『ENSOUNTER』 3



「次はオペレーションEs。」
「パパさん、最後のコールをお願いします。」
mikusukeの合図を受けファンキーが再度コーリングを唱える。
一箇所に集まったPTがその場から動かず団子に様にかたまった状態で敵の集団と相対した。


ヒュン


間髪入れずにStojikovicの矢とkikouteiのダートが敵方目掛け放たれていく。
その攻撃を受け次々と沈んでいくMOB達。
やられてばかりにはいくか。と言わんばかりに次々とMOB達がPT向かい突撃をかける。


ヒュン   ドドドドド


今度はそのMOB達をマーブル・フランとルジェの知識コンビの攻撃がとらえていく。
まだまだ数で圧倒するMOBはそれでもPTとの距離を着実に縮めていった。
MOBの先頭集団がPTのすぐ傍までたどり着いた刹那


シュッ


電光石火の一撃がMOBの頭上目掛け振り下ろされた。
近距離専門である半魚人とミコトにより、ようやくPTとの距離を縮めることの出来たMOB達だったがその背後で倒れているMOBと同じ運命を辿っていった。


グォォォォォォォ


場内のいたる所で断末魔の叫びが響き渡る。
さすがにMOB達に初めの勢いは無くかなり多くのMOBの数が減っていた。
しかし、さすがの面々も体力が無尽蔵にあるわけではなく初めに比べ攻撃の勢いは衰えていた。
終局を迎え、少しずつだが確実にMOB達の勢いがPTを押し始めていた。
「く・・・・このままだとジリ貧だな。」
Stojikovicが呟く。


「はぁーはっは。苦戦してるじゃん!ここで俺、登場!!何かかっこよくね?」
「ナリさん・・・それは確かに!さぁ僕も活躍するぞ!!あっ、でも間違えて僕のペットを攻撃しないで下さいねっ!」
緊迫した戦いの場には到底似つかわしくないひょうきんな声が不意にMOB達の後方より発せられた。
声の正体はnarinariと風鈴の琥珀のものだった。
「ちょっと2人とも・・・作戦なんだからさ・・・もうちょっと確実に隙を狙える様にしないと・・・。」
その横でleafが2人に対してぼやいているのが見受けられる。
さらによく見るとその周りにはanderson、Fain brew、akari、不二家、kioraとおっさんずの面々がいた。
「ごほん・・・・こうも登場がバレバレじゃ仕方ないわね。おっさんず第2PT只今参上!」
leafが咳払いをしてから声高らかに宣言した。
「ナイスタイミングです。さぁ皆さん、前虎後狼の陣・改でこの場を乗り越えましょう。」
mikusukeが第2PTの登場を受け隊形の変更を告げた。
「よし、残りはおよそ30体。一気に行くぞ!!」
Stojikovicが士気を高めるために全員が聞き取れる位大きな声を発した。
「「「おおおおおっ!」」」
















『真説RS: 赤石 物語』 第1章 『ENCOUNTER』-3







「ちぇ、意外とあっけなかったなぁ。」
narinariが呟く。
「いえ、あのままではPT壊滅はまず無くとも多少の被害は被っていたでしょう。助かりました。」
それに対しmikusukeが声をかけた。
「と、とんでもないっすよ。」
それに対し何故か風鈴の琥珀が照れながら返事を返した。
「えっと・・・私達はミクさんの指示通りに行動しただけですよ。ところでここで何かあったのですか?」
leafが出だしに困りながらも話を進めた。
「そうですね。では簡潔にですが事の経緯を・・・」
そう言いながら第2PTに対しあらすじを伝えた。
「そして、町の状況は?」
mikusukeが逆に質問を返す。
「えぇ、これもミクさんの言ったとおりいくつかの主要都市に襲撃がありました。でも、それぞれの規模が小さかった事と残りのおっさんずギルドメンバー、そして友好ギルドの皆さんの協力のおかげで被害が出る前に全て解決しました。」
質問にleafが答える。
「やはりそうですか・・・。」
「ここに誰も居ない事、町とここにMOBの襲撃がある事はあらかた予想はしていました。」
「にゃるらが言った通りこれはこちら側とレッドアイが互いのためにお互いの関係を明確にするためのものです。」
「あー・・・全てミクさんは予想していたと?」
kioraが口を開いた。
「はい、そうです。」
mikusukeが簡潔に答える。
「何故俺達なんですか?その、え~と・・・・」
kioraが何か言いたげだが言葉が上手く見つからないのか途中で言葉が詰まってしまった。
「それは・・・」
「キオ、ギルド連合の上層部は自分の地位を守る事が第一で目先の事しか考えていない。今回の事も打診はしてみたものの確証のない話には耳を傾ける様子もなかった。」
mikusukeが答え難そうにしているのを察知したStojikovicが代わりに答えた。
「今ここで俺達が動き出さないと何も話は進展しないんだ。」
「ふむ。俺はバカだからよ。誰がどうとか政治的な話は一切わからないけどこうやって俺達が動く事は子供や老人達が安心して暮らせる事につながっているんだな?」
「はい。私の力が及ばないせいでギルド連合を動かす事が出来ず本当に申し訳ありません。しかし、必ずキオさんの言うように皆が安心して暮らすための行動である事は信じて下さい。」
mikusukeが凛とした表情で答えた。
「ただ何の目的も無くMOBを倒すのはただの殺戮と一緒だ。けどミクさんやストがそういうなら俺は信じるぜ。話の腰を折ってすまなかったな。」
それに対しkioraも真摯に答えた。


「さて・・こうやって行動を起こしたのはいいもののまだまだ情報が少なすぎる。こちらからも情報を得る動きが必要ですね。」
Stojikovicが口を開く。
「その事については既に手はうってあります。」
mikusukeが答える。
「と、言うと?」
「昔の人脈を生かして自由に動ける者達を集い動いてもらっています。」
「ふむ、俺達は連合の手前あまり自由に動けないですからね。何かあれば言ってください。出来る限りの協力はします。」
「心強いです。では早速ですがミコト君をしばらくあずからせてもらえないでしょうか?」
「ミコトを?」
「はい、以前手に入れた朱い宝石の件で進展があったみたいです。これから向うのでミコト君にもついてきてもらいたいのです。」
「ふむ、こちらとしては大丈夫です。ミコトはどうだ?」


ミコトは少しずつだがこれから世界を巻き込む事になるかもしれない事件に自分が関係している事を感じ出していた。
「はい、行きます。」
ミコトが二つ返事で答える。
まだまだ複雑に縺れている数奇の糸を少しでも解くために・・・・・




















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