がちゃ☆がちゃ

心無い主治医の言葉 2005.6.17


面会に行くと、父の体調は思ったより良くなっていた。

と言っても、自発呼吸はないまま。
前日まで会った熱は少し下がり、落ち着いた状態を保っているとのこと。
たびたび面会をする私たちに看護師さんから、「付き添いできる部屋もありますよ」
と言われる。

「一緒にいられる時間が限られているとするならば、ずっと一緒にいたい」
と力なく母がつぶやいた。

2回目の面会で、主治医にあう。
「このまま治療もできないし、脳波をとってもいいんですけど、意味がないかも
しれないですねぇ。今後の治療と言っても、今のまま血圧を保つ薬を使い続けるのか
薬の投与をやめるか、家族で相談してください。呼吸器を止めると殺人になりますから、薬のほうをやめていくと言う形で・・・
(意識が)戻ってくる人は、2日で戻ってきますしね・・・。
それから、患者さんはお若いですから今のうちに、臓器の提供とかあったら
申し出てください」

父はまだ、生きている。
その父の前で、そんな言い方しなくても・・・
私は腹が立った。
母は、泣いていた。

熱も下がり、落ち着いた状態だ後思っていた私たちを地獄のそこへ突き落とすような
心無い言葉。

お仕事かもしれないが、納得いかない気持ちをぶつける場所もない。
母と私は、すがる思いで面会時間の合間に鶴を折ることにした。
父が治るまで折り続けようと思う。


夕方、父のところへ行き話しかける。
相変わらず反応はない。ただ、涙がこぼれている。
父も泣いているのか?そう思うと私も泣けてきた。

家に帰ると弟たちに報告。
一番下の弟は「あきらめたらだめだ、絶対あきらめたらだめだ」
と言って、自発呼吸が始まったら点灯するというランプの場所を教えてくれた。

明日はランプの場所を確認しよう。


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