マイプライベートBL

マイプライベートBL

岩本薫

岩本薫

書籍名: YEBISUセレブリティーズ
出版社:ビブロス
Yebisuセレブリティーズ
感想:
やっと『YEBISU~』を入手できました。何回読んでもいい感じです。何がいいんだろう?話の内容としてはBLの王道を行くような内容です。美貌を誇る受け主人公とナイトのような攻め彼氏。わりと金持ち。仕事もデキル。
私が好かったと思うのは益永の葛藤です。人との接触を嫌いバリケードを作って生きているあたり、「私もそんなとこあるんだよなー」と思いました。
仕事も完璧でありたいと必死になったりして、そんな益永が詳細に書かれ、共感できるのです。

そして、益永をあきらめない久家はかなり理想的な男です。ビジュアルは勿論、オレ様性格であるはずなのに、すぐに隠れてしまう益永を根気強く待ってくれる。無理矢理じゃないし、最後には料理まで披露してくれました。
現実からかけ離れた設定であることに間違いはないのですが、感情の表現がわりあい詳細に書かれ、また主人公たちを想像できる具体的な記述があるから、読み手として感情の移入がしやすく、今作の好感度がアップしたのだと思います。
今回は出版社との共同企画のようで、設定もみんなで考えたとのことで、みんなの自由な発想をここまで魅力的にノベルにできる岩本さんは、すごいと思います。

ただ、彼女の作品を読むといつも思うことは、「なおさら」という言葉をよく使われるなーということです。他の作家さんも使われるけど、岩本さんの場合、私が言うのもナンですが、そこにこの言葉、間違ってないけ~というような使い方をされてるように思います。ひらがなでなく、漢字で書いたら印象が変わるかも。でも、違う表現がいいと思います。なおさらという言葉でなくても「おまけに」とか、「そのうえ」とか、そちらの方がしっくりする場面もありました。そこが残念。
漫画の方も実は買いました。また、2ndステージも読んだし、そちらもワクワクさせて頂きました。また続きが読みたい作品です。

評価:A
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名: YEBISUセレブリティーズ 2
YEBISUセレブリティーズ 3
著者名:岩本薫
出版社:ビブロス BBN
YEBISUセレブリティーズ 2 Yebisuセレブリティーズ(3)
内容:
アルベルト・フランチェスコ・ディ・エンリケは恋をしていた。相手は、仕事関係で出入りしているYebisuGraphicsの1階と地下にある無国籍料理のカフェ&ダイナー、LOTUSのチーフギャルソンである東城雪嗣。アルベルトは2年半、ユキに告白し続けているが、謙虚で禁欲的な彼には全く相手にされない。
イタリア家具を扱うLABOの日本支社の社長であるアルベルトは、今回新しく建設された自社ショールーム発足のパーティーをユキの勤めるLOTUSに依頼する。仕事を通して2人の距離が縮まったように思われた。パーティー当日、ユキがちょっとしたミスを犯すが、フォローするアルベルト。そのことからグッと2人は近づき、アルベルトは念願のユキを手に入れた。・・・と思ったが、次の日にはそのことはなかったかのような冷たいユキ。
そんなかたくななユキの態度の裏には、彼の暗い過去があった。

感想:
このシリーズ、大好き!久家×益永編を雑誌で読んだ当時、とっても感動した。恋に臆病な男たちの物語、がなぜかツボ。普通じゃありえん世界が広がってる。しかもそれが日常で、さもありえるようなお話になっている。それでこそBLだ、などと思った。ファンタジーだって。
コミックは随分後になって読んだ。大城×はるかはあんまり好みじゃないなぁ。

で、このアルベルト×東城も好きな組み合わせのカップルだ。特に東城のダークな部分は好きだな。絵柄も彼の清冽としたイメージにピッタリなんだもん。アルベルトに抱きしめられてる東城の絵がとってもいい。

東城のダークな部分があったからこそ、彼のストイックな魅力が炸裂した作品だと思う。接客業をしながら世間との交流を断絶してしまいたい気持ち、自分の記憶と戦う日々、絶望しながらも生きなければならないのは、かなり辛いだろう。自分の記憶と戦うって、気が弱かったら自殺しかないもんね・・・東城だってアルベルトが本当は最初から好きだったようだし、彼にふさわしい人間でありたかっただろう。だかこそ、アルベルト拒絶するんだけど、そんな事情を知らないアルベルトは、そりゃあ落ち込むよね。前編最後の東城の態度はないよ。それぞれのサイドに立ったら、仕方ないのだろうけど。
ベトナムで東城が自分の気持ちに素直になれ、孤独から脱却できて本当によかったと思う。
今回の2人は、ヘビーな恋でした。

ただ、「LOVERS」のエンリケは、少々独占欲が先行してたな。仕方ないか。東城のつれない日々が長かったから。でも、幸せな東城が見れて、それでいい。

久家×益永は上の2人に比べると、明るい感じになってる。益永は相変わらず人見知りだけど。けっこうバカップルになってなかった?よっぱらった益永が可愛い。久家、あれやこれや、やったのかー(~O~)
谷地というデザイナーがかなりよかった。彼の物語りも読んでみたいかも(あとがきに、彼の物語もあると書いてあった。チェックしてなかったな。残念)。彼もゲイだってサ。

実はコミックも買った。綿貫×狩野編も好きだ。けど。。。。

・・・・どいつも、こいつも、右も左も!
ホモばっか!!
(言ったゾ。スッキリ)
ストレートはおらんのか?と思ってしまった。
でもこの物語は好きだ。ちょっと複雑。
BL的に言えば、そんなの当たり前の展開でしょ。だけど、一般常識から行くとありえない。でも私が好きなのはBLだし・・・
王道物語が好きだ。BLが好きだ。

だから、これでいいのだ(-◇-)

ところで、毎度言うけど、岩本薫さん、「なおさら」の使い方、絶対ヘン!

評価:B
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

書籍名: AD(アド)コンプレックス(2)
出版社:ビブロス
AD(アド)コンプレックス(2)
AD(アド)コンプレックス の2巻目です。
内容:
広告代理店に勤めるプランナーの有栖一希(実はチェリー)は、会社でも新鋭セクション「特攻プレゼンプロジェクト」の一員。今回、大手企業のプレ・プレゼンを担当することになった。同じチームで有栖の会社と合併した相手会社の生真面目な顔と裏の顔を持つ男・世羅との微妙に綱渡りな関係も続いている。有栖のプレゼンは失敗に終わるが、そこに横槍を入れて、敗者復活戦の切符を強引に手に入れる世羅。有栖はそのサポートにまわる。そのプレゼン企画中、世羅との距離が狭まっていくが、会社のリストラ計画に世羅がかかわっていることを知った有栖は、世羅の行動に疑念が生じるのだった・・・

感想:
買おうか買うまいか悩んだ1冊です。エッチ有と聞き、買っちゃいました(°°)~下世話だわ・・・
1巻目終わり「なにー、この最後!」と思ったんだもん。次はエッチなしだったら読まねーぞ、と思ってしまったのだ。だってさ、世羅が久遠寺と似てる・・・すんごいエグゼクティブ、仕事がデキるし、攻めだし。(ただ久遠寺は世羅のような二重人格ではないですが)だから読まなくてもいい気がしたのだけれど、やっぱ気になるもの。

読んだらけっこう楽しめました。2人がYAMATOの工場に出向いてお話を聞くところとか、OBの家にお邪魔するところとか、少し感動。
有栖が前向き頑張るところやダウナーに転落したり、また浮上したり、その変遷も良かったです。
一生懸命お仕事する姿はいいものです。本田のような仕事ホリックではありませんが。
世羅の有栖に寄せる想いも読んでて理解できるのがわりといいなぁ。本の最初から「世羅って有栖にメロメロなんだなぁ」とわかる書き方。攻めの本当の気持ちをあやふやにして、焦らす書き方が好きだけど、こういうのもいいね。

そしてエッチは、可愛いとしか言いようがなく。
チェリーだしね。有栖に世羅が合わせてくれたのでしょう。最初からバリエロは有栖が可哀相だもんね。

気に入らないのがイラストです。前回も好きな絵ではなかったので、私のイメージする有栖&世羅とイラストに非常なる溝があります。特に有栖は。

ところで。
岩本さんって、前も書いたと思うけど、やっぱり「なおさら」という言葉が好きね。それも、「ここで使う言葉かな」と疑問に思うところに使ったりする。どの本読んでも(って既読本少ないけど)使ってあるんです。今日はなおさらを飛ばして読みました。それでも一向に本文に違和感、感じなかったなぁ。

評価:B
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

書籍名: AD(アド)コンプレックス(3)
出版社:ビブロス ビーボーイノベルズ

ADコンプレックス(3)

内容:
広告代理店D&Sのエリート集団、特攻プレゼンプロジェクトに属する有栖一希は、同僚の世羅藤臣にバージンを奪われる。チェリーだった有栖はいきなりの初エッチに戸惑い、会社では世羅を避けてしまう。しかし流されるようにエッチ。でも、世羅に対する拒絶の言葉を言ってしまった。それ以来、きっかり他人行儀になってしまった世羅に淋しい気持ちがする有栖。
D&Sは有栖の会社と世羅の会社が合併してでした会社なのだが、世羅はアメリカにある前身会社の本社から投入された密偵なのだ。大幅なリストラを敢行するらしい。有栖にとっては敵になる。
表では新規顧客獲得のために一緒に企画を練り、裏ではリストラ計画を進める世羅に猜疑心を抱きながらも、距離を置かれたことに傷つく有栖。そして、そんな気持ちになる本当の理由に気がつく。
アメリカに帰国する世羅と共にプレゼンを成功させた有栖は、一世一代の告白をするのだった。

感想:
攻め男の世羅が気に入らない。実は1巻目から好きになれなかった。何がイヤか・・・?多分、絵がイヤ。イラストの世羅が気に入らない。好きな人もいるだろうけど、私の好みではない。ものすごく整った顔という設定なのだけど、整ってる・・・?うーん。

裏表の性格も、本当だったら好きになる要素たっぷりなんだけど、なんせ顔の印象が悪くてねぇ。真っ黒な髪がワシワシした髪型・・・なんで有栖、この男がいいんだよ~と思っちゃったです。

でも。途中から印象が変わった。有栖と距離を置くところくらいから。最後に、世羅が表裏の激しい性格になってしまったいきさつを読んで、「なるほど」と思った。そうもなるだろう。良い子と悪い子の使い分けをしなければならなかった、ということは、世羅は大人のご機嫌を取っていたんだな。ちょっとキュンとした。

有栖、今回は少々元気がない。世羅への複雑な気持ちに右往左往してる。でも、人さまの面前での告白は彼らしいと思った。すがすがしい。
エッチは今回もかわいい感じ、かな?エロ世羅は途中からちょっとだけ開放されてたかも。

ツボ物語かと聞かれれば、全作品を通してツボじゃなかった。仕事ものは大好きだし、エグゼクティブな登場人物も好きだけど、私には微妙に物足りなかった。こういうんじゃないんだなぁ。でも、どんなのがいいのかはわからない。久遠寺とか白鷺洲とか、ああいった人が好みです。


評価:C
エッチ度  ☆☆★★★
感動度   ☆☆★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★

書籍名: 13年目のライバル
出版社:徳間書店 キャラ文庫
13年目のライバル
内容:
照明機器メーカーで働く夏目桂は自社ブランドの企画製造を任されている。その製品の行き詰まりで、今後の展開を思案していた夏目だったが、会社から彼の元に送り込まれてきた助っ人は阿久津史郎だった。大学時代の親友。しかし、阿久津に強引に抱かれてしまったことのある夏目は過剰反応をしてしまうし、そんな自分が許せない。
阿久津もそんな夏目のサポートに徹してくれるのだが、けっこう強引。仕事のできる阿久津が他にビッグプロジェクトを抱えていることを知った夏目は、阿久津の本心を知り・・・

感想:
普通のリーマンものBL作品かな。お仕事で紆余曲折し、互いに意識しながら働いて、気持ちが通じて、最後はハッピーエンド。

阿久津という攻め男のほうが魅力的だった。自分の抱えてる問題をさておいて好きな男の仕事に肩入れする、でも、自分の仕事もきちんとこなす。こういうのは大好きだ。
受け男、夏目も悪くない。照明機器への情熱とか、新企画を立ち上げる工程など興味深かった。
2人以外にも、仕事上のキーマンとなる唐仁原が脇キャラながら存在感があり、好感。

ただ、冒頭にも書いた通り「普通の」作品の域を脱せないのは、すでにBL社会ではありふれた物語だからだろうと思う。リーマンもの大好きな私だけど、新鮮味に欠けるので、読みたかった、と思わせる要素はそれほどなく、こんなものだろう、という域で終結。
次回を読みたいか、と聞かれれば「YEBISU」がいいなと思ってしまう。
だからと言って最悪作品でもない。読めばその世界観に浸れる。
リーマンもの好きな人、一読あれ、といった感じでしょうか。

相変わらず、岩本さん、「なおさら」の使い方がヘンだと思う。

評価:C
エッチ度  ☆☆★★★
感動度   ☆☆★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★





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