マイプライベートBL

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チャイナ・ローズ

チャイナ・ローズ
著者名:水原とほる
出版社:大洋図書 シャイノベルズ

チャイナ・ローズ

内容:
借金取り・小田島潔×ホステス・春来(ツァンライ)
横浜チャイナタウンに暮らす潔は奴隷として調教されている春来に出会った。潔25歳、春来11歳。調教される春来を欲しいと思い潔は彼を拉致する。それから2人は隠れるようにチャイナタウンで暮らしはじめた。
5年後、春来は潔の義妹・麗子として一緒に暮らし、ホステスとして働いていた。そこに訪れた正木というヤクザは潔の同級生だった。正木は潔に強い執着を見せる。そんな正木から潔を取られまいとして春来は正木と取引をする。

感想:
アングラな雰囲気の漂うお話は好きだ。昔読んだ寺舘和子さんの『人間倶楽部』など大好きだった。
泥くさいというか、演歌の泥くささではなく、ホームタウンで這いずり回りながら何とか生きている、という泥くささが好き。金メッキで飾られた街の本当の姿を暴くストーリーに心惹かれる。この本は、そんなお話だと思う。

この本からまず読み取ったのは臭い。描写の中にチャイナタウンの寂びれた一面が垣間見られる。なんとも言えない異臭が漂うのだろう。雨の降った後のドブのような臭い?2次元の空間が一瞬3次元に変化する。

そこで主人公たちは出会う。
11歳の春来の痛々しさに私は胸がちくちくした。しかし潔は虐待を受ける春来を見て自慰をする。そして彼を手に入れようと決心する。正義感に燃えるでもなく、自慰する潔。春来への憐憫などない。そこで潔が強く憐憫を覚えてたら、多分私は萎えた。憐憫じゃダメ。執着じゃなきゃね。

しかし、よくよく考えてみれば、すごい年の差だな、この2人。

春来は女装してホステスとして働いている。女装は実は私、苦手なんだ。しかし、春来はよかった。彼の心がまるっきり少年だったから。心まで女性になってたらダメだった。けど、彼は男として潔を誇りに思い、愛してるし、独占したいし、守ってあげたいと思い、庇護されたいとも思っている。
麗子としては女性でありながら、それは完璧に演技なのだ。女装していても違和感を感じず、「女装してる男ってイヤだな」と思うスキがなかった。

ヤクザの正木がいい男だったけど、何となくインパクトに欠けた。彼が気に入らなかったというのではない。すごく気に入った。彼のピンの作品を読みたいと思う。
しかしこの作品の中で、春来にとっての障害になる人物としての存在感が薄く感じた。多分、潔にとって正木が春来以上に重要な人物になりえなかったからだろうと思う。苦手な同級生、嫌いなヤクザ、それゆえか31歳の潔とのオーバーラップが少なかった。もっと潔との絡みが描写されていれば、潔が抱いた彼への複雑な気持ちがもっと心に響いたかもしれないな。

水原さんのエッチは、何故にいつも痛いんだ?特に初エッチはこっちが「うーー」と唸りたくなるくらい痛々しい。今回も覚悟してるとはいえ、ワクワクドキドキ初エッチにほど遠く(と言いつつ、ワクワクラブラブエッチは最近の私、読み飛ばしちゃうんですが・・・)、おまけ春来の初相手が正木とは。少し悲しい。

絵がピッタリなんだ。上手いなぁ。よく合ってるよ、イメージに。佐々木久美子さん。正木がいい。

正木主人公の本が読みたいなー
潔受け、読みたい!!



評価:A
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆★★


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