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シリアルというのは、穀物を粒のまま(粉に碾かずに)食べやすくしたものの総称ですが、日本ではコーンフレークが代表格でしょうか。欧米では朝食などに食物繊維を摂るための一品として、オーツ麦を粒のまま使ったミューズリーがよく食べられているようです。日本でもスーパーなどで手に入りますが、たいてい、干しぶどうや干しあんずなどのドライフルーツ、かぼちゃやひまわりなどの種、ヘーゼルナッツやココナツなどのナッツ類が混ぜてあるようです。コーンフレークや、それに砂糖掛けしたようなもの、またパフ類は、牛乳に長くひたしておくとウニャウニャになり、歯ごたえがなくなってしまいます。その点ミューズリーは、牛乳程度では柔らかくならず、繊維分をかみしめている感じはしますが、コツコツした食感だと思う人もあるでしょう。そんな場合、牛乳を掛けたあとで、ヨーグルトを少量追加し、1分ほど置くと、全体が柔らかくなります。もっとも、ナッツ類はどうしたってカリカリしたままですが。パリやアイルランドに旅行したときにもミューズリーが出てきましたが、日本のバイキング形式の朝食でも、置いているところが多くなってきたのではないでしょうか。なお、最近はホットシリアルといって、温めた牛乳にひたしても柔らかくなりすぎないよう、キャラメル掛けするなどしたシリアルも売っています。比較的低カロリーで満腹感が得られて、なおかつ繊維も多く摂れるのでおやつ代わりにいいかもしれません。夜食にも向いているかもしれませんね。
2007年02月28日
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でんぶはご存じだろうと思いますが、身近なところでは、太巻きずしや伊達巻きに入っているピンク色のほろほろした甘いもの、あれは桜でんぶです。漢字で「田麸」と書きますが、何が「田の麸」なんでしょうか。正体は魚の身ですよ。白身魚の身をほぐして鍋で炒り、甘く味付けをしたものです。そのままだと白い(薄黄色い)のを、色紅でピンク色に染めれば「桜でんぶ」と呼ばれます。この伝でいけば、なに色のでんぶでも、作れてしまうかもしれませんが。巻きずしに入っているだけでなく、佃煮屋にはでんぶそのものが量り売りで売っていたりもします。小さいころはよく家にありました。おかずが足りないときに、ごはんに乗せて食べていたのでしょうが、わたしは嫌いでした。祖父などは、茶碗によそったごはんに砂糖入りのきなこを掛けて(おはぎ?)食べたようですが、わたしは甘すぎるおかずは口に合いませんでした。金時豆の甘煮などもそうですが、この「でんぶ」も、おかずには甘すぎるように思いました。どうせ魚の身をほぐして炒るのなら、甘みをほとんどつけずに、醤油味で仕上げたらいいと思います。もっとも、ネコめしなどと言われる、粉がつおに醤油をまぶしてごはんに乗せたものもありますが、これとの差異を出す必要はありますが(^_^;)。個人的には魚の身そのものがごちそうだと思うので、味付けは最低限でいいかなと思います。甘いものに飢えていた昔の人たちが、なんとか甘い食材を作ろうとして工夫した結果が、でんぶなのかもしれないのですが。
2007年02月23日
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去年の旧正月は1月29日でした。それに引っかけて「大根餅」を書いたのですが、いろいろ調べているうちに「これは厄介だぞ」と思い、結局詳しいレシピは書かずじまいでした。どこかでうるう月が挟まったのか、今年の旧正月は2月18日と遅く、名実ともに春になったかのような気候です。で、先日ふと思い浮かんだ、はなだんな流大根餅を試してみたくなり、旧正月のこの時期にやってみました。さらに工夫が必要かもしれませんが、とりあえずご紹介します。フライパンで焼く「大根おろし入りお好み焼き風」という想定にしました。大根は3~5cm厚さの輪切りを、おろしておきます。小麦粉を大さじ3~4杯ボウルに取り、大根おろしの汁ごと加えて練ります。緩ければ、さらに小麦粉を足し、お好み焼きよりやや固い感じにします。水は加えません。ここに、ねぎや青菜の刻んだのや干しえびなどを混ぜ、塩少々を振ってタネを作ります。フライパンを煙が出るまで熱し、ごま油を多めに(大さじ1杯より多く)入れ、タネを四角くor丸く流して、弱い中火にし、ふたをして焼きます。焦げたにおいがしてきたら裏返し、同様に焼きます。中まで火が通れば、できあがりです。切り分けて、ぽん酢などでどうぞ。なお、大根にもよりますが、汁全部を加えないほうが、焼いたときにサクサク感が出るかもしれません。固めのタネにして分厚く焼くのがコツです。小麦粉で作るのは亜流かもしれないのですが、何しろたいした準備も要らず、30分もかからずにできますので、どうぞお試しを。
2007年02月21日
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2枚におろした大きなかれいの身が売っていたので、買ってきました。あぶらがれいの名のごとく、皮をはいだ身がてらてらしています。1mほどにもなる北洋の魚だそうです。煮付けにしようと思いましたが、煮ると身が崩れやすいのではないかと思い、フライパンで静かに煮付けることにしました。片身2枚をそれぞれ、フライ返し程度の大きさに切り、フライパンで煮汁を沸かして、沸騰したところへ1~2切れずつ、フライ返しに乗せた身をそっと入れます。魚の煮付けは、醤油:酒:みりん:水が1:1:1:5とか、1:1:1:7とか言われますが、水分が蒸発しやすいフライパンであることと、脂分の多い身であることを考え、醤油:酒:水を1:1:8にし、砂糖を加えて沸かし、魚を入れてから、熱い煮汁を常に魚に掛けつつ、3分程度で煮ました。煮上がると、いったん火を止め、フライ返しにそっと乗せて皿に移しますが、背側と腹側に分離してしまうのは仕方がないでしょう。煮汁を少し掛けて出します。今回は、5cmほどに切ったごぼうを6つ割りにし、水にさらしてあく抜きしたものを用意して、これを煮汁の材料を合わせたものに入れて煮いてから、魚を煮ました。もし魚を何回かに分けて煮るうちに、煮汁が濃くなってきたら、お湯を適当に足して調整しましょう。そういえば、買ってきたあぶらがれいの身には「えんがわ」がありませんでした。どうやらこれらはベルトコンベアーに乗って、すし屋で回っているようなことが、ネットには書いてありますね。
2007年02月18日
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漢字では回鍋肉(huiguo rou)。日本では普通、豚肉とキャベツの味噌炒めを指します。豚、キャベツ、味噌、それぞれどんな種類を使うかで、全く違った味わいになりますが、折しも新キャベツが出回るころ、キャベツをあっさり炒めて、野菜のうまみを味わいましょう。ついでながら、味噌は合わせ味噌よりも、赤だし味噌がいいと思いますが、なければさしみ醤油を仕上げに加えて、こくを出しましょう。ほかに野菜を加える場合も、彩り程度でいいでしょう。材料:豚肉薄切り、キャベツ。ピーマンやにんじんがあれば少々。味噌(あれ ば赤だし味噌)、砂糖、酒、サラダ油(またはごま油)。山椒粉あれば。手順:1)薄切り豚は適当な大きさに切る。キャベツは1枚ずつ外して色紙に 切る。ピーマンは種を取って適当に切る。にんじんは薄切りに。2)鍋を よく熱して油を多めに入れ、ピーマンとにんじんを強火で炒め、少しして 豚肉も加える。3)強火のまま、味噌、砂糖、酒で濃いめに調味しながら よく炒める。4)切ったキャベツを一気に加えて炒め、火が通りかけたぐ らいで、ごま油少々と、お好みで山椒を振り、火を止めて、できあがり。中華料理では、味噌は油でよく炒めて風味を出すものだそうです。合わせ味噌の場合は、3)の段階でさしみ醤油も少し加えて、よく炒めてください。もちろん、中華の甜麺醤(てんめんじゃん)などがあればいいのですが、上に書いたのは家庭料理のレシピです(^_^;)。なお、今の季節は、新キャベツを使うといっても、外葉と内側の葉とでは、味も歯ざわりも違います。まぜて使ってもかまいませんが、多少青くさいと感じる外葉のほうが、独特の風味が出ます。ま、外葉だけでは量も少ないし、もちろんお好みで構わないとは思いますが。
2007年02月17日
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姫皮というのは、たけのこの穂先の柔らかい皮です。穂先は、どこからが本体か、どこからが皮か、という部分を経て、こげ茶色のけばけばした皮が付いていますが、この皮と本体の境目あたりの柔らかい部分が姫皮です。ごつい皮はそのまま捨ててしまってもいいのですが、この穂先の姫皮は、柔らかくてクセが少ないだけに、繊細な料理に使えます。白味噌であえるというのも一案ですが、いちばんオーソドックスなのは、わかめと一緒にしたすまし汁でしょう。たけのことわかめのすまし汁を若竹汁といいます。汁自体は、かつおだしに酒としょうゆを少し加えたもので、たけのこから風味が、わかめからうまみが出ます。春に出始める2つの食材の「出合い料理」と言われます。このたけのこを姫皮に代えたものですが、こちらのほうがずっと粋でしょう。姫皮はどうして入手するか。皮ごと茹でたたけのこなら、皮をはがすときに、食べられそうな柔らかい部分を切っておきます。ほかには……どうすればいいのでしょう?ともかく、手に入れば、ぜひ普通の若竹汁とは違う味わいをお試しください。姫皮は切って汁に放っても、重なったりくるくる巻いたりしていますが、アクやエグみも少ないので、あまり小さく切らないでください。なんてことない、薄味のお吸い物になります。吸い口(薬味)を添えるなら、木ノ芽か三ツ葉がいいのではないでしょうか。山椒もまた、たけのことは出合いの食材ですし。
2007年02月12日
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甲州名物・味噌煮込みうどんです。いや、うどんと言ってはいけないのかな?ほうとうだから。でも、どちらも小麦粉の麺だし、うどんも地方によってピンからキリまであって、どれが「本来のうどん」か判りませんから、ほうとうもうどんの一種と言って差し支えないように思います。ちなみに、うどんは饂飩、ほうとうは、わたしのパソコンでは文字が出せませんが、「食へんに溥のつくり」「食へんに託のつくり」と書きます。どちらもいかにも中国伝来ですね。甲州のほうとうは、具にかぼちゃを入れて煮込むのが特徴です。先日わが家で作ったのは、豚などを使った味噌味の寄せ鍋の残りに、翌日、煮込み用うどんと、かぼちゃを皮を残して細い拍子木に切ったものを入れたものです。味噌は合わせ味噌と赤だしを使っていて、だいぶ煮汁も減っていたのですが、水を加えて薄め、うどんを煮ました。煮えたらうどんをまず各自によそい、野菜などの残ったとろみの付いた汁に卵2個を落として散らし、煮汁ごと掛けました。肉気は豚でも鶏でもいいでしょうし、野菜もかぼちゃ以外はにんじん、大根、里芋、はくさい、ねぎ、きのこ類など、お好みでいいでしょう。きつねうどんじゃありませんが、薄揚げの細切りを入れると味わいが出ます。もちろん、葛きりや春雨、糸ごんにゃくなどが入っていてもいいし、崩れた豆腐とかツミレのかけらなどもOK……となると、やはり鍋物の残りで作るのに適していると言えそうです。そうそう、七味を振っていただくと、とても体が温まります。
2007年02月11日
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蒸したさつまいもを切って乾燥させたものです。旬があるのかどうか知りませんが、秋から冬にかけて出回るような印象があります。ともかく、暑い季節に食べるものではないですね。わたしが小さい頃は、拍子木に切ってよく乾燥させ、一面に白い粉が吹いたものが多く売られていました。「いもの華」という商品名だったと思います。ぼそっとした食感で、噛んでいるうちに、じんわりと甘みが口の中に広がりました。何よりも、無添加な甘みなのがいいですね。昨今は、平たくした形状のものをよく見かけます。乾燥度合いも、いくぶん水分を残した、しっとりした仕上げになっていることが多いようです。好みにもよりますし、わたしもしっとりしたのはそれなりに美味しいと思うのですが、郷愁というのでしょうか、やはり「干し芋は拍子木」という刷り込みが抜けません(^_^;)。干したそのままでも食べられますが、軽くあぶって食べることもあり、その場合には平たいほうが焼きやすい、ということもあるのでしょう。ただしわたしは、焼かないものが好きです。焼くとなんだか「芋に戻る」ような気がして、せっかくの干し芋がもったいないのです(^o^;)。それに、平たいのを電子レンジで加熱しようものなら、ぱりんぱりんの飴みたいになってしまいます(下手をすると焦げます)。工夫次第で何かほかの料理に使えなくもないのでしょうが、干し芋ばかりはこのままいただくことにします。やや固いのを噛みちぎるところから始まって、まったく素朴なおやつだと言えるでしょう。
2007年02月10日
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寒い日などにとろりとした葛湯をいただくと、心まで温まる気分になります。くず粉に砂糖をまぜ、しゅんしゅんいっている熱湯を注いでかきまぜ、とろみを付けたものですが、とろみの濃いほうが美味しいでしょう。くずから採ったでんぷんである「くず粉」だけでなく、「かたくり粉」でも作れますが、かたくり粉も実際はじゃがいものでんぷんであることが多いので、葛湯とは名ばかりですね。砂糖入りでんぷんのりと言ってしまえば、身もふたもありませんが。家で調合して、熱湯を注げば簡単にできます。小さいころ、風邪とか、お腹をこわして食欲がないときとかに、「何か食べとかんと弱るで。これでもお腹に入れとき」と言って、よく食べさせられました。辞書には「病人食」と書いてあるものもあり、イメージが今ひとつですが、病人でなくとも甘い物がほしいときに楽しめばいいと思います。和菓子屋でも懐中しるこなどとともに、四角く押し固めてお湯を注がんばかりにした物も売っています。冬ならではですね。さらに抹茶やココア、コーヒー、ゆずの香りなどを付けたものもあり、単なる白砂糖の甘さだけではないバリエーションも楽しめます。なお、言わずもがなかもしれませんが、ポットのお湯などで作ったときに、温度が低く、白濁したままでとろみが付かないようなら、鍋にあけて加熱すれば大丈夫です。また、耐熱容器なら、電子レンジで加熱するという手もあります。ただし、この場合はときどき開けてみて、固まり具合を確かめながら、ということになりますが。
2007年02月04日
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個人的にあまり好きでないのでめったにしませんが(^_^;)、節分とか家族の誰かの誕生日とかいった行事のときに、メインの料理に添えられて出てきます。わが家のはどんなのかと言うと、大根を適当な長さでマッチ棒ぐらいの太さのせん切りにし、それを甘酢であえてあります。各自に出てくるときは、小皿に細長い2山にして盛り、そのままか、あるいは煎りごまが少し掛けてあります。和製大根サラダというか、はたまたピクルスというほうがぴったり来るか……。世間には紅白なますというのもあって、金時にんじんのせん切りも混ぜると、色合いが美しくなりますね。「なます」を辞書で引くと大根とは限定していないので、水菜や三ツ葉を混ぜると、さらに彩りが良くなりそうです。そのまま調子に乗って、茹でたしめじやえのきだけを加えると……これは「なます」?でもたぶん、ここに鯖のきずしやなまこが入ると、別の意味で「なます」になるんでしょうね。料理人としては、そういう工夫こそ、やってみたいですが。子供のころ、何か特別な日に、焼き魚や汁物は好きだったんですが、この大根なますだけはいつも最後に残り、嫌々食べていました。いま考えれば、焼き物や煮物などのほかに、あえ物としてなますがあるのは理解できるのですが、酢の物はやはり子供向きではないですね。うちの子たちに伝統を伝えていくなかで、ある程度覚え続けていて、所帯を持ったらやってみようかな、というふうに思ってもらえるようにするには、どうしたらいいかなあ、と思っていますが。
2007年02月02日
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