バンコクのチャオプラヤー川を、チャオプラヤーエキスプレスで、ホテルの渡し舟で、ディナークルーズで・・・など手段は様々だけど、船で渡ったことがある人なら、必ず目にしているはずのこの、 煤けた ・・・いや、趣きがある・・・高層の巨大な建物。
バンコクのリバーサイドホテルの中では、 かなり歴史が古い方にランキングされる老舗ホテル「ロイヤルオーキッドシェラトン」
・・・この度、宿泊すること3回目、 トイレを借りること100回以上(トイレは関係ない) にして、やっとレポートできることになりましたとさ。
ロビーは 古き良きタイスタイル。
現在バンコクのホテルはモダンスタイルにほぼリニューアルされているため、この手の チーク材&ゴールド&大理石のロビー はだいぶ姿を消しているけど、 タイらしいってこういうロビーのこと を言うんじゃないかな。
ロビーでは今はバンコクのほとんどのホテルでみなくなった、タイの弦楽器の演奏もあり、これぞタイ!
お部屋はまめにリノベーションするこのホテルだけど、 このロビーだけはいつまでもこのスタイルを貫いてほしいと思う。
さらにタイらしさはお庭にも全開!
立派な祠に、樹齢も長そうな木が祀ってあったりして・・・。いいねーいいねー・・・こういうの 忘れちゃダメだよね。これぞタイだよね。
今回グリーンホリデーさんのプランに付いていただけなのか、いつもそうなのかは不明だけど、宿泊者は2階にあるネットセンターでインターネットも無料。
ただし日本語の書き込みはできないので、英語のメールをしない人は、メールチェックとホームページの閲覧のみ。
なかなか落ち着いた快適な空間
そして、 お部屋は最近リノベーションされたばかり。
以前のクリーム色のお部屋もやさしい雰囲気で素敵だったけど、茶系の色合いを全面に押し出し、窓際には足を伸ばせるオットマン付のソファーを配置。デスクスペースも壁から思い切って川を望む場所に移動させ、 決して広くはないけれど、機能的かつ非常に落ち着きあるお部屋に変貌。
どちらかというと豪華ビジネスホテルってかんじもしなくはない。
でもまあ、このホテルの最大の売りは、 大きな窓とものすんごい川の景色!
窓際のソファーにゆったりともたれれば・・・
ものすごい大パノラマ!窓自体がスクリーンのようです!そしてこの ホテル側からは雄大な夕日を望むこともでき、これも嬉しいポイント!
実は窓が足元からある川沿いのホテルで、ベッドから寝たまま高層からの川景色が一望できるってペニンシュラとここくらいなのではないかと思う。
もちろん他のホテルも景色は見れるけど、窓がもう少し小さかったり、バルコニーがあるので、こういうずどーんという景色を寝たまま見れる、ということはないかも。
さらに絶景は川側だけじゃありません。全てのお部屋が川沿いに配され、全てのゲストが川景色を楽しめる優秀なホテルではありますが、 廊下から見た景色もすごい!
バンコクの町が眼下に広がってるぜー!
ここのホテル、プールが二つあります。
一つは緑豊かな庭園の中にあるガーデンプール。
若干古めのオーソドックスさ感じながらファミリーには大人気。
あたしのお気に入りはテラスプール。一番深いところは驚くなかれ、3メートル(大爆笑)。
な、な、なんでだ?
このプール、もう足の下はすぐチャオプラヤ川!うとうとしながらチャオプラヤ川を望めます!
え?ミレニアムヒルトンもだよ?という人、ちっちっち。ヒルトンのプールには、川に張り出した水中のデッキチェアの足元に、 なぜあるのかよくわからない目隠し があり、すぐ足元には川は望めない。しかもその席にはパラソルがないので、長居はつらい。チャトリウムスイートも泳いで一番端の方に行くと川が望めるけど、 チェアーに寝たままここまで川が迫って見えるのはやはりここのプールだけ だ。
すごいなあ。
もちろんビールも飲んじゃおう。
ここのプールの従業員に、なんだか、いーかんじの、ただのおっさんがいるんだけど、タイ語でこんな話をしました。
おっさん「タイ語なんでできるでげすか?へー、4ヶ月勉強したの?今は日本に住んでいるんでげすね。 日本でタイ料理は食べてるでげすか?高いでげしょ? 」
よ「高いよ。多分1皿300バーツから400バーツくらいだよ」
おっさん「高いでげすねえ 。今僕の友達が日本にいるんだけど、 タイ料理、高くて食べられない って言ってたでげす。」
よ「あたしも時々しか食べられない。だって高いんだもん。」
おっさん「そういうときは、 カオニャオ(もち米)やカオスアイ(白飯)を沢山食べればいいんでげす。 僕の友達はそうしてるでげすよ。」
貧乏なあたしには、ありがたいような、なんだか普通のようなリアルなアドバイス、ありがとう、おっさん。
とまあ、 アーバンリゾートな空間で、気取らず貧乏な会話が楽しめるのもこのホテルのいいところだ。 ・・・へ?これって良い所っていいんだっけ?
さらにこのホテル、もう一ついいところがあります。
リバーサイドのホテルで川沿いでブレックファーストっていうのはどのホテルも当たり前。
だけど・・・ 水が水族館なみに近いのはここが一番だと思う。
テラスって普通、手すりがついてるでしょ?ここ、なんとガラスばりです。おまけにこのガラスにテーブルをぴったりとくっつけているので、もう、 水が席の隣ににじり寄って きてます。
わかります?これですよ、これ!もうテーブルが水に浮いてるみたいでしょ?これは他のホテルではありえないロケーション!
チャオプラヤ川マニアにはたまらない川の接近度。
おまけにこのホテル、朝日のさす方にビルが建っているため、パラソルがなくても暑くないし日が照りつけない。だから朝食では日焼け止めいらないわよーん。
タイのホテルの朝のテラスが暑いのは、朝からの照り付けが地面に吸収され、地面からも暑さを感じるし、日本よりはるかに赤道に近い日光が、元気すぎるから。夜から日が照り付けないまま、ビルに太陽がさえぎられているので、 まだ朝だったらひんやりとした空気と川風を楽しめ、非常に涼しい!今迄で一番涼しいタイのホテルのテラス だと感じました。
いやー、これはいい!毎朝ここで朝ご飯食べたいよう!
そしてその朝食も非常に美味しく、種類もびっくりするほど多い。ただし、一つだけ謎の料理を発見。
それは! 「トンカツビーフ」 と書かれた謎のもの。
恐る恐るふたを開けて驚愕。そこにあったのはただの、 豚と野菜の煮付け。 一応日本風なのか醤油風味。
誰だ!「tonkatsubeef」って書いたやつ! (爆笑)
しかもここ、それなりに日本人だって来るホテルだし、一応五つ星!日本人にアドバイス求めたほうがいいんじゃねーか(笑)?
ひとしき笑わせてもらった後、優雅にテラスに座る。朝ごはんのレストランの従業員が稚拙なほかのホテルと比べて(チャトリウムだけは別格に優秀~)、かなり優秀。無駄な笑顔はないけれど、きびきびとし、コーヒー-を入れてくれるタイミングも絶妙!
席まで案内してくれるお姉さまやおじ様も投げやりな席に通さず、最初に「あちらでもよろしいですか?」「外ですか、もちろん大丈夫ですよ」と、丁寧に接してくれるし、言わなくても 空いている中で一番いい席に通してくれる。
味も種類も申し分なし。その中で一番美味しいと感じたのは、こちら。 ヌードルスタンドの麺!この日はバーミーを注文したんだけどスープがすごい!こくがありすぎ!
大抵ホテルのバーミーは屋台のバーミーよりおいしくなかったりして「まあ、雰囲気だけ味わいたい」程度の役割を果たすのだけど、ここのバーミーのスープ・・・正直 今まで食べた美味しいタイ麺の中でもベスト3にランクイン(ラマ4世通りの鶏煮込み麺、スクムビットソイ22の豚血入り麺がこの中に入っている)。
どうしてこんなに透明なスープなのに、こってりとした味が出せるの?
あまりの美味しさに翌日も同じものを注文しちゃった。
でも麺スタンドでこんなことがあった。
日本人と思しき若い青年が 「フォー、フォー」 と、最近見ない レイザーラモンHGみたいな叫び声を上げていて、危ない なあ・・・とびくびくしていたら、なんのことはない「クイティアオ」をベトナムのフォーと勘違いして「フォーをクレ」って指差して叫んでいたらしい。
しかし麺スタンドのにーちゃんはそれに気がつくわけがない。
「???」と顔を見合わせ、なんで 朝から日本人がエキサイティングに「フォー!」 と叫んでいるのだろうと、薄笑いを浮かべている。
いかん。これでは 日本人が完全に馬鹿 だと思われてしまう。
それは避けたかったため、危ない日本人青年に「これがほしいんですよね」というと「あ、はい」とフォー!と絶叫をやめたので「クイティアオナームのセンレック、この人に一つください」とタイ語で言ってあげた。
日本人青年はベトナム名物「フォー」だと完全に勘違いし、通じないあまりにHG並みの「フォー!」を絶叫するはめになっていたのだ。
いいかい、おにいちゃん、これはフォーじゃありません、そしてここはベトナムじゃありませんよ。タイに来る方、おいしいタイ料理を食べにくるならそれくらいは勉強してきてくださいね。
じゃないとみんなHGになっちゃうよ。
このホテルのいいところ
1.窓が大きく、川景色を独り占めしたい人におすすめ
2.従業員にいいかげんさがない。
3.ゲストリレーションのおじさまがすごい!仕事できます!
4.朝食がいただけるテラスが日陰で非常に涼しい
5.朝食がうまい!種類も豊富!麺スタンドの麺のスープ、とってもコクあり!
6.モダンではないし、外観は煤けているけど、重厚なロビーや、落ち着きのある雰囲気が残っている
7.プールと朝食レストランのテラスは、川側がガラスばりで、本当に川の際の中の際が味わえ、ガラスが割れたら落ちるんじゃないかという恐怖心すら感じる。
8.リバーシティー直結で、お土産の買い忘れ、食事など不便さはゼロ。
9.シープラヤーの船着場が隣なので、お寺方面も近い。サパンタクシンへはもちろん送迎船あり
10.まるでバーのような革張りのソファーを配した送迎船。このホテルの送迎船は一番豪華だと思う。
11.ドアマンがとってもしっかりしていて、タクシーを頼む時は本当にまかせられる
このホテルのちょっとおしいところ
1.ホテル外観はかなりふるぼけていて、オフィスビルのようだ
2.「わあ!」という豪華さはない
3.ロビーは川からも誰でも入れるなあ、という気がする。
4.従業員は「ものすごい親切でものすごいサービス精神があるか?」と問われると、そんなことはない。
なんていうでしょ、過ごしやすくて、肩肘張り過ぎない高級感。ずっと9000円ならずっと泊まってみたいけど、無理だと思う(涙)。
川沿いのホテルには泊まりたいけど、あんまり気取ったところはイヤだ、とか豪華すぎるところは疲れるとか、それでも5つ星がいいなあ、という人にはいいと思います。
でも川景色は実はナンバーワンだと確信しているので(好みにもよるけどね)、ぜひお試しあれ~!