2012.01.06
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明けましてありがとうございます。

今年は、年始挨拶に何と言っていいか分からず、
口の中でモゴモゴつぶやいて、済ましてしまいました。

でも、めでたいか否かはともかく、
やっぱり、年が改まるって、ありがたいですね。

公私ともに色々あった昨年のことを、
取り合えず「昨年」とゆー棚に置いて、ちょっとホッとできる。

済まんなあ~とゆー気持ちも含めて、"ありがとう"でございます。



で、今年第1回は、去年面白かったコンテンツを棚卸しする
「極私的ベストテン2011年下半期編」です。


    ■ 映画「アリス・クリードの失踪」(2009年/英国)

「日本映画の父」といわれた故マキノ省三監督曰く、
映画の基本は、1.スジ(脚本) 2.ヌケ(映像) 3.ドウサ(演技)の順なんだとか。

それでゆーと、1.スジ(脚本)がお見事だったのが、誘拐事件をテーマとした、この映画。
登場人物が3人とゆー小品なれど、ストーリーが二転三転して、まったく先が読めません。

脚本は、これが長編監督デビューとなるらしい新人J・ブレイクソン(34歳)。
同郷の巨匠アルフレッド・ヒッチコックを継ぐ人といったら、大袈裟か。



    ■ 「SOMEWHERE」(2010年/米国)

2.キレ(映像)のよさでは、大好きなソフィア・コッポラ(40歳)が撮った、この3作目。

映画が始まると、荒涼とした砂漠の中のサーキットの遠景が映し出され、
エンジン音を響かせてフェラーリがぐるぐると廻り続ける。
(この間、カメラは一度も動かず固定されたまま)

何も起きず観客がイライラしだした頃、車が静かに止まり・・・タイトルバック。

うわぁ、アートっぽいなあ~と思ってると、
次のシーンでは、半裸のセクシー美女二人がポール・ダンスしてる。

芸術と通俗的世界を行きつ戻りつして、大いに楽しませてくれます。



    ■ 映画「奇跡」(2011年/日本)

3.ドウサ(演技)部門で、真っ先に思い浮かぶのが、是枝裕和(49歳)の最新作。

「誰も知らない」(2004年)と同様、子供が主人公の映画ですが、
漫才コンビ「まえだまえだ」の兄弟二人がメチャメチャいいのです。

カットごとに、子役の反応をみてセリフを決める是枝流の演出と相まって、
子供がホントに子供らしいとゆー、"夏休み緑陰映画"です。

これが極私的2011年日本映画ベストワンなんですが、
ヨコハマ映画祭ではベストテンにすら入っておらず、ちょっと口惜しい(笑)。



    ■ 映画「大鹿村騒動記」(2011年/日本)

で、栄えあるヨコハマ映画祭第1位が、この映画。

これが遺作となった原田芳雄、大楠道代、石橋蓮司とゆー70年代を飾ったスター達、
そして、間男役の岸部一徳を加えて、ご高齢出演者のドウサ(演技)が光ります。

原田芳雄が亡くなった3日後に見たんですが、
劇中で行われる村の歌舞伎を、みんな楽しそうに演じていて、
大いに笑い泣きさせられました。



    ■ 写真展「東京ポートレイト」(鬼海弘雄)

名優アレック・ギネスのアカデミー名誉賞でのスピーチ。
「笑え、立て、何をしろとざんざん言われて何十年やって参りました。
でもあげくの果てに、何もやらないことが芝居だという風に思い到りました」

ドウサをキャラクターと読み替えると、映画ではなくこの 写真展 が印象的でした。

浅草寺の壁をバックにして、通りかかった人を撮った一種の肖像写真ですが、
その写された人々の圧倒的な存在感に、ただただ凄いの一言でした。



まだ半分ですが、長くなったので、残りは次回とします。

今年は、もう少し肩の力が抜けて、面白いモノが書けるといいんですが・・・

今年もお付き合いの程、よろしくお願いします。








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Last updated  2012.01.07 00:14:49
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