蔵元編



 同じスペックのお酒を複数のタンクで作っている場合、タンク毎に味が変わってきます。
 蔵元や杜氏さんの考えによってブレンドして味を調える場合もあるかもしれませんが、そうでない場合どのタンクからかによって味が変わります。
 小さなタンクを複数並べて作っている場合、力のある酒販店がタンクごと買って店のブランドで販売している場合がありますが、そのとき必ず一番できのいいのをチョイスしましたよ、と謳っていますよね。
レギュラーのものとお店のPBのものを呑み比べてみてはっきりおいしい場合、そのお店は信頼できますよ、たぶん。

 同じタンクのお酒でも味は変わってきます。それは、搾りはじめの部分か中ほどの部分か最後の(圧力をかけて搾った)部分かによってかなり変わってきます。
わざわざ、中汲みとか中取りとか書いてあるものがありますが、酒質が一番安定している部分だけを使っていますよ、と宣伝しているわけです。
 高級なお酒になると斗瓶取りとか斗瓶囲いとか書いてありますが、これは搾ったお酒を受ける容器がかなり小さいので結構味が変わるように思えますが、斗瓶にお酒を受ける場合搾りもだいたい袋搾りといってお酒のもと(お酒と酒かすに分離する前のもの)を袋に入れてつるして圧力をかけず、(重力の作用で)上から滴ったものを集めているのでそれほど味に違いが生じないはずです。

 造った年(いわゆる醸造年度ですね)によっても味は変わります。その中でも味の変化の大きな蔵と小さな蔵があります。杜氏さんが一定していて長く続いている蔵は味も一定している傾向にあるように思います。

 一般的な傾向として高いクラスのお酒のほうが醸造年度によって味が変わりやすいような気がします。
 それは、まず高いクラスの場合 機械化率が低く、下のクラスお酒は機械化しているような蔵でも、ほぼ完全に手造りだからです。
 そしてこれには頭が下がりますが、去年よりもいいものをという努力が一番反映されるからじゃないかとあこきちは思っています。
 たゆまぬ努力が味の変化の元だとあこきちは思います。


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