科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2004.12.31
XML


集団行動になじまない、あらゆるタイプの子がいました。
私は、思わず「博物館だ」「図鑑だ」「教科書だ」と
不謹慎なことを口走ったくらいです。

担任の先生はとってもまじめな方で、
心から生徒のこと、保護者の方のことを考えていました。
陰で、心配のあまり涙を流されていました。
決して、経験が不足しているわけではありません。

キツイ叱り方をした後では、
「また、鬼になってしまった」と自分を責めておられました。

しかし、ストレスが微妙に先生の心身をむしばんでいました。
そして、ついに限界が来たのです。
授業中に涙を流されて、翌日、
リタイアをしてしまったのです。

その後、そのクラスは
教務主任の先生や教頭先生など、
学校中の先生によって、あれこれ面倒を見てもらいます。
学校の「総力戦」により
表面的にはやや静まっていましたが、
このままでは、また爆発するのは時間の問題でした。
学校は最終手段も考慮しはじめているようでした。

そんな時、臨時に講師の先生が派遣されてきました。
臨時の担任になりました。

この先生は最初何をしたでしょうか?

その前に、…
X君のものがたりの続きを

∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
     きらめく好奇心と才能
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

3年前の大晦日、お母さんの言動に、怒りが頂点まで来た私は、
「とにかく、このお母さんの言葉の虐待から、
この子を引き離さなくてはいけない、」
という思いだけになりました。

とりあえず預かって、様子を見させてもらうことにしました。

それにしても、いったいどんな家庭?
父親はどうしてるんだ?

そのために、夕方5時に自宅まで送っていくとしました。
そこで、事情聴取をしてやろうと。

二人になって、
「ここはね、科学実験をするところなんだよ」
「こういうの見たことあるかい?」
と私が水を向けるより早く
子どもの目が、キラリと光るのがはっきりわかりました。

 もう、どっぷりと科学の世界に浸っていきます。
これほどの集中力、理解力、思考力の子を私は知りません。
しかし、学校では落ちこぼれ。
本もまともに読めないのです。
いや、そう聞いたはずでした。

 しかし、彼は、今、難しい科学の本や図鑑に見入っています。
だいたい内容も理解していきます。
2年生の子としては、驚異的です。

 私は、一瞬にして、この子を弟子にしようと思いました。
たとえ、十分な授業料を保護者が出してくれなくたって
これは、別問題だ、とまで思えました。

何という展開でしょう。

(つづく)
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
      双子の兄弟の冒険ものがたり
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

 新しく来られた先生が、はじめて生徒たちと会ったときに
一番最初にしたこと…、
それは、先生の双子の息子の話でした。
今、5年生の二人が繰り広げる、冒険ものがたりでした。

 豊かな自然の中で、川や山で出会う、驚きと危険なこと、
みんな固唾を飲んで、次にどうなるんだろう、
二人は大丈夫なんだろうか、と身を乗り出します。
私も思わず、夢中になっていました。

「このおはなしの次は、みんながおりこうさんにしてくれたら
また、話してあげるね」

もう、これが、先生の切り札の一つになったのです。

3日にして、完全に別のクラスに変身しました。
同じクラスとは思えません。
教頭先生も、クラスがあまりにも集中しているので、
教室に入ることを躊躇するほどです。
もちろん、問題は山ほどありますが、明らかに違います。

これらの現場に立ち会わせてもらった私は幸せ者です。

∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
      すべてのものに命が宿る話
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

 世界の特色ある教育に、シュタイナー教育というのがあります。
そしてシュタイナー学校があります。

 そこでは、ものがたりが、授業の重要な役割を担っています。
1年生には、「すべてのものに命が宿る話」をすることによって、
子ども自身と、動物、木々、花々、植物、石、星、雲、風、人間
といった世界に存在するあらゆるものを関連づけて、
子どもの心に植え付けます。

 1年生の子どもの世界は、年齢的に、大人と全然ちがいます。
心の中と外の世界がつながっているのです。

 担任の先生は、ある花を訪れた蝶が花と話したり、
木がコケと話したりするように、
すべてのものがたがいに話すことができるようなお話をします。

 たとえば、木がコケに「守ってあげるよ」と言っています。
そしてそのお礼に、コケは木にとって必要な水分をあげます。
小鳥はやぶと話をしています。
そのやぶの中に、小鳥が、「巣を作っていい」と聞いたからです。

 このようなお話を聞くことによって、
子どもの感受性はとても豊かになります。
身の回りにあるすべての美しいものが
子どもに語りかけてくるようになります。

 子どもの感覚はどんどん繊細になり、
世界とつながっていくのです。

 すると、次にようなことが起きるのです。
いつもは落ちつかない子どもたちも耳を澄まし、
静かになるもんですから、
授業の取り組みそのものに良い影響をもたらすのです。

 メルヘンのお話は、いっぱい絵本にあります。
しかし、「すべてのものに命が宿る話」をする場合は、
先生自身が、自分でその世界を新しく体験し、
世界の本質を直接感じることによって、
物語を先生が作ることが大切であると
シュタイナーは言っています。

 ただ、空想しただけの無意味なファンタジーでは
子どもに害があります。
たとえば、木がいきなり空を飛び回り、
月まで飛んでしまうようなお話は自然の理にかなってませんから
子どもと大地をつなぐことができません。

 コケと木の物語の場合、実際に木とコケは助け合っていますから
それを使ったファンタジーは子どもを本当の意味で、
自然や大地と結びつける効果があるのです。

 以上は、シュタイナー教育の考え方ですが、
私も、こういうお話をつくることは、先生にとって
オマケの仕事ではなく、本質的で最重要な仕事だと思います。

∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
      すべてはおはなしになる
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

 ものがたりは、特定の子の特定の問題を解決するのにも
とっても役立ちますし、クラス全体にも良い影響を与えます。

 ある子の道徳性を問題とする場合、その子を特定するのではなく
おはなしの中で、登場人物に感情移入をすることによって、
子どもたちに、失敗や痛みをいっしょに体験させてしまうのです。

 「生き物を大切にしましょう」
 「みんなは一人のために、一人はみんなのために」

といったありきたりの言葉は、子どもには通じません。
子どもたちは、お話の登場人物に共感することによって、
自分で自分を教育してこうとしはじめます。
もちろん、先生は、本気でその話しをします。
こういうことはしてはいけない、という強い気持ちが
お話に入ります。
その気持ちが子どもたちに、ファンタジーを通じて伝わるのです。

 世界にはすばらしい教育がいっぱいあります。
ぜひ、一緒に勉強しましょう。
 そして、ステキな物語をつくりましょう。
良いおとしを。

 PS 私にシュタイナーの世界のトビラを開けてくださった、
パン屋の木村さん、さらに講座を開いてくださった
福島玲子先生に感謝します。


ありがとうございます。今朝は、20位に入ってきました。
何か怖いです。ランキングにとらわれてしまうことも。
でも、
引き続き、よかったら、ブチっとお願いします。
人気blogランキング





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004.12.31 12:38:29
コメント(4) | コメントを書く
[理想の学校に向かって] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Freepage List

PTA行事と科学実験教室


悩ましいPTA行事


PTA行事の強みと弱み


PTA行事と科学実験の相性は?


ここに注意すれば、誰でも楽しめる


化学の学習関連


オール・イン・ワンの科学実験教室


平成19年度~直近の活動記録


18年度 出前講座記録


頒布します。「特別支援教育の基礎基本」


エコネシアカレッジ「和吉塾」


ドライアイスで魔法学校 テキスト頒布


私の「動機」と、子どもと接する心構え


まず感情を育てましょう


最高のプレゼント


やる気を出させる方法


起点を固定するな


子どもに旅をさせるのか、移動なのか


いろんな人がいていい。


「ねばならない」からの脱出


良かった探し


すべての学習は、遊びの中にある


学習の生理的メカニズム


愛の衣を着せて子どもを見る


愛は最高の姿を想像する


優秀さをほめることの危険性


子どもは責任を感じている!


子どもが最も傷つくこと、最も強くすること


「上手だね」は止めよう


予想したとおりの子どもになる


笑いの効用


<テレビ>2歳までは控えめにと提言 小児


障害児と接して教えられる宝物


ただ、喜び踊りましょう。


「こうあって欲しい」は、親子を縛る


恵み受信機


問題児の行動も生かして返す


教師や親は、まず自分自身になりきること


先生に意欲をもってもらうには


教えることについて(ジブラーンの詩)


科学寅さんのちょっとマジメなプロフィール


授業研究


癌になりやすさと心理タイプ


私メッセージの決意


読字障害の実例


子どものやる気を引き出す仕掛け大作戦


《受験勉強の裏技》脳ミソにだまされないよ


うまくいったらどうしよう


積極性を育てるには


イメージ訓練の威力


ライトスコープは不思議世界への特別入場券


自分で作った問題を絵馬にして奉納する


子どもに現金をもたせて、買い物をさせよう


渦巻き学習法・仕事術


みんなの輪(リンク集)


様々な教育メソッド


科学分野


社会分野


語学分野


数学分野


アート表現分野


スポーツ分野


医学から見た教育


精神・心理学から見た教育


家庭における教育


文部科学省・教育委員会関係


行政・法律関係


学校


幼稚園・保育所


公民館・コミュニティセンター


実験メモ


魔法学校


スライム


児童館の先生方の感想


「はてな?ランド」のメニューの一部


人気テーマ(フーテンの科学寅さんによる)


サイエンス・ショーの講師依頼はこちら


気になる講師料の話


楽しみとしての学校ボランティア 原メモ集


先生の側からのボランティアの見方


ボランティアという不思議な関係


学校という建物がなければ


すべてを包み込む


進路選び


Profile

科学寅

科学寅

Favorite Blog

「感じる楽しさ、や… New! 森の声さん

見えない、美しい世… New! かめおか ゆみこさん

老後の楽しい過ごし… New! 英玲さん

ミニクリスマスツリ… 只野四郎さん

光への手紙 ひいちゃんファミリーさん

中国版半農半X、202… 塩見直紀(半農半X研究所)さん

まるちゃんのブログ まるちゃんshakeさん
子供と共に育つ "共… モアイ2463さん
8月のひまわり まちゃごん6042さん
知的障害児てつくん… てつの母さん

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07

Comments

日立風流物@ Re:数学と感情(05/20) 美しさだけではだめだぞ。広がりがないと…
科学寅 @ Re[1]:軽く考えよう。(02/14) 伊藤走さん コメントありがとうございます…
伊藤走@ Re:軽く考えよう。(02/14) 相澤さんいつもお世話になっております。…
ゆうSAIEN @ 英語が嫌いになるパターン(01/26) こんにちは(*^_^*) でもね、もしこれで、…
すがきょん@ Re[2]:人工知能に奪われない職業(10/11) >科学寅さん ありがとうございます。近い…
科学寅 @ Re[1]:人工知能に奪われない職業(10/11) すがきょんさん コメントありがとうござい…
すがきょん@ Re:人工知能に奪われない職業(10/11) 先日、先生の科学実験に小学校の親子行事…
科学寅 @ Re[1]:ダイエットの秘訣(09/29) ありがとうございます。 そうですねえ。 …

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: