小児メタボリックシンドローム



複合生活習慣病で、「シンドロームX」とか「死の四重奏」とか「内臓脂肪症君群」とも呼ばれる。

死の四重奏:肥満、耐糖能異常、高血圧、高TG血症

脂肪組織の役割
1)貯蔵器官
2)内分泌器官としてアディポサイトカイン分泌

※アディポサイトカインについて
動脈硬化を予防する「善玉アディポサイトカイン(アディポネクチン)」
動脈硬化を促進させる「悪玉アディポサイトカイン(PAI-1やTNF-αなど)」
レプチン

正常な状態では、これら善玉・悪玉アディポサイトカインの分泌はバランスよく保たれているが、内臓脂肪が蓄積した状態では、不思議なことに善玉アディポサイトカインの分泌量が減り、悪玉アディポサイトカインが過剰に分泌される。
この分泌の乱れが生活習慣病を招き、動脈硬化を進展させると考えられている。

※レプチンの働き
視床下部の食欲中枢に作用し、食欲抑制作用、エネルギー消費増強作用がある。
脂肪組織が増えるとレプチンの分泌も上昇。
肥満者ではレプチン抵抗性がみられる。

※アディポネクチン
インスリン感受性促進作用、抗糖尿作用があり。抗動脈硬化作用。
内臓脂肪が増えると下がる。

【小児期の診断基準】腹囲+他二項目   腹囲はお臍の高さで測る!
 腹囲:80cm以上
 血清脂質:TG120mg/dl 以上 and/or HDL-C40mg/dl未満
 血圧  :収縮期 125mmHg以上 and/or 拡張期 70mmHg以上
空腹時血糖:100mg/dl以上

【肥満児の判定】
 18歳未満の小児
 肥満度20%以上かつ体脂肪率(男児25%、女児11歳未満30%、11歳以上35%)

【小児肥満症の診断基準】 5歳0ヶ月以降の肥満児で下記を満たすもの
1)A項目を1つ以上
2)肥満度50%以上+B項目1つ以上
3)肥満度20-50%未満+B項目2つ以上

 A)高血圧・睡眠時無呼吸などの肺換気障害・2型糖尿病・腹囲80cm以上
 B)肝機能障害(ALT30IU/l)・高インスリン血症(15μU/ml)・高コレステロール(220以上)・高TG血症(120以上)・低HDL-C血症(40mg/dl)・黒色表皮腫

※こども病院肥満外来開設のPRでした。

※小児はBML判定は適切でないため、肥満度を利用する(15%以上に注意)

※腹囲80cm以上は検血を行う

※腹囲 / 身長=0.5 以上・・0.6で肥満度50%以上と相関

※5歳頃から要注意(3歳との意見もある)

※先天的代謝異常を除けば、食生活がいちばん大事。
肥満児の母親に食事内容を聞くと、揚げ物が多く、野菜不足が確実に見られる。
コンビ二などで、こどもが手軽にスナック菓子類、ジュースが手に入るようになったことも悪化の一因になっているのでは。













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