チワワのひとり言

チワワのひとり言

理容科 B組



階段を上り2階に上がるとすぐの教室が、理容科B組、隣の教室は、A組です。
廊下には、男女数人がいて 目が合ったので意識的に小さな声で「おはよう」と声を掛けると 笑顔はなく小さな声で「おはよう」と言ってくれた。
教室に入ると数人の男女が、バラバラに後ろの方の席についていた。
私は、こういう時 一番前に座りたいのですが、意識的に前から2番目に座りましたが、端ではなく教壇の真ん中でした。
座ってからシマッタ!と思いましたが・・・。
しばらくハンカチをいじったりキョロキョロしているうちに続々とクラスメイトとなるであろう男女が入ってきました。
皆、やはり緊張している感じ。数人、中卒らしき幼顔の子達がいて、どう見てもおばさんという人もいます。
静かに大人しく目立たないように観察している私の耳に靴をズル音が・・・
自然と音の方に目をやると、入り口から白のハイネックにロゴ入りのカーディガンにロングタイト、茶髪の女がかったるそうに入ってきたのです。
出たーっ!と思った瞬間に私は、目を逸らしていました。
回りの人もその女を目で避けているようでした。
女は、だるそうに後ろの空いている席に座りました。
そうこうしている内に教室は、生徒でいっぱいになっていました。
気が付くと隣の席に小太りの女子が座っていて 目が合うと「ねえ、家 床屋?」と聞いてきた。
首を振り「床屋じゃあないよ。お家床屋さんなの?」と聞くと「うん、ウチんち、床屋。ねえ、帰りに茶店寄らない?」と言うので「うん、いいよ」と軽く返事をして黙っていると その女子は、別の女子の所に言って何か話しています。
気さくそうな女子だなぁーと思っていると急に教室のざわざわが止み、入り口から颯爽と茶色いパンタロンを穿いた女性が・・・そのすぐ後ろからガッチリとした体格のゴツイ顔なのに色白の男性が、入って来た。
女性は、ピタッと教壇に着き「はい、おはようございます!」と満面の笑みで言った。
教室の皆は、女性に注目してシーンとなり・・
改めて女性が、これからの1年間担任をする藤○です。男性は、副担任のOOです。と紹介があり、早速に席替えして続いて自己紹介となりました。
次々に前に出て思いおもいに自己紹介が始まりました。
名前、住んでいる場所、出身校、趣味、抱負などを伝えて いよいよ私の番です。
目立たないように大人しそうに控え目に無難に紹介して席に着きました。
そして、いよいよあのかったるそうな女の番です。皆も意識しないように無理しているような感じで私も変にドキドキして何て言うのか?この場違いな雰囲気をかもし出してしまっている女は・・?
だるそうに教壇に立ち・・みんなの注目がピークに・・・
「足立じゃあー、アタシの事知らないヤツはいないと思うけどぉー。○×△▼#&・・・。夜露死苦!!」
あちゃー・・何言っちゃってんのこのアマっ子は?夜露死苦!ときたもんだ
皆も思い切り引いて苦笑いです・・・。
本人だけは、大川でケツ洗っちゃったみたいに大満足な顔つきでした。
そして、帰りの時間になり小太りの女子が、私の所に来て「何人か誘ったから・・茶店いくでしょ?」と言うのです。
何となく駅の方にぞろぞろと歩いていると男子が6名、女子が5名が一集団に 見るとあの女も・・・。
喫茶店に入り見渡してみると・・・皆、同じような匂いがしている事に気づきました。
地味に大人しくしていても不思議ですね・・・。この同類?達と1年間、床屋の学校で生活が始まりました・・・。
入学二日目に告白?・・・      つづく


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