陶玄郷だより　（フラクタルの森）

迷いの人生としないために

「迷いの人生としないために」

全てのものには、「原因と結果の法則」が働いている。
仏教で言うところの「縁起の理法」ですが、その「因と果の法則」をフ
ラクタルの森的に言い換えますと、「陰と陽の法則」ともなります。
目に見えにくいモノと、目に見えるモノとの法則です。

家の中を見回しても、私たちの周囲には、目に見えて存在しているもの
で満ちあふれています。
それらが、そこに存在する為には、その原因があったことは、周知の事
実です。

その存在のための原因を考えるに際して、どうしても陥りやすい落とし
穴が有ります。
片目だけになりやすいのですが、それは、どのようにしてどうなったと
いうように、ハウツーハウマッチ（How to・ How much）の所だけで見
ようとする傾向です。
原因を、証明のしやすい部分だけで見ようとするのです。
しかし、物事には順序が有るように、その前提（時間と空間）が有り、
その主体と客体、そのきっかけ、動機が有ります。（When・Where・Wh
o・what ・Why）

良い結果を出すためには、もちろんハウツー（How to）（陽）の部分も
大切ですが、Ｗの要素のほうが多いように、この見えにくい、また、表
現も議論もされにくいＷ（陰）の中に含まれている内容がとても大切な
のです。

ここは、言い換えると、心の中での事になります。
人が関わっているいろんな事象は、その具体的な行動、行為の前に心の
中での動きが有ります。現象として現れていることは、その前提として、
心象風景の中に有ったことです。
粘土で作品を作る場合でも、最初に心の中の風景の中に漠然とした形な
りとも原型が必要です。
心の中に何らかの映像がなければ出来あがることは有りません。
手を動かしながらでも、目の前に展開する粘土の形の変化から、何らか
のものを連想し、その形に近づいていこうとします。
そのように、目に見える存在には心の中の映像が深く関連しています。

粘土で作られる単純な器であってもそうであるように、私たちの人生の
中で起こってくることは、その心の中で作られる心象風景が大きく関わ
ってきます。
一人ひとりのその心の風景の重なりが、社会を創り出しているのです。
その思いの方向とそのエネルギー量が未来を創り出しています。
そのベクトルは、ある意味数値化出来る事です。予測可能なことです。

そうであるならば、理想的な良き結果を導き出したければ、単純に、
「どうすれば良いか」というハウツウー（How to）の部分だけでなく、
心象風景にまで踏み込まなければならないはずです。

その心の領域とは、悟性（When・Where・Who・what）と感性（Why）の
部分ですが、
人時所、課題を表面的に見るだけでなく、その意味するところを見て行
かなくてはなりません。
それらをどう見ているのか？
悟性、言い換えると、その思想を問いかけているのです。
私たちが生きている「時間」と「空間」をどう見ているのか？
そして、私たち自身、「人間」がどのような存在なのか？どのような存
在意義を与えられているのか？そして人生上に出くわす様々な「課題」
がどのような意味を持っているのか？
ここを埋めることなく生きるということは、まさしく、迷いの人生を生
きていることになるのです。

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