あんよは上手 ♪

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05日本山岳耐久レース


日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」日記
go-ru

凄まじいと思った大会は富士登山競走以来でした。
しかし、富士登山競走とはまた違う凄まじさでした。
一般市民ランナーになって3年目でここに来たことは無謀だったかなと思う反面、
自分を誇りに感じました。
\( ̄^ ̄)/
スタートは昼の13時で、24時間以内に戻ってこないとリタイアです。

結果は42キロ時点、朝4時ちょい過ぎ、第二関門でリタイアしました。

予報通り当日は雨。
会場に着く前日からちょっとばかし、びびってしまった、今回ばかりは ヽ(TдT)ノ
ネットなどで前情報を仕入れていたので、
雨のこの大会はどれだけ辛いかを想像してしまったのだ。
でも、前日の夜、何故そもそもこの大会にエントリーしたのか。
何が起こるか分からない、冒険するのが好きでエントリーしたはずだったことを思い出し、気持ちを落ち着けることができた。

今回は利君と一緒です。
私の車で行ったのだが、車中でやはり利君も雨のこの大会にびびっていた (┳o┳)

駐車場は満車状態で、一番遠いキャンプ場の駐車場へ何とかとめることができた。
11時。
受付は12時なので、急いで荷物を抱え会場へ向かった。20分程は歩いただろうか。
会場に到着したら、びびっていたことなんかすっかり忘れ、
いつも通りはりきりモードになっていた。

会場入口で荷物をチェックされる。
食料、水、防寒具、夜間走行のためのヘッドランプなどを確認される。
とても愛想のいいおじさんで「無事帰ってきてね」と笑顔で励まされる。

受付を済まし、モニターに当選したフェニックスのブースへタイツを受け取りにいった。
「お~なかなかいいタイツではないか、かっちょいい」はき心地は結構良いです。
そこで手早く着替える。
荷物は体育館まで運び、その辺に適当に皆置いておきます。
スタート会場に向かい、私と利君は予定通り、完走の目安の20時間代の所に並びました。
スタート後、山中に入ると途端に大混雑することを知っていたので、
そのいざこざに巻き込まれるのを避けるため最後尾集団からゆっくり行こうと思い、
20時間の所に並びました。


二人の目標は二人一緒に完走すること。
そして、18時間から20時間で完走することです。
明朝7時にここへ帰ってくることでした。

午後1時、五日市中学校をスタート。すでに雨で校庭はどろどろです。
一般道に出て少しずつ山道へと進入します。
間もなくして、相方の利君の姿が見えません。後ろにいるのか、
先きに行ってしまったのか。
かなりゆっくり走っていたので、後ろにいるはずはないだろう。先きを急ぐか。
何人も追い抜き、利君はいないか確認しながら進むがいない。少し待ってよう。
しかし、来ない。後ろに見えない。もう少し先きに行ってみよう。
しばらくして水場があったのでそこで待つことにしました。なかなか来ない。
やはり行ってしまったのだろうか。そこで5分ほど待ったでしょうか。
デジカメでランナーを撮っていたら利君が後方から現われました。「ほっとした~」
利君も「一人で走らないといけないかと思いました」
見失わないよう打ち合わせをし、再スタート ε=ε=(┌  ̄_)┘
hajime

すぐ山に入ります。間もなく渋滞。一列にならないと通過できないため、大渋滞。
しかも足場が悪いので、なかなか進まない。
北丹沢12時間耐久レースの渋滞どころではないくらい長かった。
1時間は渋滞していたのではないでしょうか。
皆、静かに、進むのを待っているのに、この大会でもやはり、
後ろから強引に割り込んで追い越す人が目立ちました。
とにかくなかなか進まないので、体が冷えてきます。

前にいるランナーがリュックにストックを携帯していて、
歩きながらリュックを外した瞬間、そのストックの先きで俺のおでこを軽く突かれました。
渋滞している時、歩きながらリュックを突然外そうとする人が前にいたら要注意です。
この後も違うランナーに何度かストックで突かれそうになりました。
ストックを携帯している人には近付かない方が無難でしょう。
リュックに遊びのないようにしっかりとストックを付けている人はあまり見なかったなあ。
もし、自分がストックを買う時はしっかりと取り付けられるリュック選びからしようっと。

あとどれだけ渋滞するのだろうかと考えていると非常に疲れてきます。
渋滞が解消されても、一人通るのがいっぱいの道幅なのでスローペースです。

登りはほとんど歩きです。
スタートして約4時間後の5時15分、
ついに、先週アートスポーツ本店で購入したヘッドランプを頭に装着。
予備ランプを胴回りに装着。そして点灯。何か捜索隊にでもなった気分です。

人の少ない所では、走って他のランナーを追い抜きます。特に下りでは。
雨は時々強く降るが、ある程度木々に遮られて直接体には当らない。
しかし、地面がかなりぬかるんで、走りにくい。いや、正確には歩きにくい。
どろどろの泥の深みにはまると足を抜くのも一苦労。粘土状の登り坂は滑る滑る。
両足を踏ん張り過ぎて股関節が変になっちまいそうです ヾ(≧□≦*)ノ
せっかく登った坂から滑り落ちないように、四つん這いになって草木をつかみます。
うまくつかめないと、そのまま下にずるずる滑り落ちてしまう。
下り坂は慎重に降りて行かないとかなり危ない状況になってきました。


霧の中、皆、黙々と一列になって歩いています。
ε=(┌  ̄_)┘ε=(┌  ̄_)┘ε=(┌  ̄_)┘
後ろを振り返ると、ランナー達のヘッドランプだけが揺れて動いているのが見えます。
この光景、これは今まで出た大会とは全く違うものです。
映画で見たベトナム戦争の兵隊さんの行軍のようでもあり、
ターミネーター軍団が人間を探し彷徨っている光景にも見えます ( ̄□ ̄;)
苦しい。しかし、ここまでの道のりは富士登山競走や北丹沢の方がしんどかった。
雨が止んでいる時、耳を澄ますとシーンという山の音が心地いい。
raito

22.7キロ時点の浅間峠、第一関門を、制限時間(午後10時)の約2時間前、
午後7時54分に二人揃って、通過しました。
「よし、いい調子。ほぼ予定通り」 !( ̄∀ ̄)d
雨よけのテントには人がたくさんいたので、中では休憩せず、
その側で雨に濡れながらちょっと休憩。
このテントもまるで遭難者収容所のようです。
(-_-+)(ノ_-;)<(_ _;)>(-_-+)
その先きをいくランナーはさながら捜索隊のようです。
daiiti

この時点で利君は膝裏に痛みが走るとつぶやいてました。
第一関門を過ぎれば持参のストックが使えます。
利君は買ったばかりのマイストックを扱いにくそうに繰り出していました。
私はストックは邪魔になりそうなので買いませんでした
(価格も2万円近くするので買えなかった…) (T ^ T)

延々と登り下りと続く。平坦な所はほとんど無し。ますます、足場は悪くなる。
霧と暗闇で視界は1メートルくらいか。
胴回りに付けたライトは足元を照らしてくれるのに重宝しました。
手にライトを持っていて転んだりすると、壊したり無くしたりするので、
胴回りのライトはお薦めです ( ̄∀ ̄)d
実際に手にライトを持っていたランナーが下り坂で滑り、
木に体当たりした瞬間ライトを転がしていましたから。谷底に落ちたらおしまいです。


第一関門を過ぎた頃から利君はかなり疲労している様子。
雨宿りできる場所なんてないので、折れた枝やびしょびしょに濡れた枯れ草の上に座り
5分くらい休憩。
何度か休憩を入れていくうち俺は面倒になったので、
リュックを背負ったまま仰向けになり雨も気にせず、5分ほど目を閉じ休憩します。
あとでおにぎりがぺったんこになっていた。

利君の歩きのペースが次第に落ちてきた。
膝裏の痛みと、睡魔や寒さで疲労が頂点に達してきているようだ。

粘土状の滑る登りが続く中、やはりストックがほしいなあと思い、
その辺の適当な枝を拾ってストック代わり。結構、使えます、これ。
しかし、一本だけ。いらない時は捨てればいい。
視界はすこぶる悪くなり、どっちに進んでいいのか分からないことが何度もありました。
下りは超滑るため、視界不良の中、木を瞬間に探しては
飛びつき飛びつきしながら降りていきます。
後ろで「ドカッ」っという音。
振り向いたら利君が、滑って思いきり木に腰をぶつけてました。
かなり痛かったようです。

いつまで経っても変わらない世界。まだ半分も来ていないのに。
ひたすら登りが続く中、先きを行くランナーの縦列が途切れていたので、
横に出られる瞬間を見つけ、ダッシュしてみました。
意外にまだまだこの登りを走ることができる元気な自分に正直驚きました。
「これは、北丹沢耐久レース、富士登山競走、奥武蔵ウルトラなどの成果だ」
と認識した瞬間です。やはり地道なトレーニングの賜物なんですね \( ̄^ ̄)/
何やら「ここは…で~す」と上からスタッフの声が聞こえたので、一気に駆け上がり、
下を見下ろしたら誰も見えなくなってました。

ここは奥多摩で一番高い三頭山(1527メートル)36.3キロ時点です。
しばらくしたら利君も上がってきました。
ヘッドランプの明かりの下でも利君の顔色が悪そうです。ここでも少し休憩。
次の関門が怪しくなってきた。
利君が「先きに行ってください」
「いいよ、まだ一緒に行こうよ。このゆっくりペースでいいから。
でも休憩はできるだけ時間をかけない方がいいだろう」
ペースをさらに落としながら進みましたが、
振り返ると利君のヘッドランプが右に左に大きく揺れ動いています。
「大丈夫か?意識が朦朧としているんじゃないか?進めるか?」
と近寄って顔を覗くと…… (。x皿x)
「!目、目が死んでるぅ…」 Σ( ̄□ ̄;)
利君はさらに俺に先きに行ってくださいと言うが、
俺は「せっかくここまで辛い思いをしてきたのに、ここでリタイアしたら、
また来年リベンジなんて考えたくないだろ。もう少しで第二関門だよ」

この一帯はとても道幅が狭く、轍もできて足が滑りそうになり、
真っ暗い谷底に落ちてしまいそうです。

40キロ時点の横断幕が見えたところで、リタイアを決意しました。
利君から「ひとりで行ってください」と言われたが、
二人揃って完走することが今回の一番の目標だったので、
「もういいよ。第二関門まで時間を気にしないで注意しながら歩いていこう」と声をかけた

go-rudesu


制限時間にあおられて、後からランナーが次から次へと小走りに先きを急いでいきます。
「皆、急いで。がんばれよ!」と心の中で声援をしました。


第二関門でリタイアを申請し、バスが来るまでテントで休みました。
利君は仰向けになり、ヘッドランプをつけっぱなしで眠っているようです。
わ、笑える  ☆Σ(ノ_-;)zzz
しかし、寒い。
いただいたお茶を持つ手が震え、コップからお茶が飛び出した。

外は次第に明るくなってきた。
リタイアが多いせいかバスが来るまで結構待ちましたが、スタッフの応対は良かったです。

再び会場に到着。
体育館に行く前にどろどろのシューズと足を丹念に洗う。意外と水は暖かく感じた。
体育館で着替えている時、リタイアしたのかゴールしたのか分からないが、
あちこちでランナー達が雑魚寝している。
しかし、後から体育館に到着してくるランナーは、
表情を見れば明らかにゴールしたのかどうかが分かる。


ゴールゲートまでいき、ゴールするランナーをしばし、声援しました。
「おつかれさ~ん」 o( ̄へ ̄o) と声をかけると、はずかしそうに軽く頷き
満足そうな顔でゴールゲートをくぐっていきました。

今回は、やや利君より山に自信のある俺がリードして、
二人でゴールするのが目標だったが、未達成でした。
悔しい気持ちはあまり感じないです。

しかし、ゴールゲートを目指してくるよれよれのランナーを見ていると、
「よくここまで来た!」と思わずぐっと込み上げてきました。

15時間も体を動かし続けたのは記録です。
いやあ、すごい世界でした。
正に冒険でした。
絶対、リベンジですね δ(⌒~⌒ι)ふ~
但し、次回も雨を希望するかも。



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