大学、授業風景

norsk


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ノルウェーでの学生生活は、私個人に関して比較的のんびりしたものでした。当初、ゲストスチューデントとして一年だけの滞在の予定だったので、とりあえず最初の一年でノルウェー語のベルゲンテスト*に合格するのが目標でした。

ベルゲンテストというのは、ノルウェー語の3段階ある試験のレベル3に相当する試験で、これで合格点を取ると、大学で勉強するに十分なノルウェー語の知識があると認められ、普通の学生として(ノルウェー学生と同等)大学に応募できます。またノルウェーで仕事を探すときにも、これがあると役に立つと聞きました。

いったいベルゲンテストに受かったところで、日本で何の役に立つというのだろう・・・という悩みはありましたが、せっかく来たノルウェー、せめて語学だけでも形に残る結果を出しておきたい、ということで、ぼちぼち勉強を始めたわけです。

◆ノルウェー語レベル2クラス◆

まったくノルウェー語を勉強したことのない留学生は、自動的にレベル1のクラスに入れられ、それ以外の学生は、まずクラス分け試験を受けてから、試験結果で、それぞれのレベルのクラスに入ります。

ただ留学生の数だけのクラスが用意されておらず、受けたくても授業を受けられない留学生も沢山いました。

このクラスはクラスの4分の3はドイツ人学生でした。ドイツ語はノルウェー語ととても近いので、何週間かしたら、みんなスラスラとノルウェー語を話し出したのには、不公平を感じましたね(泣)そりゃ、あなたたちには、東京の人が大阪弁をマスターするくらいの難しさでしょうよ・・・と。まあそんなことを言っていても仕方がないので、私はこつこつと地道に頑張っていました。

しかも先生は、私が頑張って何か発言するごとに、「君のはスウェーデン語だ。ここはノルウェー語の授業なのだから、ノルウェー語を話さなければ駄目だ」と何度もダメだしされました。ノルウェー語とスウェーデン語は言語学的にはほぼ同じ言語で、政治的に分かれてはいますが、方言程度の違いしかないのに。両国民どうし自国語で話してたいてい通じるのにです。

私はスウェーデン語が最初のスカンジナビアの言葉だったので、どうしてもそのくせが抜けず、微妙な母音の違いとか、ノルウェー語でも使わないことはないが、どちらかというとスウェーデン語での方が良く使う単語とかを口にするたびにブツブツ言われて、「要は通じればいいじゃんか!」と思いながら、次第に発言の数は減っていきましたね。

試験は口述と筆記。口述はさすがに緊張しましたが、なんとかギリギリで合格点をもらい、次のレベルに進めることになりました。

◆ノルウェー語レベル3クラス◆
ラッキーなことに、2学期続けてノルウェー語のクラスに籍を置くことができ、レベル3も無事取れるようになりました。

レベル2のクラスでは、少しは英語での説明があったのですが、レベル3になると、授業中は全てノルウェー語。今回は中国、ロシア、ドイツ、イギリス、インド、モロッコなどいい感じに混じったクラスメートたちでした。最初は、みんあ休み時間までノルウェー語をつかって会話していたりして、ああーこんなんじゃダメだ、ついていけない・・・と落ち込みそうになりましたが、頑張ってついていってみました。

ほとんど発言できず、私はいつも後ろのほうで、指されないように、指されないようにと小さくなっていました。毎日、一人ずつプレゼンテーションをしなければならず、私はここでいいとこ見せなければ、と丹念に準備して(でもほとんどノルウェー人に手伝ってもらったのですが)、日本と沖縄の民族衣装、沖縄のエイサーについてなど、を写真を交えて話したら、先生にほめてもらい、とっても嬉しかったです。

で試験も無事にすぎ、無事合格。

◆その他の授業◆

そのほかに取った授業は、

スカンジナビア社会学(英語)、これは先生が全く面白くなく、受講学生が初回の3分の1以下に減りました。

ノルウェー語固有名詞研究:6人くらいの小規模クラスで、ノルウェー語の地名と人名のルーツを研究していく授業。試験は受けませんでしたが、面白かったので、全て聴講しました。

第二外国語としてのノルウェー語:ノルウェー人が、外国人にノルウェー語を教えるために学ぶノルウェー語教授法のクラス。授業は興味深かったのですが、ノルウェー語を学んで一年足らずの私には背伸びしすぎなレベルでした。試験は落第。

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2年目、なんかこのまま日本に帰ってもパッとしないしな、もう一年いてみるかということで、もう4月半ばの応募期限もだいぶ過ぎた7月、大学の空きがあるとろに応募できるシステムを利用して、応募したら、すぐ合格というか、受理されて、2年目は普通の学生としてまた大学に残ることにしました。

なんか受験をくぐりぬけてきた身としては、ずっこけるほど簡単に大学に入れました。まあ、日本で大学を出ていること、ベルゲンテストに受かっていること、TOEFLの点数が十分に足りていたことなどから、大丈夫だろうとは思っていたのですが・・・・

あとノルウェーの大学は日本の大学と違って学費を納めなくてもいいので、(学会費のようなもの,学期6000円位納めるのみ。それを収めていれば学生としての特典、医療費を負担してもらったりなど、がついてくる)
経済的な負担は、アメリカなどの大学にいくよりはだいぶ軽く済むのが素晴らしいところだと思います。




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