今の教育環境で、子どもたちが、悪いストレスを完全に避けて暮らすのはほとんど不可能と言えるでしょう。
だったら、悪い環境を回避することも大切ですが、
それ以上に、多少のストレスを受けても、それを不快と感じないような体質に
つまり免疫力を養わせることが、最重要課題なのではないでしょうか?
大人も子どもも、
ものの考え方、感じ方を少し変えただけで、「どうして今まで、こんなことにこだわっていたのだろう」と
不思議な気分を味わうものです。
これが、フィルターの修正です。
問題に行き詰まっている子には、まず、
自分のフィルターのクセがストレスを生み出していることを
自覚させたいものです。
自分の考え方の癖を自覚すれば、
見方、感じ方をコントロールしやすくなります。
フィルターのついたメガネを取り替えやすくなります。
問題の渦中に、身を放りだしてしまうのではなく、一つ高いところから、自分を見ることができるようになります。
たとえば、最近中学生にも多い
うつ病の患者さんには考え方の癖があると言われています。
うつ病の患者さんが陥りやすい考え方のパターンは
・白か黒か、100か0かどちらかしかない
・1つの出来事をすべての物事にあてはめる
・良い出来事を否定してしまう
・とんでもなく飛躍した結論を出してしまう
・自分の感情で状況を決めつける
・~すべきだ と考える
・自分を否定する
・すべて自分が悪いと考える
また、誰でも、ストレスがたまると、私たちは次の3つの面において悲観的な感情を抱くようになると言われています。
パターン1・自分に対して悲観的
「こんなに簡単なこともうまくできない自分は、ダメな人間だ」などと、
頭から自分を否定するようになる。
パターン2・周囲に対して悲観的
「周りの連中も自分のような人間と付き合うのは嫌に決まっている」と思い込み、
引っ込み思案になったり、逆に他人を恨んだりする。
パターン3・将来に対して悲観的
「これから先もいいことなんてひとつもないだろう」と考え、
不安感にとらわれる。それが昂じると、自分で自分の命を絶ってしまうことも...。
このような偏った考え方や感情は、心身や行動に重大な悪影響を及ぼします。
これから逃れるには、まず、自分がどんな考え方の癖を持っているか、
冷静に上から眺めてみることが大切です。
私も、ときどき、得も言われぬ憂鬱に陥ることがあります。
そんな時、何が、自分をそういう感情に導いているかを、
冷静に矢印を書いて分析していくと、
周囲の理解を疑って、悲観的になっていることに気づきます。
「どうせ、みんなわかっちゃくれないんだ。」って
勝手に思考が流れているのです。(自動思考)
これは、私の小さいときからの疎外感の積み重ねが原因のようです。
もちろん、これらの考えは、ほとんど客観的な根拠がなく、
実際は、周囲の暖かい支えで、現在があるわけで、もっともっと感謝をしなければならないのに、
フト、気を許すと、孤独に陥っています。
問題解決を早めるためには、偏った考え方をやめ、柔軟で現実的な思考に変えることが重要です。
以下の項目を紙に書き出してみることをお薦めします。
1.その場の状況
2.そのとき感じた気分や感情
3.その瞬間、浮かんでいた考え(自動思考)
4.自動思考を裏づけ、根拠となるような事実
5.自動思考をくつがえすような事実
6.上の項目から考えられる、より視野を広げた、バランスのよい考え方(適応思考)
7.考えを変えた結果、気分がどのように変化したか
この作業をおこなうことによって、次第に自分の考え方の癖に気づくようになります。
代表的な癖は、
「自分はダメな人間だ」
「すべての人に愛されなくてはならない」
「他人はみんな自分を利用しようとしている」
などのようです。
自動思考は、この癖から生まれてくるようです。これらは、心の奥底に眠っている思い込みです。
この癖を認められたら、こっちのものです、
自分の心について客観的に知ることができたら、
フィルターを取り替えることによって、
実際に直面している問題や、
人間関係のこじれを解決することも可能になります。
最終的には、癖そのものも克服することができるでしょう。
問題は、癖をもつ「あなた」にあるのではなく、「あなたの考え方の癖」、フィルターにあるのです。
これで、また、自分を責めないようにね。
人は人を変えることはできないですが、自分で気づくと、考え方を変えることはできます。
不登校の子を中心に、
こんなことを試しているところです。
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