GOlaW(裏口)

2007/01/24
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 業ゆえに歪む愛を、それでも手放さぬ刃金の強さ。
 業を知らぬ故に、固く真っ直ぐな銑鉄の脆さ。
 刃金に備えられた毒華は、歪みを糧に咲き誇れり。


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 最初、風景と役者に見とれてしまい、『相子の異常さ』以外は全て記憶からぶっ飛んでしまったなんて内緒です(←待てや、こらっ!)。
 館の豪華さや町並みも素晴らしかったのですが、銀行や食堂などのリアリティにも見入ってしまったんですよね。…本当に、すごい。

 ただ六麓荘からは、船はあんなに近くに見えないと思います(汗)。


 ちなみに友人曰く、
「鉄平の衣装はバーバリの、10万以上するやつだ…。
 庶民に手に入るブラックレーベルとかじゃない…」
だそうです。それを違和感無く着こなせる役者さんたちはすごすぎる…。


 …もちろんその後、ちゃんと再視聴後をした後での感想に参ります(汗)。

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 富国銀行は富士銀行。そして三栄銀行は三和銀行がモデルなのかな?

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 異常な濡れ場への積極的、必要以上の攻撃性、そして尋常でない過信──。倫理的なストッパーがここまで外れたキャラクターも少ないと思います。

 万俵家は祖父が原因で狂っています。しかし、ただ一人だけ部外者でありながら、誰よりも狂っているのが彼女。
 彼女が狂った背景が見えない分、その異常性だけが際立つのです。

 確かに彼女の才覚、美貌、そして倫理を捨てた獣の手管はずば抜けています。
 しかし、あまりにも常軌を逸してもいます。
 大介の寵愛(を手に入れるための、自分の手腕)を過信し、「息子よりも愛されている」と言い切れる姿には怖気がしました。


 また、あの異常なベッドシーンには思わず、
「東海ドラマ(フジテレビの昼メロドラマ)かよっ!」
と全力で突っ込みながら、ビデオを止めました。
 …アブノーマルに免疫のない人間に、前触れも無くあんなシーンを映さないで下さい(どん底まで凹)。…爺さんの血、大介にも色濃く受け継がれているようです(遠い目)。

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 そんな気が触れた相子にも、一度だけ動揺するシーンがあり、それも印象的でした。


 相子はどこかで美馬と共感しており、身を許してもいいと考えているのかもしれません。
 でも、そのデメリットをちゃんと理解しています。その程度には賢しいのです。

 でも自分としては、相子にだけは自滅して欲しいんですよね。
 頑張れ、美馬。ともにどんどん堕ちて自滅してくださいっ(←応援の仕方、間違ってる)。

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 今回も将軍(ロボット)と肖像画は健在です。



 将軍はまだいいかな。体が弱っているか、怪我をしているから、あんなギクシャクした動きになるのだと脳内補完しちゃいましたから(←それもどーかと)。

 そんな将軍に、鉄平は祖父の名残を求めます。
 尊敬する祖父の友人として、意見を求めてしまうんですね。
 それこそが、彼が祖父になりたくてもなれない証拠でもあるのに。

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 その一方で、母親も鉄平に祖父の影を見て怯えます。
 昔──風呂場で襲われた恐怖を蘇らせて。

 母親が七年前、愛人が家にいることを認めた理由が、少しだけ垣間見えた気がしました。

 ひょっとしたら
『望む・望まぬに関わらず、不貞を働いた罪悪感』
『鉄平が日々、祖父に似ていく恐怖』
があまりに募りすぎてしまったのかもしれません。
 自分だけが罪悪を抱えることに耐え切れず、だからこそ、夫も不貞を抱えてくれることに安堵する部分があるのかもしれません。
 そして夫の不貞を見逃すことが、彼女なりの謝罪であり、息子に対する態度への感謝なのかもしれません。

 やっぱりそれはそれで地獄だと思うのですが(滝汗)。

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>「耐え難い苦悩を耐えて、寧子を大切にしてきたつもりだ」
>「私はいつもお前のことを一番に考えている」
 苦しみのあまり傷つけようと、時に狂おうと、それでも彼なりに妻と息子を愛し、手放さずに、守っているのがすごく伝わってきます。

 真実をぶちまけ、息子を限界まで追い詰めるのは酷く容易いのに、それを決してしない。それが大介なりの愛なのですね。

 ぎりぎりで足掻いて繋ぎとめる愛を滲ませる言葉は、酷く優しいのです。それゆえに、狂気も滲んでいる。
 …切ないです。

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 鉄平は両親(と祖父?)が必死で守ってきただけあり、“家の異常性からもっとも縁遠い感性”を持ちます。
 だからかもしれませんが、『財閥』という異常な世界に生きていくには青過ぎ、無知です。
 青過ぎるが故に甘えを持ち、無知ゆえに潔癖すぎるのです。


>「他の銀行を騙せと言うんですか?」
 手を汚さなければ、互いに生き残れない。その現実を知らぬからこそ言える台詞。
>「高須相子か?」
 真実を明かせば、昔の恋人が未練を持つかもしれない。そのことに気づかないからこそ、問える言葉。

 潔癖であろうとし、それ故に誰かを傷つけてしまう。
 潔癖でなければ、生きていけないといわんがばかりに。


 通産省にも、銀行融資にも、バカ正直すぎる方法でぶち当たり、搦め手を嫌い、それでなんとかなると思ってしまう。それが鉄平です。

>「てめぇのプライドを捨てなきゃならんこともある」
 本当に夢を叶えたいなら、部下を守りたいなら、その他のことを捨てなきゃいけないこともあるんです。

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 大介なら、『本当に大切な物』をちゃんと見据え、その他のものを全て捨てていく覚悟があります。
 しかし鉄平は、大切な物と理想と真実を全て抱えて、なおかつ突っ走ろうとします。それだけ、理想と夢が素晴らしすぎ、その輝きに現実が見えなくなっているのかもしれませんが。いるの


 製作局の目的とは反しますが、以上を踏まえると、どうしても大介の方が理想な上司に見えてしまいます。

 …というよりも、私は鉄平を肉親憎悪の目で見ちゃうんですよ。
 私も、同じ甘えと無知を抱えて、時に開き直って生きている性分なので(一応、自覚あり)。
 だから、鉄平のダメダメな部分が、自分のダメダメな部分に見えてくるんです(凹)。


 鉄平も、大介の『目的を、現実をねじ伏せてでも叶える強さ』を見習えば、もっと高みへといけるでしょうに。

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 鉄平と大介。
 それはまるで銑鉄と刃金のような存在です。

 銑鉄は『鉄鉱を熔鉱炉で熔かして作ったばかりの、炭素分を多く含む鉄』。理想や潔癖さという『炭素分』を多く含む、幼い鉄です。
 刃金は『含有する炭素の量を少なくし、鍛えて強化した鉄』。苦難を超え、本当の強さを持つ鉄です。

 銑鉄は固く見えて、脆い。
 鉄平の『理想や潔癖さ』は、人々を捉え、魅了し、味方もたくさん産むでしょう。それが彼の強さでもあります。
 その一方で、『曲がることを知らぬ』性格は、いつか二つに折れてしまう危険性をも含んでいるのですから。

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 彼が実質的に『阪神特殊製鉄』を率いていること、それが不幸だったのでしょうね。
 技術者として、そして現場監督として皆を率いていたなら、彼は理想の上司だったと思います。
 皆を『仲間』といい、それを率いて歩く姿は本当にかっこよく。街中の食事をする気さくさは、素敵だとも思います。


 しかし、経理に携わるには──『金の世界』という歪んだ世界に生きるには、向いていなかったのだと思うのです。
 世界を違えれば、これほどまでに不幸なことは無かったのでしょう。

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 銑鉄の脆さと、刃金の鋭さ。
 その行く末、しっかりと見届けたいと思います。

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 祖父の代より受け継ぎし業。
 そを知らぬが故に、『狂える世界を生き抜く術』を持たぬ主人公の、果ては──。





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Last updated  2007/01/24 10:39:27 AM
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