えがおの時間

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●格差 論考


バブル期からバブル崩壊後に日本が格差社会に突入したと言われる。

昔は、国民総中流意識だったのが、今じゃ、上と下の差がどんどん開きつつあるらしい。

でも、それは「経済格差」であって、それを「格差社会」なんて言うと誤解を招く、今の時代の問題を完全に勘違いしてしまうんじゃないか、と思う。

飢餓で死んでいく子どもたちがたくさんいる国なら、経済格差は深刻な問題だ。

でも、今の日本で飢餓で死んでいく人はいない。いるとすればそれは経済だけでない、別の問題が潜んでいる。
経済格差を問題視するなら、もっとたいへんな国、生きるのに必要な食料を得る権利すら保障されていない国と先進国との格差を問題にすべきだ。

きちんと食べて、義務教育を受けて、生きていくことができたら、経済格差などは、実は、取るに足らないことじゃないか、と思う。


ほかにも格差はいろいろある。容貌とかスタイルとか、能力とか性格。そういうものに格差があるのはいいのか?これを良くないといっても、誰も解決できない。

すべて平等はムリなのは皆分かっている。
格差をなくすことは永遠に無理だ。

もちろん、健康で文化的な生活を営む権利を守るために政治の力は必要だが、
それより、経済格差=不幸という過剰報道が、不公平感をあおっている。

しかし本当に、経済格差の中で下層といわれる人たちは不幸なんでしょうか?

幸せか不幸かは人の心の中に生まれるもので、お金の有無じゃ決まらない。


今、日本で一番深刻な問題は、経済格差じゃなくて、心の格差だと思う。心のレベルが低い人が増えている感じがする。いろんなことを他人のせいにして、怒り、攻撃的になり、本当に暴力をふるったり、言葉の暴力で人を傷つけたり。

それから、必要以上に傷つく人も多い。自分がかわいくて完璧を求める。気に入らないことを言われたらものすごく傷つく。そして相手を悪者にする。
自分が変われば環境が変わるのに、謙虚さがなくて傲慢で、すべて自分が招いていることなのに、それに気がつかない。そんなこと、そこらじゅうにあふれている。

そういう意味で、心の格差が大きく広がっているように思う。心のレベルが低い人を何とか救わないといけない、って思う。でないと心の格差社会の上層部も下層部も関係なく、みんな悪いものにエネルギー吸い取られて総倒れになってしまう・・・


たぶんたくさんのご家庭でもそうだと思う。なんだかんだといっても幸せだって思えるような家庭生活を守っていらっしゃると思う。そういうプチ幸せを感じる心。たくさんの人が持っていると思うのです。

そしてそういう心があれば、経済格差なんて、容貌の格差とさほど変わらないことだと思うのですけど、今の日本では。

それより、心のレベルが低くて攻撃的な人の犠牲になることのほうがよっぽど怖い。暴力とか飲酒運転とか、無差別殺人とか・・・



2006年12月30日記
2008年6月加筆修正


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