がちゃ☆がちゃ

朝がきた 2005.6.24


父も頑張っている。
私も倒れては居られない。

それにしても、主治医の態度が変わったように見えるのは私だけだろうか?
と、母に尋ねると母も
「優しくなった気がするね」
といっていた。

水曜日に主治医の話を聞いたとき、母と弟二人は泣きながら
「1日でも長く居てくれるのならば、できることは何でもしてください」
と頼んだことがきっかけではないか?と言っていた。

そりゃそうかもね、30過ぎた大男二人が鼻水たれて泣いて頼むんじゃ・・・
かわいそうに思ったかもね・・・
「本来ならば、治る見込みのある患者さんに使いたい薬ですが・・・」
と言いながらも、効き目のありそうな薬を投与してもらえることになった。

このことをきっかけに私たちは主治医のことを少し、頼りにできるようになった気がする。

父の容態が落ち着いていることを確認し、私は一旦実家に帰る。
シャワーを浴びて着替え、食事をしてまた病院に戻る。

面会時間、父に会う。
「お父さん、今日も会えたね」
母が言う。

当たり前のことのようだが、私たちにとっては何ものにも変えがたい大切な時間。

確かに父の血圧は徐々に低くなってきていた。
母と二人で足の血液を心臓に送るようにマッサージをする。
気休めだとわかっているが、何もせずには居られない。

30分が過ぎ、一旦病室から出る。
まだ、控え室を貸してもらえているので部屋に戻り鶴を折る。
毎日この繰り返しだ。

でも母は言う。
「こうして病院にこられるだけ幸せ」
と・・・。
本当にそうだ。

再び病室に入り、父の手を握ると、マメがたくさんできていることに気づいた。
仕事が趣味。仕事が大好きな父。
毎日頑張っていた証。

いつまでこうして父の手を握っていられるのだろうか。

こうしている間に、20:00がくる。
面会時間が終わり、父におやすみを言う。

母は「また、明日会おうね。お父さん」
と毎日言って父と別れる。

今日もまた、母と二人病院に泊まることになる。


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