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2019.07.27
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カテゴリ: 時事


佐々木朗希登板回避で監督を批判するのは「弱い者いじめ」だ - 記事詳細|Infoseekニュース
ネットは怒りを増幅させる装置として決定的な役割を担うことがままある。ニュースについたコメント欄や当該人物のSNSが批難の嵐になることはもはや珍しくない。かといって怒ってばかりいるのはどうか。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。***ダメなおっさんの特徴であり得意技なのが、自分より立場が弱い相手や反…



佐々木朗希登板回避で監督を批判するのは「弱い者いじめ」だ
NEWSポストセブン / 2019年7月27日 7時0分

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花巻東に敗れ、涙をこらえる大船渡の佐々木朗希投手(左から2人目=時事通信フォト)

 ネットは怒りを増幅させる装置として決定的な役割を担うことがままある。ニュースについたコメント欄や当該人物のSNSが批難の嵐になることはもはや珍しくない。かといって怒ってばかりいるのはどうか。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 ダメなおっさんの特徴であり得意技なのが、自分より立場が弱い相手や反撃できないことがわかっている相手に対して、無駄に威張ったり攻撃したりすることです。下請けや出入り業者にふんぞり返った態度しか取れないおっさんしかり、電車が遅れたことで駅員を怒鳴りつけているおっさんしかり。ああ、なんて恥ずかしいのでしょう。

 雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮が記者会見を開いたのは、7月20日のことでした。22日には吉本興業の岡本昭彦社長も会見を実施。どちらもそれぞれにインパクト抜群だったし、同社に所属する大物芸人たちも次々に意見を表明します。そんなこんなで、世間の関心やら非難やらが一気に吉本興業に集まりました。

 あれからだいたい一週間、世間はそろそろ吉本の話題に飽き始めています。多少の改革はあるかもしれませんけど、本質的にはきっと何も変わらないでしょう。ネットに渦巻いていた膨大な怒りの声は、単なるエネルギーの無駄遣いだったことになります。したり顔の論評も、世の中を変える力になったわけではありません。



 ヒマとエネルギーとルサンチマンを持て余しているダメなおっさんたち(年齢や性別を問わず)にとって、25日以降かっこうのネタになっているのが、岩手県大会決勝での「大船渡・佐々木朗希投手登板回避問題」。163キロの剛速球を投げる絶対的エースが、花巻東との決勝戦に登板せず、大船渡は大差で敗れて甲子園出場を逃します。試合後、国保陽平監督は、佐々木を登板させなかった理由を「故障を防ぐため」と説明しました。

 この判断に対して、野球関係者などが賛否両論さまざまな意見を示しています。ネット上でも、監督に対する非難の声や、監督を非難する人に対する非難の声などが錯綜。たくさんの怒りのエネルギーが浪費されています。この暑いのにお疲れさまです。

佐々木朗希登板回避で監督を批判するのは「弱い者いじめ」だ
NEWSポストセブン / 2019年7月27日 7時0分


 高校野球という“特殊な世界”の出来事だから大きな話題になっていますが、そもそもは高校生の部活動であり、縁もゆかりもない外野の野次馬が大騒ぎするようなことではありません。「総合的に考えて監督がそう判断した」というだけの話です。判断に至るまでには、表に出ている話も出ていない話もあるでしょう。

 登板と登板回避のどっちが正解だったかは、誰にも決められません。選手たちには今回の出来事を今後の人生の糧にすることで、現実に起きたことを正解にしてもらいたいところ。ニュースを目にした外野としては、それを静かに祈るのが精いっぱいの関わり方ではないでしょうか。目を吊り上げて監督を非難するのは大きなお世話だし、議論が盛り上がることは、すべての関係者にとっていい迷惑です。

 外野があれこれ言えば言うほど、佐々木投手もチームメイトも迷いや後悔がふくらむし、親御さんなど身近な人たちのあいだにも、国保監督に対するマイナスの感情が無駄に生まれてしまうかもしれません。批判は覚悟の上とはいえ、つらい決断をした国保監督がますます苦しむことになるのは言わずもがな。

 しかし、世間様という傲慢で無責任な存在は、ああだこうだ言わずにはいられません。ネットに非難の声を書き込んでいる人も、したり顔で論評している人も、まあ似たり寄ったり。反撃してこないことがわかっている相手を攻撃し、あるいはそういう相手をダシに威張っている行為と言えるでしょう。結局は“弱い者いじめ”です。

 こんなふうに言っても、手前味噌な正義の剣を振り回すのが大好きなダメなおっさんたち(年齢や性別を……以下同)は、都合のいい理屈で自分を正当化しつつ、これからも“弱い者いじめ”をやめようとはしないでしょう。今は「登板回避問題」に対して熱くなっていても、3日もすればすっかり忘れて、また別の攻撃対象を見つけるはずです。怒り続けていないと呼吸困難になるのかもしれません。

 多少の冷静さと良識をお持ちのみなさまにおかれましては、その時々の話題のターゲットを攻撃してドヤ顔をしている人や、行間からドヤ顔が浮かんでくるような書き込みをしている人を見かけたら、反面教師にさせてもらって「ああ、こうはなるまい」と呟きましょう。せっせと“弱い者いじめ”をせずにいられない事情を勝手に想像して、憐憫の情を向けてみるのも一興です。

 ついでにと言っては何ですが、こうやって“弱い者いじめ”をしている残念な人を批判しているこの原稿も、一種の“弱い者いじめ”に他なりません。よかったら、反面教師にしたり憐憫の情を向けたりしてください。何らかの形でお役に立てたとしたら光栄です。






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最終更新日  2019.07.27 14:19:46
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