After the evening glow ~夕焼けの後に~

After the evening glow ~夕焼けの後に~

第四話 ~吉報と凶報~



ガタン!!看守は力強くアーネストの部屋のドアをあけた。

ひゅぅぅ・・・・

「・・・な!?」

看守が驚くのも無理がない。彼女の姿もなく鉄格子があいてるのだから・・・。

「はやく上のものに知らせないと・・・」

看守はボタンを押した。

ジリリリリリリリリリリリ!!!!!

仲間がその場へ集まった。そしてそれより遅く「主」がやってきた

「・・・・やられた・・・・・」

工場主はつぶやいた・・・・。そして間髪入れず、

「この工場始まって以来、初めての脱獄者がでてしまった!!」

「急いで追いかけろ!残りは町中にこのことを伝えろ!早く!!」

工場主は怒りをあらわにしているようだ。


・・・その頃彼らは十分間くらい森の中を歩き続けていた

そしてしばらくの間沈黙だったがアーネストが唐突にこう言った

「あなた・・・、名前わかんないんだっけ・・・?」

「・・・・・・」

彼は黙ったままだ。するとアーネストは、笑みを浮かべて

「じゃあ私がつけてあげるよ。・・・・じゃ~あ~、ペコは!?」

「・・・・・?」

表情の無い彼でも、犬の名前じゃあるまいしと言わんばかりの呆れ顔をしている。

「ダメかなぁ・・・・、ペコ・・・。かわいいのに・・」

と彼女は思いつつも足を進めていたが、彼が急に足をとめた。

「・・・イタ!どうしたの?急に止まって・・・」

「・・・家が・・・・」

「ホント!?・・・じゃあやっとついたよ。早く行こう」

彼らは少し小走りになった。
          第四話 ~完~
戻る




© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: