配達ニンの別館

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配達ニンの書斎



6月1日
今日から、6月だ。6月は、両親の結婚記念の月。前代未聞のオモシロ夫婦が誕生したのが、今月だ。結婚記念日をテーマにしたショートものを作ろうか。

夫婦が、結婚記念日に語るところから始まる。あくまで、静かに語る。とつとつと語る。そして、それまで言えなかった事を語りだす。最後に妻が「ありがとう、私と結婚してくれて。そして…お疲れ様。後から行きます、待っていてね」と言うと、夫は優しく微笑み、ふっと消える。夫は、鬼籍の人だった。残された妻は、夫の去った後を、いつまでも見つめていた。

6月2日
結婚記念日が命日になるってのも、ひどい話と言えばそうだが~人の生き死に予定はない。ある日生まれて、ある日逝く。
…さて、この話の中で、夫婦にどんな話をさせようか。夫婦の会話は、子供にはわからん内容が多いね。子供から見れば、親は親。血のつながりってもんがあるが、夫婦は他人。よく、夫は肉の味、子は血の味という言葉を聞く。(カニバリズムの話ではないっっ)だが、心が繋がった夫婦にしかわからない会話を作りたい。

会話は、夫婦二人だけ。したがいまして、役者は一人芝居か二人芝居。スポットを、役者のみに当てておいて、最後に夫が消えるときはスポットはオフになる…って事しか決めていないのだが。

ラストシーンは、記念日に…と夫が生前に用意した指輪を妻がはめて、しばらく指輪を見つめている。それから、バッグからコップ二つとお酒を取り出し、コップについで妻が夫のいた位置に置く。夫が退場しない場合…どないすべ…よし、夫の前に置くか。それから、一言「乾杯」と言って、くいっと飲んでから終幕ってことにしよう。

…さて、中身はこれから作りましょう。だはあ、浮かんだことを書いておかないと忘れてしまう~鳥頭がニクイなり~。


6月4日
どんな夫婦にしたいのだろう。妻は女優、夫は教師。なんとも、面白い夫婦にしたい。場所の設定は、とある田舎にある隠れ里伝説のある村。そこに流れる川のほとりで語り合う夫婦を描きたい。モデルは、大好きな天川村。日本で最初の神道が生まれ、能が誕生し、様々な人達が願いを胸に訪れる聖地。かの稀代の女帝、持統天皇が行幸した日本の神仙境だ。ここで出会った一組の夫婦が、結婚記念日に訪れ、最後のお別れをする…というもの。最後まで、離婚と思わせて最後のどんでん返しを入れようと思う。


11月25日
うーん、ずいぶん日がとんだものだ。今、頭の中には「桜の精霊と人間の恋物語」「大津皇子と姉とのやりとり」をどうやって話しにするか…である。「桜~」に関しては、ラストシーンは桜の花がひとひら、一本の絹糸のように静かに舞い降りるシーンである。これは、奈良県明日香村で見たシーンなのだが、大きな桜の木から花びらがひとひらだけ舞い降りる…北国では見れないシーンだった。古都で、桜に囲まれた一日を送れただけでも幸せなのに、そんな素敵なところを見れるとは…生きていて良かった。…これしか頭にないのよっっ。さて、どうやって作りましょうか。嗚呼…憎いのは我が鳥頭~。文章っっ振ってこい~。

12月1日
今日から12月。さてさて、またもや出てきたのは「ひめゆり実録集」を自分の手で作ること。そして…「女の一生」…といっても、文学座のものではなく、歴史を作り上げてきた「女」の物語。イザナミノミコトから始まり、天照大神、持統天皇、淀の方、日野富子…たくさんいますぞ。書いて書いて書きまくる。
うふふ…女の情念を描けるようになったら一人前とかで。
ひめゆり実録集に関しては、これから何回か沖縄に行って現地で語り部達から聞いて、「私の言葉」で作りたいなり。名前しか残っていない…という事実を目の当たりにして、どうしてもこの人たちが生きていた時間を再生したいっ今を生きる私が書くっと思った。


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