ではダイヤモンドの立爪タイプのリングを贈る人が多数を占めています。
 ダイヤモンドのエンゲージリングを初めて贈った人は、
 オーストリアのマキシミリアン大公といわれています。
 今から約500年前の1477年のことでした。
 ブルゴーニュのマリー姫に、
 かまぼこ型ダイヤモンドでMの字を型どったものを贈りました。
 また、1840年2月に結婚したイギリスのヴィクトリア女王へ、
 プリンスアルバートが贈ったエンゲージリングはエメラルドがついた
 スネークタイプリングです。

3)アニバーサリー(記念)に関するもの

 「エタニティリング」
 結婚記念日や子供が産まれた記念に、夫から妻へ贈られるリングです。
 永遠に変わらない気持ちを表すためのリングの全周にとぎれる事なく同サイズ、
 同カットの宝石を留めています。
 エタニティリングは全周が基本ですが、サイズ直しの可能性や、
 コストの面も考えて半周程度石が留められたものを
 「ハーフエタニティ」と呼んでいます。
 それに対し、全周を「フルエタニティ」と呼ぶ場合もあります。

4)昔からいわれのあるもの

 「ポージーリング」
 ポージーとは、詩や短い文句、モットーなどを意味する言葉です。
 13世紀のヨーロッパで「愛は全てに打ち勝つ」とリングに刻んで
 恋人に贈った人がいましたが、その後14~18世紀にかけて
 イギリスを中心とするヨーロッパで表裏に愛の言葉を刻んだ
 リングを贈ることが流行しました。

 「シグネットリング」
 シグネットは印象の意味で、「印象指輪」が和名です。
 似たような性格のものに「シールリング」がありますが、
 シグネットが平面に押印するものであるのに対し、
 シールは封印の目的でワックスに型押しするもので、
 その跡が浮き彫り状になることが特徴です。
 シールの彫刻方法は凸面に彫った「カメオ」(浮き彫り)に対し、
 「インタリオ」(沈み彫り)と呼ばれる凹面に掘り込んだものです。
 一般にインタリオとして分類されているものは
 神話の情景や肖像が彫られていますが、
 シールでは紋章やイニシャル、シンボルが多く用いられています。
 直接地金に彫ったものもありますが、めのうや水晶系の石を彫って
 リングにセットしたものが多く見受けられます。
 現在ではシグネットリングが実際に印象として用いられることは稀で、
 形と名称だけが残りました。
 特に日本では「印台」と呼ばれるリングが
 メンズジュエリーの重要なアイテムとなっています。

 「リガードリング」
 19世紀に流行した色石リングの一種で、
 愛の言葉の頭文字をもつ宝石を並べて使いました。
 よく使われた愛の言葉はリガードREGARD(敬愛する)で、
 Rをルビー、Eをエメラルド、Dをダイヤモンドの宝石で飾りました。
 また二人だけにしか解らない言葉の頭文字を
 宝石に置き換えたりして楽しみました。
 このようなスタイルのものを「メッセージリング」とも呼びます。

5)宝石に意味をもたせたもの

 「星座石リング」
 宝石が古代より強い魔力を秘めていると考えられていた為、
 魔除けや護符として守護石が求められました。
 古代メソポタミアで生まれた占星術は、
 人間の運命は生まれた瞬間の天体の位置と関係があるとされ、
 12の星座が運命を支配すると考えました。
 12の星座には10の惑星があり、惑星の神々は色彩により象徴され、
 その色彩と惑星の関連で守護石としての宝石名が決められました。
 そして星座を守護する宝石を身に着けると、
 災難から身を守ったり、願が叶うと言われ、
 現在でもエンゲージリングやお守りとして使われています。

 「コンビリング」
 コンビリングは、造語の日本語です。
 1本のリングで2種類以上の地金を使っているということにより、
 名付けられました。
 金とプラチナを使った組み合わせが一般的ですが、
 輸入品の中には金とホワイトゴールドの組み合わせもあります。
 また近年は「カラーゴールド」と呼んで、
 イエローゴールドとピンクゴールドのコンビ、
 さらにプラチナやホワイトゴールドを加えた3色の
 コンビリングも登場してきています。

6)所属によるもの

 「カレッジリング」
 リングを着け、他人と違う自分を演出する場合もありますが、
 同じリングを着けることによって仲間意識を持つリングもあります。
 カレッジリングは大学の校章やシンボルなどが入ったリングです。
 また卒業記念としても用いられます。
 「スクールリング」も同じ意味です。
 また「クラスリング」は、級友達が身に着けるリングです。

 7)モチーフに意味を持たせたもの

 「チャームリング」
 チャームとは本来魔除け、お守りを意味します。
 モチーフは、鍵が愛情・富・健康を意味したり、
 十字架が力を与えてくれるもの、リボンが人との絆、
 小瓶や羽が夢の達成、そしてハートが幸福・愛情等々を表しています。
 しかし現在ではチャームをさがる飾りと解し、
 チャームリングをさがる飾りつきのリングとしている場合もあります。

 「スネークリング」
 蛇は知性という意味や、巻いた尾が幸せを逃さない、
 永遠性を持つということで古来より現在までモチーフとして使われています。

■ネックレス

 ネックレスは首回りに着けるジュエリーの総称です。
 ペンダント、ブレスレットと共に人類が初めて身に着けた
 装身具といわれています。

 1)ネックレスの種類
 ネックレスは宝石つきのもの、貴金属だけのもの、
 幅の広いもの、首にぴったりつくものから長いものまであります。
 ここではタイプをいくつかに分けて紹介します。

 「ネックチェーン」
 主に貴金属を編んだもので首に添って着け、
 比較的軽めのものを指します。
 驚くことにチェーンは紀元前2500年には既に編まれていました。
 編み方は薄くのばした金を短冊状に切り、
 こよりのようによったものを編んだものです。
 チェーンの生産方法は手づくり(ハンドメイド)と
 機械作り(マシンメイド)があります。
 近年は技術開発が進み貴金属の線(ワイヤー)を
 様々な形に編むことができるようになりました。
 また「切子チェーン」といって
 金属の短い棒状のコマをつないだものもあります。

 「連タイプ」
 玉が連なったタイプです。
 代表は真珠のネックレスがあげられます。
 その他さんご、こはく、象牙、水晶などの半貴石も見かけます。
 玉はセンターも両端もほぼ同じ大きさ
 (真珠ではユニフォームといいます)のものと、
 センターが大きく両端にいくにつれて小さくなるもの
 「グラデュエーション」があります。
 真珠ではこのグラデュエーションの小さくなる割合がそれほど
 目立たないものが多いですが、他の素材では極端なものも見受けます。
 また玉は糸(絹糸やナイロン糸)や
 極細のワイヤーがとおりしなやかさをだしています。
 糸の場合、
 玉と玉の間の結び目をナッツ(またはノット)と呼びます。
 このナッツは万一糸が途中で切れた場合、玉の散逸を防ぐ為です。

 「ワイヤータイプ」
 金具をワイヤー状にして加工したものです。
 長さはチョーカー(35cm)サイズが一般的です。

 「ドッグカラータイプ」
 首の縦方向にぴったりつく幅広のタイプです。
 犬の首輪のようだというところから「ドッグカラー」という名前が付きました。
 また「ドッグネックレス」と呼ばれるものも同じタイプです。

 「シャワータイプ」
 胸に広がるタイプです。
 「ビブネックレス」(よだれかけという意味)とも呼ばれます。

 「ペンダントタイプ」
 吊り下がり部があるネックレスです。
 吊り下がったものを「ペンダント」、「ダングル」と呼んでいます。
 また「ぶら」と呼ぶ人もいますが、
 位置が位置だけに女性の下着と混同しやすく、
 あまり好ましいとはいえません。
 このタイプは非常に高価なネックレスに見られる一方、
 「プチネックレス」と呼ばれる宝石が
 ワンポイントついたネックレスもあります。
 プチネックレスは通称「プチネック」と呼ばれています。

 「オメガタイプ」
 一見するとワイヤータイプと同じ様にも見えますが、
 オメガタイプはギリシャ文字Ω(オメガ)の形をしたパーツを
 一つ一つ繋いでいったネックレスです。

 2)ネックレスの長さの呼び方

   短いものからチョーカー(35cm)、プリンセス(43-45cm)、
 マチネ(53cm)、オペラ(71cm)、ロープ(107cm)、ロングロープ(142cm)
 という名称があります。
 またチョーカー以外は日本だけで用いられ、
 特にパールネックレスで使われています。
 チョーカーは体格の良い人、やせている人、首の太い人、
 細い人ではネックレスラインが異なるため、
 35cmの長さと言うより首にぴたりと沿う長さを呼んでいる場合がほとんどです。
 ロープやロングロープは、2連や3連にして華やかさを演出したり、
 場合によっては腰に巻いたり、
 肩からたすき掛けに着けたりすることもあります。
 また「コンバーチブルネックレス」といって、
 ネックレスとブレスレットが同じようなデザインで、
 繋ぐと1本のネックレスになるものがあります。
 ロングネックレスにしたり、
 ブレスレットとネックレスに分けてコーディネートしたり、
 ファッションに変化を付けられるので便利です。

3)ネックレスの留め金具
 ネックレスの留め金具は「引き輪とプレート」、「フック」、
 「パールクラスプ」、「中折れクラスプ」、
 「差し込み式クラスプ」があります。

 「引き輪とプレート」
 ネックチェーンによく使用されます。
 軽く安価に作ることが出来ます。
 引き輪もプレートもチェーンの重量と太さに合わせていろいろな
 サイズが揃っています。
 プレートは別名「ダルマ環」とも呼ばれます。
 これはこの形状から呼ばれるものです。
 編まれたチェーンに引き輪とプレートと共に丸環をろう付すれば
 ネックチェーンは完成するのですが、
 引き輪側の丸環がろう付されていないものがあります。
 これはネックチェーンを引っ掛けたとき、
 丸環が開いてチェーンの途中が切れるのを防ぐためです。

 「フック」
 輸入品のやや重量のある地金物のネックレスによく見られます。

 「パールクラスプ」
 真珠専用のクラスプです。
 クラスプには真珠が留められるよう玉芯がたっています。
 また真珠に通した糸が通せるよう丸環が付いているのも特徴です。

 「中折れクラスプ」
 幅広で重量のあるネックレスに向いています。
 またどちらかといえばブレスレットへの利用が多いクラスプです。

 「差し込み式クラスプ」
 箱形になったクラスプなので「ボックスクラスプ」とも呼ばれています。
 クラスプのデザインは全体と一体感を持たせる場合も多く、
 高級感あふれるネックレスの多くはこのタイプを使用しています。
 クラスプは単につなくだけでなく前やサイドに持ってきて
 飾りの一部としたりデザイン上のポイントにしたりします。
 このようなクラスプには「フロントクラスプ」があります。
 留め金具と同じようなものに「アジャスター」があります。
 これは長さを調節するもので、ネックチェーンに付けられます。

●ちょっと一息 ・・・コラム

 「喜平の名の由来」
 金のチェーンの一種に鎖をたたいてつぶしたような形の
 「喜平型チェーン」と呼ばれるものがあり、
 ネックレスやブレスレットとして人気があります。
 ジュエリー業界ではごく一般的に使われている名前ですが、
 語源について自信をもって答えられる人は余りいません。
 この名称の由来についてはいろいろな説があります。
 代表的な説をご紹介します。

 1)鈴木喜平という人が始めて作ったので、喜平と呼ばれるようになった。
 2)騎兵隊が懐中時計の鎖に使ったから。

 どちらが本当か今では答えられる人が殆ど居なくなってしまったほど、
 古くから広く使われてきた名前です。

■イヤリング/ピアス

 耳たぶに開けた穴に通して使用するのをピアス、
 耳たぶの裏をネジやクリップで留めて使用するのをイヤリングと
 一般に呼んでいますが、
 実は留め金具の違いであって正式には耳に着けるジュエリーは全て
 イヤリングといいます。
 イヤリングは19世紀まで全てピアススタイルでした。
 その後ネジやクリップのイヤリングが登場し、
 しばらく耳たぶに穴を開けない時代が続きますが、
 19世紀後半になり、またピアスをする女性達がでてきました。
 そして現在のピアスの隆盛へとつながっていきます。
 基本デザインは古代から現代まで全く変わりません。
 「フープタイプ」、「スタッドタイプ」、
 「ドロップタイプ」の3種類です。

 「フープタイプ」
 フープ(輪)状のタイプです。
 細いものでは線材を使用したり、
 太いものでは重さを軽くするためパイプ材が使われ、
 近年ではさらに軽くする為エレクトリックフォーミング製法で
 つくられているものもあります。

   「スタッドタイプ」
 「ボタンタイプ」とも呼ばれています。
 またスタッドは飾りボタンという意味です。
 耳たぶにぴたりとつく動きの無いタイプなので、
 小さな丸玉のピアスはピアスを開けたばかりの初心者が
 ひっかける心配が少ないとのことでよく利用されます。

 「ドロップタイプ」
 下にぶら下がるタイプです。
 「ペンダントタイプ」、「ダングルタイプ」とも呼ばれます。
 他の二つのタイプに比べ、
 さがるぶん動きも大きく華やかな印象を与えます。
 通常ドロップタイプといわれるものの中にも、
 房状にさがる「タッセルタイプ」、
 微妙なバランス感覚を持つ「モビールタイプ」、
 さらに華やかな「シャンデリアタイプ」があります。

2)イヤリング/ピアスの留め金具
 a.イヤリングの留め金具

 「スクリュータイプ」
 耳たぶの裏からネジを回して押さえるため、ネジ式とも呼ばれます。
 押さえる力はねじのため、耳たぶの厚みにより調節できます。
 軽めのイヤリングに使われます。19世紀末にパリで発明されたものです。

 「クリップタイプ」
 耳たぶをクリップではさんで留めるタイプです。
 押さえる部分が大きいので重めの大ぶりのイヤリングに使われます。

 また着脱が簡単で輸入品によくみかけます。
 斜めや後ろから見られてもネジ式に比べて
 ネジ棒がない分金具が目立たないのが特徴です。
 また慣れない人だと長時間着けにくい金具で、
 耳たぶの裏の押さえる金具が痛いと感じる人も多いため、
 当たる部分に シリコンゴムを使用しているものが増えています。

 「ミックスタイプ」
 スクリューとクリップが合わさったタイプで
 「バネ式スクリュー」とも呼ばれています。
 全体の押さえはクリップで微妙な調整はネジで行うものです。
 スクリュータイプに比べ、より重いものに使えます。
 また着脱が簡単なのも大きな長所です。

 b.ピアスの留め金具

 「ポスト」と「キャッチ」
 突き刺す棒を「ポスト」、受けとめる金具を
 「キャッチ」と呼びます。
 ポストは長さ、太さとも何種類かあります。
 日本人は欧米人と比べて耳たぶの厚い人が多いと言われていますが、
 耳たぶの厚い初心者が短いポストを使いますと
 絶えずキャッチが耳たぶに接し、
 場合によってはくいこみ、
 ピアスをすることによってできた穴の傷口がなかなか治らず、
 金属アレルギーの原因ともなります。
 また初心者が細いポストを使用すると、
 ピアスホール(ピアスの穴)が小さくなり、
 太いものを着けたとき傷を付けることになり、
 これも金属アレルギーの原因になります。

 「キャッチ直結タイプ」
 フープタイプによくみられる留め金具のタイプです。
 本体とキャッチが別々になっていると
 キャッチは小さいので無くし易いのですが、
 この点キャッチ直結タイプはキャッチが本体にくっついているため
 着脱が簡単です。

 「クリップタイプ」
 ポストとクリップでささえるので、
 ボリュームのあるもの、重量のあるものに向いています。

 「キャッチレスタイプ」
 フープの途中にヒンジ(開閉装置)がついていて
 ポストをそのまま本体が受けるタイプをいいます。
 機能とデザインが一体化しています。

 「アメリカンタイプ」
 アメリカンインディアンが着けていたとのことで、この名前があります。
 チェーンの先にポストがついていて、ポストとともに
 チェーンの中ほどまでピアスホールに入れてバランスをとりつかいます。

 「ジプシータイプ」
 ジプシーが使っていたとのことでこの名前があります。
 別名「フックタイプ」とも呼ばれます。
 曲がったワイヤーをピアスホールに引っ掛けるだけのものです。

■ブローチ

 リング、ペンダント、イヤリング、ネックレス、
 ブレスレットが古代社会から存在したのに対し、
 ブローチは古代ギリシャのキトン(服)を留めるフィブラが
 原型となっています。
 古代ギリシャの歴史家ヘロトドスは  「アテナイの軍隊は遠征に出かけたところ、
 戦いに負け兵士は殆ど殺されました。
 生き残った兵士が一人故国に辿り着き、
 町中の女性に彼女達の夫の最後を語ったところ、
 彼女達は労うどころか一斉に怒り狂いました。
 そして一人だけ生き残って帰ってくるとはと、
 肩からキトン留めの鋭いピンを抜いて、
 よってたかって刺し殺してしまいました。
 この事件により、ピンは恐ろしいのでフィブラ(安全ピンスタイル)が
 考案されました。」と記しています。
 このフィブラはジュエリーというよりまだ服をとめる要素が大きいものでした。
 その後装飾的な面が強くなり胸飾りとして
 ブローチは現在のものへと変わっていきます。

■ブローチ

 1)ブローチの種類
 ブローチの種類は、裏面に安全ピンがついたような
 「安全ピンタイプ」、長い針がついた「スティックタイプ」、
 短い針がついた「タックピンタイプ」、
 そして挟んで留める「クリップタイプ」があります。

 「安全ピンタイプ」
 多くのブローチに使われているタイプです。
 ピンの受け金具の種類によって風車式と鉄砲式の2つに分かれます。
 名前の由来はどちらもピンを受ける金具の形状からきています。
 鉄砲式の方がコストがかかるため比較的高額なブローチに使用されます。
 また飾りとなる部分の大きめなものや、重いもの、
 高額なもののために「ダブルピン」があります。
 2本のピンでしっかりささえます。

 「スティックピンタイプ」
 「スティックピン」以外に「ピンブローチ」と呼んだり、
 ただ単に「ピン」と呼ぶ場合があります。
 ピンは長い針を意味しています。
 ピンブローチを着用したときピン先は服の外へ出てきて、
 キャッチで留めます。
 元々は男性用のタイ留めでした。

 「タックピンタイプ」
 短い針の先に飾りがついたタイプです。
 服の裏からキャッチで留めます。

 「クリップタイプ」
 バネではさんで留めるタイプです。胸ポケットや襟を利用します。

 2)ブローチの重さとピンの向き

 女性でしたら薄いブラウスにブローチは着けにくいことを
 知っていると思います。
 重いと服がつれてさがり、だたしない印象を与えるからです。
 実際的には7~8g、重くても10gを超えないのが良いようです。
 ボリュームのあるブローチの場合、
 地金をプレスで抜いて使用したり、
 さらに大きく、軽くつくる場合、
 中空構造になるエレクトリックフォーミング製法を使用しています。
 ブローチ金具のピンの位置は中心線よりやや上に付けられています。
 これは重さにより前に傾くのを防ぐ為です。
 またピンは表からみた場合外へでてきません。
 アンティークのブローチの多くはピン先が外へでてきています。
 基本的にブローチは着用したときピン先は外に向けて、
 またはピン先を下に向けて留めるようデザインされつくられています。
 もし何らかの原因で受け金具からピンが外れたとき、
 服から抜け落ちるのを防ぐことができます。

■ブレスレット

 ブレスレットはネックレス、ペンダントと同じ時代、
 リング、イヤリングより以前の古代社会で使われたと言われています。

1)ブレスレットの種類

 大きく分けて「チェーンタイプ」と「バングルタイプ」があります。

 a.チェーンタイプ
 「チェーンブレスレット」は鎖がベースになったものです。
 鎖ですので手首にしなやかに沿います。
 ネックチェーンと同じチェーン材料で
 ブレスレットをつくる場合もありますが、
 首より手首の方がよく動き引っ掛けやすいので
 太めのチェーンを用いる場合が多いようです。
 メンズ用としては喜平タイプが幅広で
 かなり重さのついたものが利用されます。
 その他チェーンブレスレットには垂れ下がる
 チャーム(本来はお守り)のついた「チャームブレスレット」、
 打ち抜いたコマなどが連なった「リンクブレスレット」、
 ダイヤモンドが全周石留めされた「テニスブレスレット」がこの仲間です。
 チェーンブレスレットの全長は女性もので16~18cm、
 男性もので21cmです。

 b.バングルタイプ

 「バングル」(腕輪という意味)は留め金のない輪状がベースです。
 輪の形も円形や楕円のほかC字型に一部が切れていて、
 両端に丸玉の付いた「馬蹄形ブレスレット」、
 開閉式の留め金の付いた「ヒンジブレスレット」などがあります。
 ヒンジブレスレットはあまり手の大小に関わらず着けることができます。
 通常のバングルは輪の大きさが決まっているので手の大きな人は入らないし、
 小さな人はするりと抜けてしまうことが防げるからです。
 その他螺旋状になったスネークタイプの「スパイラルブレスレット」や、
 約半分がバングル状で残りの半周がチェーンや他の材料となった
 「ハーフバングル」があります。
 バングルのサイズは円形で内径60mm、楕円形で内径60x52mm位です。

2)ブレスレットの留め金

 基本的にネックレスの留め金と同じです。
 チェーンタイプの軽いものでは「引き輪とプレート」が使われたりします。
 また輸入品などでは「フック」がよく使われ、
 幅広の喜平などでは「中折れクラスプ」が、
 デザインと一体形になったものではさし込み式の
 「ボックスクラスプ」がよく使われます。

3)アームレットとアンクレット

 「アームレット」は上腕に、「アンクレット」は足首に着けます。
 古代の壁画や像などをみると、
 よく身に着けているアイテムと感じることができますし、
 またアフリカや山岳民族の写真集をみても素晴らしいアームレット、
 アンクレットにお目にかかることができます。
 現在の私達の社会の中では夏場になると
 素肌に粋に着けたアンクレットが増えます。
 チェーンタイプのアンクレットの長さは、
 チェーンブレスレットよりやや長く約22cm位です。

■メンズジュエリー

 今では男性もリング、ネックレス、ピアス、ブレスレット、
 ブローチとジュエリーの主要アイテムを女性ほどではないにしても
 着けていることが珍しくありません。
 特に若い世代においてはカジュアルに着けられる
 シルバージュエリーをベースによく見かけます。
 またジュエリーが女性のものだと思う方が多いかもしれませんが、
 女性の美の表現としてよく着けられ出したのが17世紀に入ってからの
 ことでした。
 それ以前はジュエリーが男性にとって実用品であったり、
 必需品でした。

1)メンズジュエリーの種類

 ここでは特に男性特有のジュエリーを紹介します。
 ネクタイを所定の位置にしておく「タイホルダー」と
 袖口を留める「カフリンク」です。
 どちらもネクタイ留め、シャツの袖留めの総称です。
 男性用のジュエリーはおしゃれと機能を合わせ持ったものが多いようです。

 「タイホルダー」
 タイホルダーは短いピンをキャッチで留める「タイタック」、
 地金を曲げてヘアピンのようにはさむ「タイバー」、
 バネ材を使ってワニ口のようにはさむ「タイクリップ」、
 長いピンを持った「スティックピン」、
 チェーンでネクタイを押さえる「タイチェーン」があります。
 よく「タイピン」という言葉を聞きますが、
 タイピンは長いピンをさしスティックピンと同じものです。
 ですからタイバー、タイクリップのことをタイピンと呼ぶのは誤りです。

 「カフリンク」
 「カフリンク」が正しい名称ですが、
 複数形の「カフリンクス」も用法として間違いではありません。
 「カフリンク」、「カフスボタン」、「カフボタン」はいずれも和製英語です。
 よくリンクを省略して「カフス」と呼ぶ人も多いようです。
 ダブルカフス(二重となった袖口)のシャツが全盛であった時代は、
 カフリンクは必需品でしたが、
 カジュアルな装いが多い近年ではフォーマルな場を除いて、
 着けている男性は少なくなりました。
 その他襟留めとして「カラークリップ」、「カラーバー」、
 「カラーピン」、「カラーチップ」がありますし、
 また近年はブローチの中の「ピン」を、
 ジャケットやスーツの襟に着けている男性を見かけるようになりました。

■帯留め/ティアラ

 1)ティアラ
 宝石や貴金属でできた女性用の頭飾りをティアラと呼びます。
 現在ティアラは皇室の晩餐会や結婚式の花嫁に見かけることがありますが、
 日常生活では見ることの出来ないジュエリーです。
 デザインは前頭部の中央が高く両側に向かって低くなっていきます。

 2)帯留め
 帯の上に締めて結ぶ飾りの少ない金具紐と呼ばれる
 平打ちの紐に通して用いる女性用のジュエリーです。
 第二次大戦前は日常的に和服を着ていたので、
 女性用のジュエリーというと現在のようなアイテムではなく、
 帯留め、髪飾り、リングの3つが中心でした。
 材料は古くから日本人好みとされたひすい、
 真珠、さんごがよく用いられました。
 デザイン的には唐草などをモチーフにしたものがみられます。
 帯留めで紐を通す金具部分を「ユキ」と呼んでいます。
 普通三分幅(約9mm)のものを用います。

■ジュエリーコーディネートの基礎知識

1)コーディネートの内容
 コーディネートとは、
 様々な要素を調整して一つの新しい調和にまとめあげることです。
 個性、体型、洋服やジュエリーの好み、
 ファッショントレンド等の要素を掌握し、
 調整して全体の統一感を作ります。
 同じデザインのリングでも指の形でイメージが変わります。
 顔とイヤリングやピアスの関係も同様です。
 このように体型とジュエリーのデザイン  (形状、ボリューム感)の間のバランスには、
 ある程度のルールがあり、コーディネートの基礎と言えます。
 また小物、時計やバッグ、靴などのバランスも考慮する必要があります。

2)コーディネート技術の習得

 ジュエリーのコーディネートの範囲は広く、
 知識とコミュニケーションの能力に加え、
 バランス感覚やセンスが要求されます。
 こうした能力は一朝一夕には得られません。
 実践的な訓練の繰り返しと、
 普段から街の変化や雑誌から時代のトレンドを読み取る習慣を付けること、
 アートに親しみ美的感覚を身に付けることも必要です。
 コーディネートの技術は外国語の学習と同じ様に、
 生まれつきの能力ではなく、繰り返し実践することで上達します。
 個人差はありますが、目標意識を持って取り組めば
 必ず上達の成果が得られます。
 外国語を覚えると海外旅行が楽しくなるように、
 コーディネート技術を身に付けるとジュエリーと接することに
 新しい世界が開けいっそう楽しくなります。




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