白魔女の館

母方の祖母 編み物へん


 そのうち棒針編みを覚え、本を買ったりして、ほとんど独学でセーターなどを編みまくるようになりました。

 社会人になり、高級な毛糸を買えるようになると、寒い季節、仕事帰りにいい糸をかってきて、週末に編みものをするのが楽しみだったのです。

 しかし、ばあちゃんは私が週末に苦労して作り目を全て終えてしまってあるカシミヤのカーディガンの編みかけを、どういうわけか見つけだして全てほどいてしまうのです。
 それに気付いたわたしが、「ばーちゃん、どうしてほどいちゃったの!!」と絶叫すると、「ぜんぜん、編んでないからやめたのかと思った」と平然としているのです。

 私が、その時点で気付く場合はまだいいです、
ある時など、けっこう編み進んだベストがどこにもないので家中を探したらばあちゃんの毛糸のパンツになっていました。←この時点ですでに履いていた。
 別の作品がばあちゃんの毛糸のベストの脇のマチになっていた事もありました。

 ばあちゃん恐るべし。

 でも私自身、けっこうこういうやり取りを楽しんでいた気もします。


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