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2008年04月20日
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カテゴリ:
いつの頃からか走行中にインパネの奥からキュルキュル
音がするようになってきて「エアコンファンのベアリン
グが逝ってしまって」いました。これは古いクルマの
定番トラブルですね。これを、業界では「鈴虫が鳴いて
いる」と表現するそうです。

このトラブル、クルマ業界からみれば「ああ、エアコンの
ブロアファンの交換だね」で、直すか直さないか(すなわち、
ブロアファンを交換するか?)という話で一件落着です。

一方、機械屋さんに言わせれば「そんなのトラブル源の

ないか」ということになります。

結局、クルマ業界はそういうところ、機械業界はそういう
ところ、両方とも人間がやっていることです。

こちらもクルマ修理暦が17年くらいになりますので、大
体キュルキュル音を聞けば、どの程度ベアリングが痛んで
いるか当たりがつきます。一応いろいろ調べたら、部品と
してはブロアファンを交換することになり、パーツだけで
定価¥61,600もしますし、この部品はワイパーユニットの
下にあるので、諸々の脱着工賃を入れたら10~15万円くらい
かかることになりそうです。

さて、今回の鈴虫くんはどうかといえば、音を聞く限りボー

軋む音がしているという具合。ならばグリスアップすれば
元通りという訳で、自分で直すことにしました。

メルセデス のブロアファンはワイパーの下にあるので、まず
ワイパーを外さないといけません。

しかし、最初のワイパーアームを外すだけでひと苦労。アー

です。もともとクリアランスが最小のドイツ設計に加えて、
長年の経年変化でほとんど固着しているくらい固く(実際
には土台側はスチールでアーム側はアルミなので、固着は
していない)、アームを外すだけで20分くらいかかりま
した。

アームを外したら今度はユニット本体を外しますが、これは
二重のバルクヘッド間にあるプラパーツを外さないといけ
ないので、バルクヘッドをバラします。見える部品は片っ
端から外す感じです。

メルセデス・ベンツ、エアコン修理

ワイパーというのは、当然フロントガラスの下端について
いるのでバラすのはスカットル部分ですが、スカットルな
んて埃と泥で真っ黒。手もあっという間に真っ黒で写真
なんて撮っている場合ではなく、多くのクルマ修理のレポー
トで完成写真が多くて肝心のバラす写真が少ないのは、バラ
している最中は手が汚れているからです。つまり、それを
知りたかったら自分でやれというわけです。もちろんこれも
人間がやっていることです(笑)。

手を汚し切り傷をあちこちに作りながら、パーツを、バルク
ヘッドをバラした後に、ようやくブロアファンを取り外す
ことができました。

メルセデス・ベンツ、エアコンブロアファン

取り外したブロアファンは、ファンもモーターも埃で真っ
黒です。これではベアリングに埃が入って調子が悪くなる
のも当然です。ちなみにメルセデスのエアコンは BEHR 製。
ラジエターコアと同じメーカですが、エアコンの原理を
ご存知の方には当然ですね。一説によると BMW も同じだそう
です。

今回はブロアファンのベアリングにグリスアップをする
のが目的ですが、こんなに汚いとグリスアップだけをして
とてもそのまま組むなんてことはできないので、掃除を
しながら直しました。

メルセデス・ベンツ、エアコンブロアファンメルセデス・ベンツ、エアコンブロアファン
▲ブロアファン掃除のいわゆる使用前、使用後(ファン奥の
モータにも注意)

掃除が終ったら、ベアリング部にグリスアップをして組み
付けです。しかし、組み付けの前に外したパーツやらバル
クヘッドやらが真っ黒なので、全部クイックブライトで
掃除です。

メルセデス・ベンツ、ブロアファンユニット内部
▲ブロアファンユニット内部。この中心に先ほどのブロア
ユニットが収まる。

メルセデス・ベンツ、Aピラー下部メルセデス・ベンツ、Aピラー下部
▲Aピラー下部スカットル掃除の使用前と使用後。埃と
泥で真っ黒。普通クルマはみんな「こんなもの」です。

とくに掃除が大変だったのは、一頭最初に取り外したワイ
パーユニットで、アルミ鋳物の土台にスチールパイプ製の
アームを三重に重ねた、5Kgはあろうかという怪物みた
いな部品です。こんな質量の大きいワイパーを動かすの
では消費する電力もばかになりません。

ユニット自体は BOSCH 製ですが、パノラマワイパーの仕様を
決定したのはメルセデス社でしょう。この部品、レース屋
ならば「とっとと外せ」というでしょうし、電気屋ならば
「電気がもったいない」というのが正しい視点だろうと
思います。

それでも現にここにあるのは、メルセデスが決めたからに
他ならず「最善か無か」の真実の一端です。「これも人間が
やっていること」ですね。

こういうときに自分にとって大切なのは、こういった「あれや
これや」がどうであれ、自分がそれを知りながら対象との距
離を決定しておくということであり、それこそが十二分に
事象を選択をしていることであると理解することですね。

資本主義の浸透に伴い、お金があれば取引の際に交換する
対象を理解せずとも好き嫌いで選択する自由が手に入り
ますが、しかしながら、その理解を知らずのうちに選択
させられている時間を蓄積することになることに気づく
ことが、人生から脱線しない秘訣ではないかと思います。

メルセデス・ベンツ、エアコン修理
▲無事組み付けが終って元に戻りました。

感謝!





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Last updated  2008年04月22日 19時58分40秒
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