徒然がもぴー

徒然がもぴー

忘れていた願望


 「連絡をくれると思っていた」
そう言われた。夢でしか言われることのない言葉。忘れていた、いやもう消えてしまったと思っていた願望。目が覚めて、驚いた。私の中の「思い」はまだ、残っているのだと気付いたから・・・。
 穏やかな夢だった。連絡したいと思っている私を見透かしたように、その人は笑った。
 「久しぶり、元気だった?」
と取り繕う笑顔の私に
 「そっちから連絡くれると思ってた。連絡ないから来たよ。」
と、私の好きだった笑顔を返してくれた。
 目が覚めたら細かいことは忘れてしまうのが夢。でもお気に入りの黒の革ジャンを着ていた姿ははっきりと覚えていた。
 夢でしか見ない「その人」は、目覚めた私にほんの少しの切なさと説明出来ない穏やかな幸せを思い出させてくれた。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: