傘
雨の中を走っていました
祖母が傘を持ってきてくれているのが目に入っていたのに
いけないことをしていることは分かっていました
ましてそんな自分にも情けなくて雨と一緒に涙も流れてゆきました
なぜ私はこんなことをしているのだろう
母親に届けてもらいたかったから
無理を言ってはいけないことは分かっていました
でも、一度で良いから母親からもらいたかった
大事にされていると感じたかった
母親とは、やっぱり特別な存在です
ある雨の日、母親は仕事を抜け出して
傘を届けに来てくれました
おばあちゃんごめんなさい
お母さんごめんなさい
自分で分かっていたのに
けれど、後悔するから人なのだと思います
悲しみを知っているから嬉しさも分かるのです
様々な出来事を経て
ここに愛がしっかりと根付いています
生んでくれてありがとう、命をくれてありがとう
あの時の雨のにおい・・・妙になつかしく感じる私です
あなたは？あなたは、どんなひとですか？
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