ガムザッティの感動おすそわけブログ

ガムザッティの感動おすそわけブログ

PR

Calendar

Favorite Blog

早坂暁の傑作中の傑… モイラ2007さん

11月9日夜公演「King… yuki アイドル 俳優 映画 演劇 ドラマなどさん

遊星からの物体X (… 王道名なしさん

ミュージカル「ケイ… YYCafeさん

   元局アナがス… ころりん0924さん
ライターかあさんと… プチプチゆっきーさん
ぺ天使のつぶやき kamadoyamadocaさん
もっとハッピー happy-gaiさん
こちら25643 ヒロランさん
観劇日記~夢のあと… みおと5747さん

Free Space

設定されていません。

Comments

gamzatti @ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

Profile

gamzatti

gamzatti

2009.05.16
XML


意外、と言っては失礼だが、広末涼子がなかなかよかった。
妻夫木聡も、
バンリが自分の子であるか疑う父親となってから、
表情に凄味が出て演技も乗ってくる。
勝村政信は、
いつもながら芸達者。
あちこちに野田の演技を思わせる風合い。

しかし。

バランスが悪い。

字も読めず粗暴だが、マッチョな男として外見の魅力にあふれる堤真一のテムジン、
かわいさとバカさと鋭さを併せ持つ深津絵里のシルク、
そこにアタマがよく心は繊細、だけどブ男(失礼)の古田新太のケッパツ。

このトライアングルは最強だった。
古田新太の、ときに道化、ときに悪役、ときに誠実、
そしてときに純愛の僕べ、
この百面相の演技がケッパツという人物にパーフェクトな色合いをつけた。

それに比べると、
勝村は顔がよすぎた。
「とてもあの文章を書く人には思えない」という実感がわかない。
シルクが長い間、ケッパツを男として勘定してないのが不思議に思えてしまう。
傍白か会話かの境目が非常にあいまいで、
シルクがケッパツの愛に気付かないのが不自然に見える。

ケッパツというのは、本当に難しい役なんだということ、
そのケッパツを見事に演じた古田の力に
改めて恐れ入った。

テムジンの母親役も、
高畑淳子の軽妙さが高橋恵子にはなく、
そこにうらみが残る。

前と同じキャストの中では、
やはり野田秀樹がずば抜けている。
野田秀樹という男は本を書き、演出もし、
そちらのほうが有名だけれど、
役者としての技量も誰にも負けないものがある。
テムジンの子、バンリの造形は並大抵のものではない。
王者の子でありながらひ弱で、頭でっかちで、やさしくて、
でも敏感に父の憎しみを感じ取り、
しかしその父を愛そうと必死な子どもを、
本当に「こんな子いるよね」という自然さで演じる。
華奢で小柄という優位性を割り引いても、
彼はすごい。
特に、旅の空、病に倒れて書く手紙の内容を語るところでは、
時が止まり、
「キル」という話を離れて一人の孤独な少年の独白として
セリフがしみわたった。

*「キル」の概要に関しては、
1997年版の舞台評 を参考にしてください。















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.05.16 21:26:22
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: