予防接種の基本的知識



H6年に現在の個別方法になった。

BC1157年没ラムセス5世が最古の天然痘

予防接種の必要性
 個を守る、集団を守る、弱者を守る、次世代を守る、国際的な協調(ポリオ、麻疹、天然痘)のため
予防接種の目標は弱毒軽症化なのに・・ママたちの不信と不安もまだまだある
我慢すべき副反応もある

ポリオ・・1960年ころが発祥のピーク、ワクチン導入後ほとんどなし
ワクチンの功罪・・副反応を上回る恩恵があるため、異物であるが必要。
         正常反応と副反応の境界が不明

世界3大ワクチン事故・・・1930年 リューベックBCG事件 生後10日以内兄の新生児251名内服投与72名死亡
           1948年 京都ジフテリア事件 15561名接種 6名死亡 606名が翌日から発赤、重症皮膚、13日目に6名死亡
                 島根ジフテリア事件
                 ホルマリン添加法の間違い 毒素が不活化されなかった
                 GHQが中止した
           1935年 コルマーポリオ事件(不完全不活化ワクチン)
                 人とサルの感受性の違い  不活化操作をしたから不活化されたとは限らない
           不活化基準の改正が必要とされた

副反応・・・軽い、中程度、重篤、紛れ込み事故(接種後の関係ない発熱など)

生ワクチンと不活化ワクチンの特性
             生ワクチン      不活化ワクチン
    免疫の持続     永続性         一時的
    目標       軽い感染~不顕性     発病しない
    副反応ピーク   増殖のピーク       0~48時間
    副反応の原因   弱毒筋やウイルス     添加物
    副反応      軽症・不全型の症状    概ね一過性  

バランスシート

 DPT  自然罹患の場合・・ジフテリアは治療が遅れると致命的
               百日咳は1/8肺炎あり
               破傷風も発病すると致命的
      ワクチンの副反応・・発赤5~15%
                腫脹5~10%
                発熱0~5%

 麻疹   自然罹患の場合・・発熱100%、肺炎1/20、脳炎1/2000、死亡1/3000
      ワクチンの副反応・・発疹5.9%、37.5度以上の熱5.3%、38.5度以上の発熱8.1%
                肺炎0、脳炎1/100万~150万

 風疹   自然罹患の場合・・先天風疹症候群(初期)1/4 血小板減少性紫斑病1/3000、発熱40~60%、発疹60~70%
      ワクチンの副反応・・先天性風疹症候群(初期)0/1586例、血小板・・2/274万、37.5度以上の発熱1.9%、38.5度以上の発熱2.6%

 日本脳炎 自然罹患の場合・・死亡15%、後遺症1/3
      ワクチンの副反応・・死亡1/1000万、後遺症1/100万

 ポリオ  自然罹患の場合・・髄膜炎1~5%、麻痺0.1~2%、死亡例あり
      ワクチンの副反応・・髄膜炎1/450万、死亡なし、下痢4~5%

 BCG  自然罹患・・髄膜炎、粟粒結核あり
      ワクチンの副反応・・ケロイドあり、腋下リンパ節腫大0.7%

 ムンプス 自然罹患の場合・・髄膜炎10~15%、脳炎1/5000、難聴1/15000、睾丸炎20~25%、膵炎6%
      ワクチンの副反応・・髄膜炎100/95万、脳炎1/95万、難聴2/95万、睾丸炎8/95万


接種にあたり・・・
予診・・問診、視診、聴診は必ず
 不適当者・・成分にアナフィラキシーを持つ場合(狂犬病はなにがなんでも打ちたい)
 未熟児・・暦年齢で接種、母子免疫がないからなおさら接種
 心疾患・・早期におこなう  術前1ヶ月のポリオは避ける
 腎臓疾患・・プレドニゾロン2mg/kg使用中は避ける
 免疫不全の人
 エイズ・・BCG,ポリオは不可
      麻疹・水痘はCD4が500以下では不可

 熱性けいれん・・最終発作から2~3ヶ月おく(主治医の判断でいつでも可)
         15分以上の場合は専門医による
      接種後の発熱・・麻疹5~14日
              風疹14~21日
              ムンプス14~21日
              水痘14~21日
              DPT 12~16時間
              日脳 12~16時間
              インフルエンザ 数日
 てんかん・・最終発作から2~3ヶ月後はOK
       ACTH療法後は6ヶ月あける。
       主治医に確認する。
 卵アレルギー・・麻疹・ムンプスは米国はテストなしでOK
       日本では卵でアナフィラキシーの既往があれば皮膚テスト
       インフルエンザ・・卵摂取可なら可 
 チメロサール・・水銀を使われていることが問題、環境汚染、体内蓄積、他にかわるものがない
         自閉症との関連が取り上げられたが関連なしとの見解

誤接種があり得る
 ただし副反応は予測困難である・・アレルギーがわかってなくてもありうる。
 接種量を気をつけたい・・2種混合の0.5ml(小6年に)、本来0.1ml
 BCGを一箇所のみにしてしまった例
 BCGを皮下に接種
  1993年・・奈良にて 7人中5人結核症で入院となった BCGをツ半として接種→潰瘍となった

ワクチンの保存・・不活化→10度以下 凍結不可、当然解凍使用も不可
         生ワクチン→5度以下 凍結可、ゼラチンフリーは6ヶ月で力価低下
         残液→当日中ならOK(汚染を防ぐ)

接種の間隔・・H6年より一週間あける場合次の週の同じ曜日でOKとなっている。 民法上ではだめ(翌日とされる)
       生ワク・・一ヶ月軽い感染した状態にあるため干渉を避ける
       不活化・・2,3日で医学的にはOKであるが1週間あける
       日本脳炎・・初回1回のみでは防御できないので間隔があいても接種できる時にブースターをかける
       DPT・・2回と3回が半年以上あいたら追加のみでもOK
       日本脳炎・・生後6ヶ月から半量接種、3歳以上になったら0.5ml使用、不規則接種は割愛

       麻疹は治癒後4週間あける 
       風疹、水痘、おたふくは治癒後2~4週間
       他のウイルス疾患は1~2週間
抗生剤の内服はしていても医学的にOK(原疾患の症状が安定していれば)
DPTは深い皮下注にする(米国は筋注)
  中国では生まれた日に足の裏にする。

BCGの皮下接種の部位は上腕三角筋の下付近へ。見えないようにと上の方へ打つとこすれてケロイドになりやすい。

接種後30分の観察 蕁麻疹、眼球充血、くしゃみ、咳など

新ガイドライン・・・結核対策  年長時ではBCGを接種しても罹患する! 0歳~4歳まで予防のが意味あり
                予防より治療に重点をおくことになった。 接触者検診に力を入れる。
新しい検査(研究用)・・Quanti FERON-TB

ポリオ・・ナイジェリアに多い(接種拒否のため)
日本脳炎・・東南アジア全域で発症している
ウェストナイル・・日本脳炎ウイルスとと近縁関係にある
麻疹0作戦・・日本は汚染国(日本に来る外国人は麻疹ワクチン接種を推奨されている)  
風疹・・ちょっとふえてる。 先天風疹・・多臓器、遅発性  流行があると中絶が増えるという実態
    妊婦への風疹ワクチン・・妊娠中に接種されても中絶の適応ではない(WHO)。
    日本では接種時に非妊娠の確認、接種後2ヶ月の避妊を指導している。                
同日複数接種
     干渉するためポリオ、黄熱、コレラはだめ
     他はOK
     米国 4種を足に同時筋注している

接種後揉むか揉まないか・・
     意見が分かれているがどちらでも可。

以上、講演のままに書き留めてみました。


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