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極楽招きネコのつぶやき
「ネコのももこの物語」8
No.72【2度目のお別れ その7】
にゃんこ・ももこの不妊手術も抜糸も終わりキズの回復も良い状態でした。もう、物置に入れておく必要がなくなりました。獣医師は、このまま外生活でも大丈夫と言っていました。
抜糸をした翌朝。
いつものように、朝ごはんです。カリカリを勢いよく食べました。食欲満点です。食べている間に、首輪とリードをはずしました。もう、ももこは「自由」です。どこへ行ってもかまいません。お散歩も好きな所へ好きな時に行って良いのです。なっとく出来るまで子供を探しておいで。
カリカリを食べた後、ももこはしばらくウロウロしていましたが、どこかへ行きました。
これで、ももこともお別れかな。ちょっと寂しい。でも、この場所はイヤな思い、悲しい思いが続けて起こった場所なので、立ち去るでしょう。私も、家族もそう思いました。
それから、私が仕事へ出るまでの間にももこの姿を見る事がありませんでした。・・・やっぱり、これでももことお別れかなぁ。
なんだか、寂しいけどしかたがない。
妹の所にあずけている、ももこの子供、黒トラちゃんの里親さんがみつからないといいなぁ。このまま、ウヤムヤにウチに居る事にならないかしら。
そんな事を考えていた1日でした。
夕方帰宅すると、ももこが出迎えてくれました。
ももこ!どこかへ行っちゃったんじゃ無いの?!
1日中ずっと家のそばに居たそうです。物置に入れる前は日中どこかへ行くのか姿が見えない事が多かったのですが、今日は、ずっと家から離れないのだそうです。どうしたのだろう。ここがイヤじゃ無いのかしら。
翌日も、同じでした。ももこは手術してからずっと家から離れなくなってしまいました。ここはイヤな場所じゃないのかしら?居心地がイイ場所なのかしら?
ももこは、ますます、あまえて擦り寄ってくるようになりました。
2006-04-05
*****
≪ちびネコ・黒トラちゃん・・・≫
No.73【2度目のお別れ その8】
私達家族が考えていたように、ももこがこの場所から立ち去る事はありませんでした。以前よりも、私達の家のそばから離れる事が少なくなりました。
このまま、ここに住み着いてもかまわない。そう思っていました。
不妊手術もしたのだから、お腹が大きい?子供を生む?と言って近所の住人から追い払われる事もないでしょう。この場所が居心地が良いのならずっといてもかまわないと思いました。
幸い、家の中で飼っている、おじいさんネコ・ラッキーも少しももこに慣れてきたようでした。窓越しにももこの姿を見てもあまり気にしなくなっていました。大丈夫みたい、一安心です。
お隣のボスネコ・クロちゃんとも仲良しです。クロちゃんは、体も大きく家の近くに他のネコを寄せ付けません。ももこを「外敵」から守ってくれています。猫同士のケンカに巻き込まれる心配もなさそうです。
時々、子供の事を思い出すのか、子供を呼ぶ声で鳴く事もありました。まだ、妹の所にいるもう1匹の子供・黒トラちゃんを引き取ってくる訳にはいかないようです。もう少したったら引き取ってこよう。まだ、黒トラちゃんの里親は見つかっていないけど、あまり一所懸命に探す気持ちが無くなっていました。このまま、ウヤムヤに家にいても良い!いや、そうしたい!と思うようになっていました。
子供の黒トラちゃんは家の中で、親のももこは外かぁ・・・・ちょっとかわいそうかな。
でも、ももこは野良生活になじんでしまったようだし・・・・今、ラッキーがいる家の中にももこを入れられないからごめんね。
でも、なんとか黒トラちゃんだけでも、家の中で飼ってあげたい。
ラッキーには、申し訳ないがすでに18歳。この先、そう長生きはしない事は十分に分かっています。あと何年か、このチビと「同居」してくれれば。なにより、ラッキーがすごくなついているのは、母です。母もラッキーにべったりです。ラッキーと別れた時の「ペットロス症候」と言う事も心配でした。ネコちゃんと死別してかなり、つらい思いをした友人もいます。もう1匹ネコがいたら、大丈夫かもしれない。そう思いました。私の気持ちは黒トラちゃんを飼う!そう決まってきました。
2006-04-06
*****
≪黒トラちゃん、突然のお別れ≫
No.74【2度目のお別れ その9】
ももこの子供・茶トラちゃんとお別れし、ももこの手術も済んで2~3週間たった頃の事。
ももこは、あまり子猫達を探さなくなっていました。もう1匹のももこの子供・黒トラちゃんをウチで飼おう!と密かに決めていたので、妹の所から引き取って来たいと思っていました。でも、まだ連れてきたら、ももこが思い出して騒ぎ出すかな?もう少し待った方がいいのかしら?前のとき、ソラちゃんとユメちゃんの時も1ヶ月位は時々子供を呼んでいたので1ヶ月たったら引き取ってこようと決めていました。もう少し・・・・
突然に妹が日中、家にやって来ました。そして、「黒トラちゃんが誰かに引き取られた。」と言ったのだそうです。母は事の次第が分からなかったそうです。確かに、里親探しをしていたし、そのように妹にも伝えていたけど、里親が見つかったと電話も無かったので、何がどうして『誰かに』引き取られたのか、すぐには理解できませんでした。
昨日、妹が数ヶ月前にイヌを買ったホームセンター内のペットショップに黒トラちゃんを預けたのだそうです。「里親さん探し」をお願いしたのだそうです。ペットショップではボランディア団体の犬猫里親探しに場所を提供したりしていたので、お願いしてみたのだそうです。
普通は、そういうネコちゃんを引き取ったりはしないのだそうですが、特別に引き取ってくれたそうです。この黒トラちゃんは『販売』はしないけど、餌代くらいの代金は貰ってもかまわないかと聞かれたので、全てお任せするらと言って渡してきたのだそうです。
そして、今日様子を見てきたら、もう黒トラちゃんはいなかったのだそうです。
「誰がに引き取られた、あの子かわいいし、人なつっこいから。」
夕方、帰宅してこの事を母から聞きました。なんだかショックでした。なんで、一言も連絡してくれなかったのかしら。どうして勝手にペットショップに置いてきちゃったのかしら。黒トラちゃんをウチで飼おうと、気持ちの中で決めていたので、とてもショックでした。ももこの子供だから、りんごとかみかんとか言う名前にしようかなどど考えたりもしていたので。
せめて、最後にもう一度黒トラちゃんに会いたかった・・・・・
つい最近になって、母が黒トラちゃんを思い出して、言ってくれました。母もあの時、黒トラちゃんを家で飼っても良いと思っていたのだそうです。母も、かなりがっかりしたのだそうです。
あまりに、突然のお別れでした。
2006-04-07
*****
≪ももこの仲間達≫
No.75【『外ネコ生活』 その1】
また、ももこの1匹だけの生活が始まりました。
でも、不妊手術をしたので、これからは子猫を生む事はありません。ずっと1匹だけです。これで、ももこもご近所さんに嫌われずにこの場所で暮らしていけるでしょう。ももこは完全にこの場所に居ついてしまったようです。ももこは、ウチの『外ネコ』?
おとなりのボスネコ黒ちゃんとは、相変わらずラブラブ状態でした。仲良しネコ仲間がいてよかったね。
我が家のにゃんこラッキーちゃんも、窓越しならももこの事を気にしなくなってくれました。
気にしなくなったと言うよりも・・・・ラッキーは、もう、外のネコの事など、どうでも良くなったのかな?この頃から、ラッキーの『老い』が、かなり目だってきていました。ももこの事で一安心の後は、ラッキーの事が気がかりになってきていました。
ももこには「強い味方の黒ちゃん」がいます。黒ちゃんにまかせていれば大丈夫。そう思っていました。でも、黒ちゃんの様子も少しずつ変化していました。なんだか、黒ちゃんが以前より元気が無いように感じられました。夕方、カリカリをあげる時にも、前のように悠然として食べてると言うよりもガツガツと食べていました。明らかにお腹がすいている様子なのです。
黒ちゃん・・・・まるで、野良猫ちゃんのようだよ。どうしちゃったの?
2006-04-10
*****
≪ももこの「お手」≫
No.76【『外ネコ生活』 その2】
ももこは、もう、どこにも立ち去る気配はありませんでした。完全に私の家の近辺に住み着いてしまったようでした。どうやら夜も、ガラス戸のすぐ側にある段ボールの箱に寝ているようでした。箱はゴミの日に捨てるつもりだったのですが、ももこがベットにしているのでそのままにしてあります。
ここに住み着いて、これからもずっと朝夕、カリカリを貰うんだから、お行儀の悪い事じゃダメ!ですよ。ちゃんとご飯の時は「お座り」をして待ちなさい。
最初は、「何?どうしたの?」って様子だったのですが、次の日にはちゃんと「お座り」をしてカリカリがお皿にくるのを待ちました。ももちゃんは、おりこうさんです。
お座りが出来て、お行儀良くできるんだから、「お手と、おかわり」もしてちょうだい。ラッキーちゃんも出来るんだからね。
と「お手」「おかわり」を教えました。数日後、「お手、ちょうだい」と言ったら、ももこはなんだかはずかしそうに、そぉ~っと手を出しました。ももこはおりこうさんです。「お座り」も「お手」もちゃんとすぐに覚えてくれました。カワイイ手をちゃんと手のひらにのせてくれます。そして、もう1つ。「ももちゃん」と呼びかけると「にゃぁ~」とお返事をしてくれます。
この頃から、お隣のボスネコ・黒ちゃんが夕方、ももこのお食事の時間に一緒に姿を現す事が多くなりました。ももこは、ピンクのお皿で、黒ちゃんは黒ちゃんのどんぶりでカリカリを一緒に食べる日が増えました。時には、ももこが途中でカリカリを食べるのを止めて黒ちゃんに残りをおすそ分けしているように見える事もありました。
ネコちゃんでも、お友達同士助け合っている。そう見えました。ももこも、1年少し前、近所に姿を現した頃、黒ちゃんのご飯を「盗み食い」していたから、今度はお腹をすかせた黒ちゃんを助けているんだ。と母は言っていました。本当に、そういう行為をするものなのか分かりませんが、そう思いたい気持ちもありました。きっと、ネコちゃんにも相手を思いやる気持ちがあるハズと・・・
2006-04-11
*****
≪ももこの仲間黒ちゃん≫
No.77【『外ネコ生活』 その3】
しましまニャンコのももこは、子猫の事を忘れてくれたようで、探さなくなりました。
そして、ますますお隣のボスネコ黒ちゃんと仲良しになったように見えました。子猫もいなくなったし、これからも子供を生む事は無いのだから黒ちゃんという仲間ネコが出来て良かったと思いました。黒ちゃんはボスネコ。カラダも大きく強いネコです。ももこをちゃんと守ってくれていました。
でも、その黒ちゃんが、だんだんと元気が無くなってきたように感じていました。お隣の3姉妹に可愛がられていたのですが、なかでも1番可愛がっていたお姉さんが、春に進学して家を離れました。その頃から、黒ちゃんの様子が変わったようです。あまり家の中に居る事が無くなってきました。ツヤツヤと光ってキレイだった毛並みもあまりキレイでは無くなってきました。まるで野良ちゃんのようにいつも外にいます。
秋になって、ももこが子供の事も探さなくなって元気いっぱいになってきたのと対照的に黒ちゃんは、昔の威厳に満ちた黒ちゃんではなくなってきました。冬になると、冬毛でカラダが大きくみえるハズなのに黒ちゃんのカラダは小さくなってきたように見えました。時々、小さい傷も作っているようです。「ケンカ」する力も落ちてきたのでしょうか?
寒くなってきたので、ももこにお家を作りました。段ボール製ですが、中にはちゃんとベットを作りました。「お布団」も敷きました。これで、冬でも暖かだよ。ももこは気に入ってくれたようです。すぐに入居してくれました。うれしそう(?)にゴロゴロしているももこでしたが、少し離れた場所でたたずむ黒ちゃんも気になりました。私達に出来る事は、ももこと一緒に朝夕のカリカリをあげる事しか出来ません。でも、あきらかに黒ちゃんはお腹をすかせていました。もう、お隣さんで黒ちゃんを飼う気持ちが無いの?捨てた?と思いました。それでも、ここが自分の家だと思うのか毎日ちゃんと帰ってくる黒ちゃんが不憫になりました。
2006-04-12
*****
≪元気になって、黒ちゃん!≫
No.78【『外ネコ生活』 その4】
シマシマにゃんこ・ももこは、私の家の軒下のダンボールハウスが気に入ったようでした。
いつも居るようになっていました。「ここは、アタシのお家よ!」そんな感じです。「ももこ」と呼ぶとからなず「にゃぁぁぁぁ」とお返事をしながら走ってきます。外出から帰った時も、駐車場の入り口まで、お出迎えしてくれます。本当に可愛いにゃんこだと思いした。
近頃、元気の無いお隣のボスネコ黒ちゃんは、冬になってますます、みすぼらしくなってきました。毛のツヤもなくなってきていたし、いつもお腹を空かせていたし、なんだか汚れているようにみえました。本当に飼い猫?野良ネコでしょう!と思うような姿になってきました。それでも、ももこの良きお供達です。無邪気にじゃれているももこが子供に見える時もありました。
冬のある日、ももこのダンボールハウスの近くに黒ちゃんが座り込んでいました。ちらっと見たときなんだか、足(?)に血が付いていたような気がしたのですが、改めて見ると何も無い?気のせいか・・・・その後、母が外へ出てきた時、黒ちゃんが立ち上がったのだそうです。その時、前足の白い『ソックス』の部分に少し血が付いているのを母が見つけました。
黒ちゃんケガしたの?見せてごらん。
そう母が言ったら、黒ちゃんはそぉ~っと前足を出したのだそうです。指先を少しケガしていたようでした。母は、足を見せてくれた黒ちゃんをずっと忘れられないと言います。
毎日、ももこと一緒に朝夕、カリカリを食べるようになりました。黒ちゃんにも、ちゃんとカリカリをあげるから、元気になりなさいね。ボスは体をはって縄張りを守っているのだろうから、元気になって自分のテリトリーを守りなさいね。少しずつやせて小さくなってきた黒ちゃんを励ましてカリカリをあげました。ももこをちゃんと守ってね、黒ちゃん。
でも、春が近づいた頃、黒ちゃんはケガをしました。今度のキズはちょっと大きいようです。
2006-04-13
*****
≪最後の姿≫
No.79【『外ネコ生活』 その5】
お隣のボスネコ・黒ちゃんがケガをしているようでした。首の少し下あたりにキズがあると母が言っていました。でも、病院へ連れて行ってもらっていないようです。キズに母が気付いてから数日後に黒ちゃんがハンカチを首に巻いているのを見ました。手当てをしてあげたのかな?でも、ちゃんと病院へ連れていなかいと・・・・・お隣のネコながら心配です。
ももこと一緒にいても、ごろっと寝ているようになりました。具合が悪いのでしょうか?本当にお隣さんは黒ちゃんを「捨てて」しまったのかしら。なんかだ腹立たしい気持ちもありました。
俺は、ボスだ!と言うようにスリよってきたり甘えたりしなかった黒ちゃんが、ももこにカリカリをあげる時に割り込んできてももこのカリカリを食べた事もありました。こんなにお腹をすかせてなりふりかまわず・・・と言った様子の黒ちゃんを見て驚いた事もありました。
夕方、帰宅するとももこの段ボールハウスのベットに黒ちゃんが寝ていました。さすがにカラダの大きい黒ちゃんはももこのベットの箱からはみ出しています。でも、ごたぁ~と横になって寝ている黒ちゃんを見るのは初めてです。母が、元気が無いからそのまま寝せておいてあげよう。と言います。ももこも箱の中に無理やり入ろうとはしませんでした。
その翌日、夕方ももこがお散歩に行ったのか、いつもの時間にいませんでした。「ももこ!」と呼んでも姿を現しませんでした。?どこへ行った?
しばらくして、暗くなった頃、外で物音がしました。「にゃぁぁぁぁ」小さい声でももこが鳴いています。帰ってきた。外へ出て行き夕ご飯をあげる事にしました。今日は、カリカリでは無く缶詰です。ちゃんとお座りして!どこへ行っていたの・・・・と用意していると、ももこのすぐ後ろに黒ちゃんが、おりこうさんにお座りをしていました。まってね、黒ちゃんにも今あげるから。
黒ちゃんはカリカリじゃないとお腹がすくでしょう、ちょっと待っててね。立ち上がると、黒ちゃんはももこの所へやってきて缶詰のキャットフードを食べようとしました。ももこは後ろへさがって黒ちゃんに食べさせているように見えました。カリカリを黒ちゃんのお茶碗にあけて黒ちゃんはこっち!と差し出しました。黒ちゃんはすぐにやってきました。カリカリ・・・しずかに食べていました。
しばらくして、ももこと黒ちゃんのお茶碗をかたずけようと外へでたら、黒ちゃんはいませんでしたが、カリカリをほとんど食べていませんでした。・・・・体調が悪いからももこにあげた缶詰を食べたかったのかなぁ・・・・・黒ちゃんに悪い事したなぁ。
私が、黒ちゃんを見た最後の姿でした。
2006-04-14
*****
≪黒ちゃんとのお別れ≫
No.80【『外ネコ生活』 その6】
ももこのお友達ネコ・黒ちゃんがカリカリをほとんど食べずに姿を消した翌日から、黒ちゃんの姿が見えませんでした。かなり体調が悪いのかな?家の中にいるのかな?
数日後、母が気になってお隣さんに聞いたそうです。黒ちゃんは動物病院へ入院したのだそうです。ももこが夏に不妊手術をした近所の動物病院です。私は、なんかだ安心したました。入院するほどキズが悪化していたのでしょうが、これで黒ちゃんは退院する時には元気だ。元の黒ちゃんになって戻って来てくれるだろうと思いました。
ももこ、良かったね。黒ちゃんは動物病院だってよ。もうすぐ元気になるからね。ももちゃんの「彼」だものね。早く元気になると良いね。
翌日には、病院へ面会に行って来たと聞きました。長引くのかしら。かなり重症だったのね。キズを作って来た時にすぐに病院へ連れて行ってあげれば良かったのにね。気になったけど、お隣のネコちゃんだし・・・・・
でも・・・・入院したと聞いてから1週間後の朝。いつも黒ちゃんがお昼寝をしていた場所に小さな器がありました。キャットフードが入っていましたが、いつも黒ちゃんが食べていた器ではありません。そして、カニカマが2本上に乗っていました。母が、窓からその器を見つけて「黒ちゃんが死んだ。」と言いました。まさか・・・・・
朝、新聞をとりに外へ出た時に見つけたのです。あれは、ぜったい黒ちゃんのお供えだと言います。夕べ、黒ちゃんが死んだんだよ・・・・・そんなぁ、まさか・・・
その後、お隣のお姉さんが外へ出てきたので、母が急いで出て行って話し掛けていました。やはり黒ちゃんは夕べ動物病院で死んだのだそうです。面会に行った時だそうです。面会に来るのを待っていたかのように息を引き取ったのだそうです。
話を聞いている時に、ももこがやってきて黒ちゃんのカニカマをパク!コラコラダメ。お隣のお姉さんは、ももこは黒ちゃんのお友達、供養だから食べて。と言ってくれました。だめだよ、ももこ。だけど、正直な気持ち、黒ちゃんは近頃、ずっとお腹をすかせていました。死んでから、こんなご馳走を供えるより、生きている時にお腹いっぱい食べさせてあげればよかったでしょう!と思いました。
その、翌日。黒ちゃんをペットの葬儀場へ連れて行くからと母に声をかけてくれました。母も最期のお別れをしました。コレが、あの黒ちゃんかと思うほど、小さくやつれていたそうです。お隣のお姉さんは、ももこは黒ちゃんの彼女だったからお別れをさせたいと言ってくれました。でも、ネコのももこには、きっと理解できないから、思い出して、黒ちゃんを探して鳴いたりすると私たちもつらいから・・・と、対面させるのはやめました。
ももこは、この1年で、自分の生んだ子供と2回お別れをしたのに、今度は仲良しの「彼」黒ちゃんともお別れをする事になってしまいました。
2006-04-16
*****
≪夢の中の黒ちゃん≫
No.81【『外ネコ生活』 その7】
お隣のにゃんこ・黒ちゃんが死んでしまいました。なんだか、とても寂しい気持ちになりました。かなり具合が悪かったのだろうなぁ。辛かったかなぁ。本当に元気が無かったものね。私が、最後に黒ちゃんを見かけた時、ドライフードでは無く、ももこにあげた缶詰の柔らかいキャットフードを食べたかったのかなぁ・・・・・なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
そんな事を考えていたからなのか、その夜、夢を見ました。黒ちゃんの夢でした。
あら、黒ちゃん!
目の前に黒ちゃんが元気に居ました。いつものように威厳のある堂々とした態度で座っていました。でも、その後、私のヒザに乗ってきました。ヒザの上に抱っこしました。
黒ちゃん、大きいね、重いね。でも、黒ちゃんを持ち上げた事は何度もあったけど、こんな風に抱っこしたの初めてだね。
黒ちゃんの重みを感じました。大きい体を両手で抱え込んでヒザの上で抱っこしました。それから、黒ちゃんは「向こうの方」へゆっくり歩いて行きました。なんだか、日向なのか明るい方へ悠然と歩いていきました。
黒ちゃん・・・・・・
呼びかけたら、一度、黒ちゃんは振り向いたのですが、そのまま「向こう」へ歩いて行ってしまいました。
!!!目が覚めました。朝でした。でも、まだ早朝らしく、静かでした。黒ちゃんの夢を見てしまった。また、ウトウトしちゃいました。目覚まし時計が鳴って、今度こそ、起きました。・・・・・私、黒ちゃんの夢を見た?夢だったよね。でも、なんだか、黒ちゃんを抱っこした感覚が手にあった。妙にリアルな感覚のある夢?変な感じ・・・・・・
その日、仕事へ行ってもなんだか、夢の事が気になりました。黒ちゃんやももこやラッキーの事を時々話していた職場の仲間に、なんとなく「黒ちゃんの夢を見ちゃった」と話しました。あまり詳しく夢の内容を話す気持ちはありませんでした。
あらら・・・と笑っていた、その人に、その後、真面目な顔で、「黒ちゃんは、何か言った?」と聞かれました。まさか、黒ちゃんはネコだよ。
何かを言うなんて・・・・・ただ、夢を見ただけですよ。内心、何を言っているのだろうと思いした。ネコが話しかけてくるなんて。でも、その後の言葉は予想外でした。「黒ちゃんは、あなたに挨拶にきたのよ。」それ以上、私は言葉がありませんでした。まさかぁ・・・・・何を言っているの。と言う気持ちですが、彼女の言った事を信じる事にしました。
私、黒ちゃんに最期の挨拶をしなかったからなぁ。黒ちゃん、ももこの面倒はちゃんと見るからね。
2006-04-18
*****
≪黒ちゃんが「野良」になった理由≫
No.82【『外ネコ生活』 その8】
にゃんこ・ももこは、大事な仲間、お隣のニャンコ黒ちゃんが死んだ事を理解しているのだろうか?あまり、黒ちゃんの事を気にしている様子は感じられませんでした。何日かして、お隣さんが黒ちゃんが、いつも寝ていた座布団をももこにあげる。と、お昼寝の場所によさそうな所へ置いていきました。ももこは気付くかな?黒ちゃんの座布団。・・・・気付いたみたいでした。黒ちゃんの座布団でゴロゴロしています。大事な、仲間がいなくなって寂しいね。
黒ちゃんが、一番なついていて一番可愛がってくれたお姉さんが1年前に進学して家を離れました。きっと、黒ちゃんは、すごく会いたかったのでしょうね。ずっと待って待って待っていたのだと思います。夏休みに、家に帰ってきたお姉さんは黒い子猫を連れて帰ってきました。やっぱりネコのいない生活が寂しくって黒ちゃんに似たクロネコちゃんを飼う事にしたのだそうです。その時から、黒ちゃんが家にあまり寄り付かなくなってしまったのだそうです。ずっと待っていた大好きなお姉さんが、別のネコを連れて帰ってきて黒ちゃんはショックだったのでしょうか?それで、この1年、黒ちゃんは「野良猫」生活だったのですね。
ももちゃんには、寂しい思いをさせないようにしよう。ももちゃんも、1度捨てられた(?)のだから、この場所を安住の地と決めたらしい、ももこをココから追い出すような事はしたくないもの。
ももこは、仲間の黒ちゃんがいなくなっても毎日元気に過ごしています。でも、家の中には、年寄りネコ・ラッキーがいます。もう18歳です。ラッキーはももこを受け入れたかな?黒ちゃんみたいに、ももこの出現にショックを受けているのかしら?ももこはラッキーと一緒に家の中に居るのでは無いのですが、大丈夫かな?この頃には、本当にラッキーの老いが目立ってきました。
夕方、道路の方向を見てじっと座っているももこの後姿がいじらしいと母は言います。私の帰りを待っているのだそうです。夕日を浴びてネコの形の長い影が伸びている姿が、可愛いけどいじらしいのだそうです。
ももちゃんは、ウチの飼いネコでは無いけど・・・・・やっぱりウチのネコかしら・・・・もう、どこにも立ち去る気配は無いし。なんだか、ご近所さんもウチのネコのように思っているようだし。こうなるのなら、最初にももこを見かけた時、多分、外に居る事に慣れていない様子でオドオドしていた頃に、すぐに家の中に入れてしまえば良かったんだね。あの時は、どこかで飼われているネコちゃんだと思ったし、飼い主さんの所へ帰れると思ったからね。元気に外を走り回っているももこを見ると家の中に閉じ込めるのは、無理と感じました。
やっぱり・・・ももこは、元気にお外生活かな・・・・お友達が、いなくなってしまったけどね。
2006-04-20
*****
≪ラッキー君とのお別れ≫
No.83【『外ネコ生活』 その9】
しましまニャンコのももこは、元気に外ネコ生活をしていました。お隣のお友達ネコ黒ちゃんがいなくなったので、ご近所のネコ(?)が近くにやってくると大変でした。追い払うとか、威嚇すると言った態度ではありません。「誰か来て~!」と言った声で鳴き騒ぎます。でも、もう黒ちゃんが助けに来る事は無いので、ももこの声が聞こえたら、ほうきを持って『助け』に行きました。ご近所ネコさんなのに、黒ちゃんのようにお友達にはなれないようでした。ネコの世界にも相性があるんだね。
その年の暮れ、我が家の家ネコラッキー君が体調を崩しました。急逝の膀胱炎でした。もう、18歳、年が明ければ19歳です。心配しましたが、なんとか回復してくれました。そと後、ラッキー君は、ますますヨボヨボのおじいさんネコになってしまいました。白内障も進んでいるようでした。それでも、元気に過ごしています。若いももこがまぶしいくらいにピチピチギャルに見えました。
19歳になったラッキー君。来年「成人式」だね。でも、この年は、全国的に猛暑でした。ここ数年、夏には食欲が落ちて体力も落ちるように感じていました。年だから室内に居ても夏の暑さが辛いのでしょう。いつもの年より暑い6月、ラッキー君が食事を取らなくなりました。動物病院で注射をしてもらいましたが、やっぱり高齢が原因のようです。暑さのセイ?でも、なんとか元気になってくれましたが、やはり梅雨明けして本格的な夏になった頃には、完全に夏バテ状態になってしまいました。この年の記録的な猛暑がうらめしいです。冷夏だったら良かったのに。
毎日、病院へ行って注射をする日が始まりました。ほんの少し体重が増えても喜びました。夏でも、元気なももこ。ラッキー君も若い頃は夏でも、元気だったよね。病院の先生の診察は正確でした。奇跡は起こりませんでした。ラッキー君がついに力尽きる日がやってきました。9月末です。やっと涼しくなった頃でした。
もう、食べる力も無くなっていました。前日から水も飲めないようでした。ぼ~として起きているのか寝ているのか・・・・立つ事も満足に出来ないのに、ヨロヨロとトイレに行っていたのに、もう起き上がらなくなっていました。
その朝、横になって寝たままなのですが、パッチリと目を開けて私達家族が朝食をとっている様子を見ていました。時々、まばたきをしたり耳をピクッと動かして見ていました。ずっと見つめていました。食べ終わって出かける準備をするためにテーブルを離れる時、いつものようにラッキー君の頭を1度なでました。少しだけ、首をすくめましたが、また首をそらして父や母の方と見つめていました。それが最期でした。家を出る直前に母がラッキー君のソバに座り込んで「息・・・してない・・・・」と見つめていました。口元に手をやってみましたが鼻息は感じられませんでした。お腹にさわっても息遣いがありませんでした。
朝、じっと見つめていたのが、ラッキー君のお別れの挨拶だったのかな。
その日、ももこは鳴いたり甘えたり擦り寄ったり、しませんでした。自分の寝床にじっとうずくまっているだけでした。ももこまで具合が悪いのかと思いました。そうでは無いようです。
ももこは、ラッキーが死んだ事をちゃんと分かっている。父も母もそう感じたそうです。そうかもしれない。なんだか、いつものやんちゃなももこじゃない。
その晩は、仲秋の名月。でも、曇り空で、月は見られないでしょう。と天気予報で言っていました。ラッキー君のお通夜だね、とカーテンを開けたら、見事な満月が出ていました。この満月はラッキー君の置き土産?私達、家族3人とももこでラッキー君のお通夜をしました。
翌日、ペット斎場へ連れて行くまで、ももこは寝床でじっとしていました。やっぱり、ももこは「家族」の死を理解しているのね。
ももこは、ついにひとり(1匹)になってしまいました。ももこの生んだ子供は4匹とも里親さんに引き取られたし、仲の良かった黒ちゃんの去年死んでしまった。あまり接触は無かったけど、ラッキー君も死んでしまいました。ももちゃん、寂しいね・・・・・でも、ずっとココに居ていいからね。
2006-04-27
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