GOlaW(裏口)

2008/07/17
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 この言葉に、独裁主義に、最後まで抗ったのが、このドラマの主人公である。


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 ドラマを見終わって、私は最初に二つのことを考えました。
 ひとつは『チャップリンの独裁者』へのオマージュ。
 もう一つは『わが闘争』へのアンチテーゼ。
 どちらであっても、このドラマは『独裁者』への痛切な批難でもあり、『民主主義の民であれ』という痛切な願いも込められているのだと感じました。

 そんな主題に誠実に向き合って作られたドラマなのだと、感じました。

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★『大衆には分かりやすい敵をひとつ与えよ』

 歴史史上最悪の独裁者であり、今なおその理論・手法を忠実に実行する独裁国家(表向きは違いますが)も多い、アドルフ・ヒットラー。
 彼のもっとも有名な言葉こそ、『大衆には分かりやすい敵をひとつ与えよ』というものがあります。

 この言葉が意味するのは、“国民の不満を『仮想敵』に向けさせ、本当の問題から逸らしてしまう”ことです。

 しかし『仮想敵』を用意されれば、言葉での攻撃も容易ですし、『力づくでの排除』という単純な目標で済んでしまいます。
 人間には、容易で明確で耳当たりのいい方に流れてしまう習性があり、大衆は『仮想敵』へ意識を流してしまうからです。

 ナチスドイツの場合なら、『ユダヤ人迫害』。国内でも裕福な人々に矛先を向けることで、戦争費捻出による財政難への不満を逸らそうとしたのです。
 世界へ目を向ければ、“この言葉を実行し、失策への不満を隣国への反感にすり替え”ている国はたくさんあります。
 反日活動の背景に多々、“向こうの国の政府の意図的な誘導”があるのもそのためです。

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★『そして啓太は、大衆に味方を与える』

 それと対照的なのが、『朝倉啓太』でした。
「これは戦争です!」
 そう周りの人間がはやし立てる中、彼は決して神林に喧嘩を売ることはありませんでした。

 誰かを敵視し、そこへ恨みを持っていくこと無く。
 『政治そのものが抱える膿』という本質へと、問題意識を持って行きました。


 最後に国民には、『分かりにくくとも、本当の敵』を明言する。

 そのうえで、『信じてほしい』と訴えるのです。

 それは、ヒットラーが提言した言葉を、正面から否定する行動でもありました。

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★『チャップリンの独裁者』

 前述の『アンチ・独裁主義』で有名な映画に、『チャップリンの独裁者』というものがあります。


 前述の点におけるアンチテーゼといい、最終回はこの映画へのオマージュなのかもしれませんね。

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 父親からの因縁、そして本当の姿

 前回の感想でも上げましたが、『大同商事の不正』がらみのエピソードは、王道ながら私の好みをピンポイントで打ち抜きました。
 『父親からの負の遺産』、『父の本当の遺志』…etc。
 手段を違えようと、同じ想いを父親が抱いていたことは、どれだけ心強かっただろう。
 そして初めて湧き上がった敬愛の意を示そうとも、すでに相手が居ないことは、どれだけ切なかっただろう。


 『大嫌いだった政治』の象徴であった父親像が変わることは、彼にとっての『政治への嫌悪』が消えることも意味します。
 その時初めて、彼は本当の意味で『遺志を継ぎ』、政治に一生携わろうとする覚悟が生まれたのですね。


 この展開は嬉しかったです。このエピソードがあっただけで、政治ドラマに木村君が参加できてよかったと思うぐらいです。

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★『チーム朝倉』

 独裁者は有能な人材を手元に置けない。これは結構有名な事実です。

 独裁者は人を利用することしかしりません。それ故に、有能な人間を手元に置くと『いつか裏切るかもしれない』と疑心暗鬼になり、遠ざけるようになってしまうのです。

 朝倉がチームを作ることができたのも、それは彼が『独裁からほど遠い所にいる』からです。

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★『朝倉内閣が変えたこと』

 実を言えば、朝倉内閣は日本の法律を大きく変えていません。
 『たった一人の人間が、国を大きく変える』ことを描いてはいないのです。

 一人の正義で国を動かすこと……独裁を描くのではなく、朝倉という一人の素人が国の政治で感じたことを描くこと。
 一人の素人の感じたことを、国民に還元すること。
 それに首尾徹底したことに、スタッフの潔さが感じられて、とても好感が持てました。

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★運命と、高圧的。

「父はいつも声が大きくて……(中略)でも本当は後ろめたかったのかもしれない」
 …これを聞いた時、どこかの猟奇的な女性を連想したのは私だけでしょうか(汗)。
 『心に弱さがあるからこそ、過剰防衛する人がここにもいたんだ…』と思わずしみじみしちゃいました(←待て)。


 また、この話の直前に『運命論』を二人が話しているのも印象的でした(笑)。
 あのドラマとの違いが如実に出ていて、とても興味深いシーンになりましたから。

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★ 神林。

 善意で前例を破る朝倉と、悪意で前例を破る神林は、コインの表と裏だったのでしょうね。
 だからこそ『前例を破った』ことを朝倉は責めなかったのでしょう。

 本当は悪意を持って行ったはずの『不正な人事』も、さらに奥にある『膿』を出すために必要だった。そう、朝倉は明言し。
 それは底なしの善意であり、確かな見識。

 その言葉は、『病院で嫌味を言うことで満たしていたちっぽけな自尊心』を吹き飛ばすに十分だったと思います。

 はっきりとぎゃふんと言わせた訳ではないけれど、あのテレビ演説の後の一言は、彼に確かなくさびを打ち込んだと思われます。

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 はっきり言って、私好みの内容のドラマでした。
 そして、展開から台詞に至るまで、細かな部分まで『民主主義』を訴える主題にのっとって丁寧に作られていることに、好感を持ちました。

 チーム朝倉にいる人たち一人一人に好感が持てる内容だったのも、とても良かった。
 個人的にはあのSPのお兄さんが、キャラクターとしては一番好きかも。

 スタッフの皆さま、出演者の皆さま、お疲れ様でした。
 また素敵なドラマを期待しています!

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 そして人は、『民主主義とは何か』を考える。





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Last updated  2008/07/17 02:23:50 PM


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