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「ラスト・ナイツ」でハリウッドデビューした紀里谷監督にインタビューしました。Cinema Art Onlineにアップされましたので、お立ち寄りください。「ラスト・ナイツ」の映画紹介も別ページにあります。
2015.12.21
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本日、NHK「英雄たちの選択」で、藤田嗣治の戦争画をとりあげるようです。国立近代美術館で彼の作品の展示を見て、実物の戦争画を見、映画「FOUJITA」の描く世界に改めて感じ入りました。「FOUJITA」のレビューを書いているので、ぜひお立ち寄りください。(「英雄たちの選択」は、木曜夜と、再放送が翌週木曜の朝にBSであります)
2015.12.17
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今年の東京国際映画祭は、六本木会場のほか、新宿の映画館でも多数映画を上映しています。「Japanese Classics」で特集されたガメラシリーズもその一つ。Cinema Art Onlineに、平成ガメラを魅力的にしたギャオスの力について書きました。
2015.10.30
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東京国際映画祭の取材も、今年で9年目になります。今年は、オープニングセレモニーや歌舞伎座スペシャルナイトにも参加します。映画は8本鑑賞予定。映画のレビューなどは「Cinema Art Online」という情報サイトで発信予定です。
2015.10.22
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10月23日(木)から始まります。今年も、プレスパスをいただきました。試写にしても、本上映にしても、上映回数が少ないのが玉に瑕ですね。六本木ヒルズだけでなく、いろいろな場所で上映しますので、サイトをご確認の上おでかけを。チケットゲットもお早めに~。http://2014.tiff-jp.net/ja/http://gamzatty.blog135.fc2.com/blog-entry-389.html
2014.10.14
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東京国際映画祭、今日から始まりました。今年もプレスパスをいただき、毎日六本木ヒルズをうろうろ……の予定でしたが、先週から親族が入院し、救急救命病棟で一進一退でしたので、仕事やら観劇やら、キャンセルできるものはとりやめておりました。先生方の適切な治療と手厚い看護のもと、容体が落ち着いてまいりましたので、なんとか映画祭の取材にも行けるようになりました。とはいっても、バタバタのなか準備不足は否めず、スケジュールの把握が後手に回ってすでにチケットとれないものあり。それでも、昨日は試写で「歌う女たち」というトルコの映画を見てまいりました。のっけから圧倒される!「映画の力」をフルに駆使した壮大さ。すべてを言い尽くさないことで広がるさらに広がる物語。トルコの小さな島が地震と疫病で「避難指示」が出たにもかかわらず、いろいろな理由でその島に残ったり訪れたりする人々。家や財産を捨てて、移れるか、行政サービズが停止した地域で人は暮らせるか、など今の日本にも存在する問題もあって惹きつけられます。そんな小さなコミュニティの中で愛を求める人々、猜疑心に陥る人々、神に祈る人々。男と女の問題あり、親子、世代間の問題あり、政府と市民との問題あり、神と人の問題あり。これぞ映画だな、と思いました。音楽もぴったりです。10/23の14:40からと10/24の21:00から上映します。
2013.10.17
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東京国際映画祭は、本日閉幕しました。さくら大賞は「最強の二人」審査員特別賞には「キツツキと雨」が選ばれました。さて、私は今回、試写9本、招待券での鑑賞1本、チケット購入で3本見ました。他の試写会で先に拝見した映画が4本で、計17本となります。最近では、もっとも観たのではないかと思います。「観たい」と思った映画の時間帯がうまく都合ついたことが大きい。どれも上映が1~2回(試写を入れても最大4回くらい)なので、観たい映画が重なってしまうと、観たくても観られないわけです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【日本映画】「キツツキと雨」「素敵な金縛り」【洋画】「ある娼館の記憶」「失われた大地」「トリシュナ」【アジア映画】「新少林寺」「カリファーの決断」「ラジニカーントのロボット(仮)」【ドキュメンタリー】「ボリウッド~究極のラブストーリー」「韓国映画の秘密」/「フィリピン映画への帰還」「ドラマーズ・ドリーム」「今日と明日の間に」「孤独な惑星」【既に他の試写会で観ている作品】「カルテット!」(日本映画)「ゲーテの恋」(洋画)「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(洋画)「Pina」(ドキュメンタリー)1週間映画際漬けだったので、ちょっとレビューがたまっております。また1作1作書くつもりですが、今日は「まとめ」ということで、短感で失礼いたします。フィクションでは、「キツツキと雨」「素敵な金縛り」「ラジニカーントのロボット(仮)」ドキュメンタリーは、秀作ぞろいでしたが特に「ドラマーズ・ドリーム」が最高にグルーヴィングでした。他に「韓国映画の秘密」、そして「今日と明日の間に」がよかったです。「失われた大地」は、チェルノブイリの10年後を描いた作品です。いきなり故郷を追われ奪われた人々の衝撃と痛みを綴ったもので、驚くほど今の福島の状況を投影しています。今、日本人が観るべき映画だと思いました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今回はドキュメンタリーだけど一部フィクション、とかフィクションだけど一部ノンフィクション、とかインドを描いているけど、実は欧米人が作っている、とか韓国やフィリピンの映画史について、欧米人が語っている、とかフュージョンしたものが多かったです。思うところいっぱいあったので、また書きますね。
2011.10.30
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面白かった!三谷幸喜、映画の集大成っていう感じです。彼の好きな映画たちへのオマージュもあり、舞台では出せない映画ならではの仕掛けあり。奇想天外な設定なのに、無理がないっていう、これ、すごいことだな、と。役者はみんなハマリまくって、重要な役からチョイ役まで、いちいち可笑しいんだけど、西田敏行、中井貴一、この二人は、本当にすごい役者なんだなと改めて脱帽。海外から来られた方も笑ってました。笑って笑って、でも涙ぐんじゃうし、ハートウォーミングで、物語の王道を行ってます。まったくスキのない、一つもムダのない、会心の作品。「素敵な金縛り」、予告編より本編が100倍面白い、最近稀有な映画です。封切られたら、必ず見るべし。
2011.10.26
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10月23日(土)から始まる第23回東京国際映画祭は、いわゆるコンペティション部門のほかに、いろいろなジャンルがあります。なかでも私は「ジャポネスク」と「アジアの風」に毎年注目していますが、今年の“アジアの風”では、台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代と題し、台湾新世代映画特集をやることが決定したそうです。第18回東京国際映画祭で好評を博した【台湾:電影ルネッサンス】から5年。「選りすぐりの新作」をいち早くお届け、ということで、力入っている感じですよ~!ラインナップは以下のとおりです。ビビアン・スーの名前も見えますね。-----------------------------------------------------第23回東京国際映画祭 アジアの風「台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代」ラインアップ一覧共催:台北電影委員会、行政院新聞局、台北駐日経済文化代表處■『4枚目の似顔絵』(2010年)原題:第四張畫 英題:The Fourth Portrait監督:チュン・モンホン(鍾孟宏)出演:ビー・シャオハイ、ハオ・レイ、レオン・ダイ父の死後、再婚した母に引取られた10歳のシャンには孤独な未来が待ち受けていた。彼は絵を描くことに慰めを見出していくのだが・・・台北映画祭のオープニングを飾った注目作。■『ジュリエット』(2010年)★オムニバス作品原題:茱麗葉 英題:Juliets 1)監督:ホウ・チーラン(候季然) 出演:ビビアン・スー、ワン・ポーチエ 2)監督:シェン・コーシャン(沈可尚) 出演:リー・チエンナー、ホワン・ホー3)監督:チェン・ユーシュン(陳玉勳) 出演:カンカン、リャン・ハーチュン3話オムニバス、日本でも人気のビビアン・スー主演作品や、『熱帯魚』のチェン・ユーシュン監督の復活作にも注目。■『風に吹かれて~キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』(2009年)原題:乘著光影旅行 英題: Let the Wind Carry Me監督:クワン・プンリョン(關本良)、チアン・シウチュン(姜秀瓊) 出演:リー・ピンビン(李屏賓)台湾出身の名撮影監督リー・ピンビンと彼の仕事に迫ったドキュメンタリー。ホウ・シャオシェン監督やウォン・カーウァイ監督作品から日本の行定勲監督、是枝裕和監督の作品にいたるまで名匠の仕事に密着。台北映画祭のグランプリに輝いた最新作。■『台北カフェ・ストーリー』(2010年)原題:第36個故事 英題: Taipei Exchanges監督:シアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)出演:グイ・ルンメイ、チャン・ハン、リン・チェンシードリスが経営するカフェは妹がはじめた“物々交換”が話題になって毎日沢山の人がやってくる。ある日、一人の男性があるものを持ってきてドリスの人生に変化が訪れるのだが・・・『藍色夏恋』のグイ・ルンメイ主演のラブリーな最新作。■『ズーム・ハンティング』(2010年)原題:獵? 英題:Zoom Hunting監督: チュオ・リー(卓立)出演: チャン・チュンニン、チュウ・チーイン、ウェン・シェンハオ写真家と探偵小説家の姉妹。ひょんなことから妹が向かいのマンションの一室で情熱的にセックスをしているカップルの姿を写真に撮る。しかし、数日後その女性がほかの男と結婚していたことを知り妹はそのカップルを観察し始める・・・TV「ザ・ホスピタル」のチャン・チェンニン主演作。
2010.09.07
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カンヌやベネチアに続け、と鼻息荒いけれど、どうも小粒な感じが拭えない東京国際映画祭(TIFF)。でも、何かの後追いをする必要はない。TIFFが始まったばかりのころ、最初に名物企画となったのは「東京国際ファンタスティック映画祭」だった。サブカルチャーがメジャーになった日本だからこそのヒットだった。(その後紆余曲折あって、その情熱はゆうばりファンタスティック映画祭に続いている)同じく、最近その価値が増しているのが「アジアの風」だ。ハリウッド映画ばかりになってしまった一般映画館のテイストから離れ、文化の豊かな多様性とオリジナリティーあふれる天才たちを発見できる素晴らしい企画である。HPで見られる予告編を見ても、アジアの映画には惹かれるものが多かった。その中でも、今回は急逝したヤスミン・アフマド監督の映画にうなった私。すでにレビューを書いた「タレンタイム」の完成度の高さもすごいが、「ムアラフ(改心)」の直球勝負も感動的だ。父親の圧制的暴力的な支配から抜け出そうと家出して生きる敬虔なイスラム教徒の姉妹とその妹が通う学校の教師で幼いときに父親がキリスト教的「罰」を言い渡されたことがもとで信仰に懐疑的な青年教師との交流を中心に、宗教とは何か、人を赦すとはどういうことか、家族の絆とは何かをじっくりと描いた秀作である。一つの国にたくさんの宗教がモザイクのように混在し、それが人種の問題、文化の問題と重なり合って人々の暮らしに時に影を落とすこともあるマレーシア。ヤスミン監督は、未来を作る子どもの世代に大きな期待を抱き、お互いを理解し受け入れる懐の深さと穏やかさを非常に大切にしている。しかし、残念ながらこの作品は、まだマレーシアで上映されていないのだ。アフタートーク(ゲストは故・ヤスミン監督の妹さん)によって知ったが、この映画のもっとも重要な部分二ヵ所が検閲によって削除対象となり、ここを削ったら映画そのものが成立しなくなる、と監督が絶対に受け入れなかいため上映が許可されなかったのである。今回、監督の死がきっかけとなり、その二ヵ所を入れたものが上映許可となったという。それは「やれやれ、これでもうこの監督とのバトルはないな」という安堵感から来るものなのか。まるで香典代わりのような決定だと上映を手放しで喜べない気持ちさえ湧き上がる。先日観た舞台「コースト・オブ・ユートピア」の中で、ロシアを出てフランスに住みたがる活動家に対し、フランスに出回っている文化の低俗さを批判し、揶揄する場面がある。しかし活動家たちがフランスを目指すのはただ一点、「出版の自由」つまり表現の自由があるからだ。「コースト・オブ・ユートピア」は19世紀の話である。19世紀というのは、直前の1789年にフランス革命が起きて、ようやく「人権」というものが明文化された時代。検閲と密告の嵐であったソ連も存在しない。日本はいまだ江戸時代。士農工商切捨て御免の江戸の末期である。そんなときに「フランスには出版の自由がある」が特別なのはまだわかる。しかし、今は21世紀だ。これは世間に出してよい、出して悪いは当局が決めるのではなく、それに触れた人々の評価で淘汰されるもの。そんな、私たちが当たり前に思っていることが、今も多くの国では認められていない。厳しい検閲にパスするため、製作者の意図と異なる編集が支持される。そうしなければ、自国で上映ができない。一体何を言いたいのかもわからなくなってしまう場合もあるだろう。そんな国がたくさんあることを、私たちは忘れている。いや、知らないでいる。先日、イラン映画「シーリーン」について、「これは商業映画になるのだろうか?」と書いた。今でも、その点は疑問に思う。しかしもっと「検閲」について思いを馳せるべきだったと反省。「自国で自国人に見てほしい」を第一に掲げるのなら、なにはともあれ、まずは検閲を潜り抜けなければ。もちろん、自分が訴えたいことを残しながら。そのための「あの手この手」として、「脳内上映」という、人間の想像力にすべてを託した方法をひねり出したのかもしれない。東京国際映画祭「アジアの風」は、自国では許可されていない完全版を世に出すチャンスとして素晴らしい場所に育っていると思う。そして、「シーリーン」のような、「工夫」を目の当たりにして他国において映画の置かれている立場、逆に言えば、映画の持っている影響力の大きさをしっかり考える場にもなりうる。多くの上映に際し、ゲストによるあいさつやアフタートークがセットされていて作り手の思いを知ることができるのも、非常に貴重な取り組みであると知った。かえすがえすも、キアロスタミ監督の来日中止が悔やまれる。「シーリーン」、イランで上映できているのか?自国の人々の評価はいかに?知りたかった。
2009.10.25
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今日は自腹ではなく試写で見た映画の話を。マレーシア映画「タレンタイム」は、本当に素晴らしい映画で甘酸っぱい青春学園映画でもあり、親子の情愛や葛藤を描いた映画でもあり、マレーシアという他民族国家の文化の多様性の豊かさに目を奪われ、同時にだからこその深い亀裂も厳然としてあり、その上で監督が祖国にどんな未来を願っているかが心に迫ってくる笑いと涙の秀作でした。映像もとても美しく、俳優陣もみな力があります。機会があったら、ぜひご覧ください。監督のヤスミン・アフマドさんは、去る7月25日、51歳で急逝されました。若すぎる死が悔やまれてなりません。明日は同じヤスミン監督の「ムアラフー改心」を観にいきます。こちらは「自腹」です(笑)。
2009.10.22
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火曜日の「自腹」もう1作は、ポーランド映画の「バリエラ」。現在公開中の「アンナと過ごした4日間」が最新作の、イエジー・スコリモフスキ監督が1966年に製作した映画です。「彼らには歌がある。私たちにはない」「彼らは自叙伝を捏造できる。だが私たちは英雄にはなれない。 7歳の子どもは戦車を爆破することができても、4歳には無理だから」アプレ・ゲール、といっても若い皆さんにはピンとこないでしょうがフランス語で「戦後」を意味するこの言葉でひっくくられていた若者の戦前の社会を作ってきた年上世代に対する反発、焦燥と爆発、そして虚無感と自嘲が故意的に引き算された背景の演出の前で詩的に繰り広げられます。パーティーに集まる年寄りたちの顔、顔、顔。何かに追い立てられるように黙々と走る市民たち。ビルの壁に貼りついたウサギやガチョウ。マネキンだけが浮かび上がる深夜のショーウィンドウ…。「映画」というより、不条理演劇。「セリフ」というより、コクトーの詩。セリフも映像も、暗喩のオンパレード。一体それは、何を意味するのか?頭フル回転で観なくてはならない映画でした。ポーランド語はまったくわからないということもあり、「解釈」しながらストーリーを追うようにして観るクセのある私は、ごめんなさい、途中何度か夢の中(汗)。でも「時代」を「新しいアート」で切りとったという二重の意味で彼は斬新だったということはビンビン伝わってきた。特にその映像の前衛さは、今見ても驚きの連続。へえ~、そう来るかっていう感じ。「筋よりシーン」の方は、必見かもしれません。新作の「アンナと過ごした4日間」も、監督らしさ爆発とか。見てきた人から聞きました。唐突な終わり方は一緒かな?今回は上映に先立ち、監督の舞台あいさつがありました。ものすごくダンディな方で、オフホワイトのスーツにサングラス。それなりの恰幅で胸板あつく、背筋はぴん!語り口もソフト&クリア。およそ70台には見えません。そういう人が、映画が終わった後、ヒルズの中をフラフラ(失礼)歩いているっていうのも映画祭ならではの光景ですね。お話の中で、この映画は最初脚本を書いただけだったけれど、途中で監督が降板し、プロデューサーから後を頼まれたいきさつが披露されました。「国のお金(ステート・マネー)を半分以上使っておいて 完成させないというわけにいかない」とプロデューサーに説得され、あといくら予算は残っているかを尋ねたところ35%残っているというので、そのお金で自分の作りたいように作ったということです。気に入らなかったキャスト二人も代えたし、それまでの「続き」というより、新たな発想で作りなおした感じです。国のおカネで、この内容の映画か~。そこがなおさらすごい、と思いました。後に祖国ポーランドを出て映画製作をする決断をする監督の体の芯から湧き上がる抑えがたいマグマを感じることができます。
2009.10.21
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「こちとら自腹じゃ!」という某監督の辛口映画批評番組(コーナー)がありました。私は今回の東京国際映画祭ではプレスパスを持っているので、プレス用の試写会別メニューも観られるのですが、観たいものが重なったり、あるいは観たい映画が試写されなかったりする場合は一般用のチケットを買って席を確保しています。いわゆる「自腹」ですね。今日は試写が「タレンタイム」(マレーシア)、自腹が「バリエラ」(ポーランド)と「シーリーン」(イラン)で、ほかに一般上映作品「風が強く吹いている」(日本)の舞台あいさつの取材に入りました。(舞台あいさつ後上映前に退場の決まり)今日はこのうち、イラン映画の「シーリーン」について、書きます。井筒監督っぽく叫んでみたい。「こちこら自腹じゃ!」これ、商業映画として成り立つんでしょうかね~。同じ手法の短編映画「それぞれのシネマ」をキアロスタミ監督は2007年に作っていて、今回はその「アイデアを長編映画にグレードアップさせた」と公式プログラムにはあるのですが、これを「グレードアップ」と呼んでいいのかどうか……。「シーリーン」はペルシアの王子とアルメニアの王女との悲恋を描いた12世紀の叙事詩で、とても有名なのだそうです。そうですね、わかりやすく説明すると……。「かぐや物語」の豪華絢爛絵巻物的映画があるとします。あなたはスクリーンに背を向けて立っている。あなたの前には100人の観客。みな美人。なぜなら、みな女優。映画「かぐや姫」がスタートする。彼女たちは一生懸命見る。女優だから表情豊か。くすっと笑ったり、顔をしかめたり、涙したり。スクリーンはあなたの後ろなので、あなたには音声しか聞こえない。映像有りの前提なので、ラジオドラマのように親切に状況を説明してくれない。頼りは観客の表情と、セリフと、効果音と、音楽。「どんな映画なのか?」振り返ってはいけません。そういうルール。あ、コトバがわからない?字幕はつけてあげましょう。ほら、前の電光掲示板見て。観客の顔といっしょに見られるでしょ?読んでね。「かぐや姫」知らないの?日本人なら誰でもわかる話なのよ。絵本とかもあるんだよ。でもディズニー映画にはなってないから外国じゃマイナーだよねー。オープニングで、絵巻物映していたでしょ?衣装はあんな感じだと思ってくれていいから。え?そんな大事だと思わなかったから注意して見てなかった?うーん、ま、しかたないか。そこは想像してみて。あとは、観客の反応を頼りに、脳内上映してください!!っていう映画でした。「自腹」の理由のひとつは監督のアフタートークだったんですけど、急遽来日が中止になり、メッセージが上映前に読まれました。「日本の観客は世界一忍耐強いので、 日本の観客の皆さんと一緒にこの映画を観たかった」というメッセージの「意味」を思い知らされた映画ではありました。映像を撮ると、当局に取り締まられるとか、そういう事情があっったのでしょうか。「豪華絢爛王朝絵巻」とチャドルをまとった「観客」との落差で強調したかったのでしょうか。チャドルの下に燃えたぎる、激しい恋いへの共感を描きたかったのでしょうか。ぜひ監督のお話が聞きたかったです。キアロスタミ監督の熱烈なファンの方以外はよく考え、ある程度の覚悟をもって、この状況を楽しむことを前提にチケットを買いましょう。
2009.10.20
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いよいよ今日からですね。今日は「石油プラットフォーム」というドキュメンタリーの試写を見てきました。一般公開は明日です。とても面白かったので、おすすめです。かつてソ連が開発したカスピ海の油田のプラットフォームの現在の姿とそこで生きる人々を描いた作品で、60年間そこで働いてきた女性の話や、1990年台は内戦のために兵士だった男の人の話とか、一人ひとりがとても生き生きと描かれていて、まったく飽きないいい映画でした。昔のソ連のプロパガンダ映像がいくつもさしはさまれていて、そのなかでボリショイのオペラ歌手やバレエダンサーが慰問に来ている場面もありました。国家がどうのこうのといいながら、やっぱり人は、家族を養うためにがんばって働くんだな、とつくづく「労働者」ってすごいと思わせた映画。それにしても、ここは昭和30年代の炭鉱かっていう劣悪な環境が今も続いていることにビックリ。シャワーもトイレも共有なんだから。「プラットフォーム」というよりは、長崎の軍艦島っていう感じでした。
2009.10.17
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今年も東京国際映画祭が始まります。<第22回東京国際映画祭 開催>【開催期間】2009年10月17日(土)~10月25日(日)9日間【開催会場】六本木ヒルズ(港区)ほか この東京国際映画祭では人材育成の一環として「映画を愛し、映画をしっかり見る目を持ち、映画界の未来を支えていく」批評家のプロが育つことを希求し、プロを目指す人たちを応援する意味も込め、『映画批評家プロジェクト』を実施しています。『映画批評家プロジェクト』■応募要項・映画祭期間中(10/17~25)に、コンペティション部門の作品を鑑賞の上、 1作品につき800字以上、1500字以内の批評文を募集・複数応募可能・応募〆切・・・・11月13日(金)必着■審査員品田雄吉(映画評論家)、土屋好生(映画評論家)、明智惠子(キネマ旬報編集長)■応募資格・年齢性別制限なし・映画に関する媒体に対し、原稿料を伴う執筆経験者は応募不可(但し、個人ウェブサイト、ブログ等の執筆に関しては上記の範囲に入らないものとする)■結果発表・厳正なる審査のうえ、2010年1月末に東京国際映画祭の公式サイト上にて発表。■賞・審査の結果、優れた批評文に対して優秀賞、佳作の各賞を授与。 (但し、該当する批評文がない場合は、該当作品なしとする)■応募先応募専用アドレス、tiff-project2009@tiff-jp.net へ氏名・連絡先(住所、TEL、e-mailアドレス)を記載のうえ応募。受賞者にのみ映画祭事務局より連絡。問合せ: 東京国際映画祭事務局 tiffinfo2009@tiff-jp.ne オフィシャルサイト:http://www.tiff-jp.netみなさん、ぜひ参加してみてくださいね!
2009.09.14
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第22回東京国際映画祭の日程が決まりました。10/17(土)~10/25(日)です。公式サイトはwww.tiff-jp.net上映予定作品やスケジュール発表は9月中旬、一般前売り販売開始は、10月3日を予定しているとのことです。去年、オープニングにレッド・カーペットならぬグリーン・カーペットで「エコな映画祭」を主張した東京国際映画祭、今年もグリーンでいきます。「グリーンカーペット」って、単に色がグリーンっていうだけじゃなくて、100%ペットボトルリサイクル素材使用ってご存知でした?18,000本分ですって。私、知らなかった~!(まあ、ペットボトルのリサイクル自体、いろいろありますが、 それにしても、単に色だけじゃないところは買いたい)今年からは「グリーンカーペットクラブ」というものを設立、カーペットのほかにも、風力発電購入で映画祭上映電力を賄ったり、植林活動への寄付をアピールしたり、エコをテーマとする映画を「natural TIFF」というカテゴリーでアピールしたり、昨年の活動をふまえ、「地球環境保全および持続可能な社会への活動」を広げていくそうです。また、今年からメイン会場が六本木ヒルズに集約されるそうです。渋谷から始まった東京国際映画祭を知る身としては、ちょっとさみしい気持ちもしますが、渋谷は渋谷でカンムリがなくったってBunkaの街という気概でこれからもたくさんのカルチャーを発信していってほしいと思います。(メイン会場は六本木ヒルズ内ですが、 映画館はいくつかに分散するもよう。分かり次第お知らせします)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、今年は腰を据えて東京国際映画祭(TIFF)を取材していこうと思っています。トピックスなども紹介できるものはどんどん紹介していくつもりです。さて、今日のお知らせ。コンペティション国際審査委員長に、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が決定しました。イニャリトゥ監督は『バベル』で第59回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞した人です。東京国際映画祭では、第13回(2000年)に、処女作『アモーレス・ペロス』にてグランプリを受賞。『バベル』は長編映画3作品目でした。審査委員長として、9年ぶりにTIFFに還ってくるというわけですね。以下、イニャリトゥ氏からのメッセージです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 地球上の各地の映画界から、新たなそしてエキサイティングな産声があがっています。我々の発想を変える人たちも、これまでも映画によって我々のビジョンを豊かにしてくれた人たちも、今日の文化に時折見られる我々を完全に取り乱させるものに抵抗するための場を必要としています。TIFFは、何年も前から世界中の映画制作者が会する重要且つ心温まるフェスティバルです。日本の文化や映画の伝統は、私個人にも影響を与え、また、敬意と感心を抱かせました。第22回東京国際映画祭の審査委員長を務めさせていただけることを名誉に思い、感情の浄化や省察を引き起こす新たな声に出会うことを楽しみにしています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『アモーレス・ペロス』 (2000) 『21グラム』 (2003)『バベル』 (2006) 『Biutiful(原題)』 (2009)
2009.08.18
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