After the evening glow ~夕焼けの後に~

After the evening glow ~夕焼けの後に~

十二話 移動手段・・・



ヤクザボス「ははは。悪かった、デスはなついた奴には放電するコトによって友好の証とするみたいでな」

蜩「ふぅ・・・、そういえばアンタの名前ってなんていうんだ?」

オルー「俺か?俺の名前はオルーだ!どうだ、変な名前だろ?」

蜩「んー・・・、そうかぁ?だってオルーってくみかえたらオール・・・英語で「すべて」って意味になるだろ?」

オルー「はっはっは。おもしろいコト言うじゃねーか。お前の名は?」

蜩「俺の名は蜩だ!んでそっちの固まってる奴が鐘箆っつーんだ」

オルー「蜩に鐘箆か。仲良くやっていこうじゃねーか」

蜩「そーだな!」

鐘箆「・・・・・」

蜩「・・・ったく、コイツはいつまで固まってんだ?」

オルー「まぁいいじゃねーか。解凍するまで俺が担いでってやるよ!」

蜩「助かる!・・・オルー、この町を出て他の町までどれ位かかるんだ?」

オルー「そうだなぁ・・・ざっと十分位だろ」

蜩「ふぅん・・・、歩いて十分ったら案外近いんだな」

オルー「歩くだと・・・?お前死ぬ気か?この町と言うか全ての町から出たら、
    そこはもう別世界・・・、猛獣やらモンスターやらで埋め尽くされているんだぞ?」

蜩「そうだったのか・・・。でも歩く以外にどうやって移動するんだ?車もないのに・・・」

オルー「くるま・・・だと?何だそれは?」

蜩「そっか・・・ココは魔界だからな・・・車なんて無くて当然か?」

オルー「くるまねぇ・・・、ま!この世界の移動手段は一つ!“スピードホース”だけだ」

蜩「スピードホース・・・だと?何だそれは?」

オルー「・・・まぁ見たら分かるって(俺と同じコト言ったな)」

蜩「ふぅん・・・」

オルー「・・・とりあえず行こうか」

蜩「あぁ!」

-----門前-----

蜩「・・・・なんじゃこりゃぁーー!!?」

オルー「驚いたか?コレがスピードホースだ」

蜩「・・・・あぁ・・・驚いた、別の意味で・・・」

オルー「そりゃ誰でも驚くよなこんな外見じゃ・・・」

蜩「なんだよこのガキのラクガキみたいなウマは!それにところどころネジ抜けてるし・・・
  ・・・こりゃポンコツブリキロボ並だな・・・」

オルー「まぁな。姿見は悪いけど性能はいいから大丈夫だ」

蜩「あぁ・・・(不安だ・・・)」

怪しげな移動手段スピードホース・・・・
ちゃんと動くのだろうか・・・・?それに凍りついたままの鐘箆・・・
先が思いやられる・・・・

十二話・・・完          十三話へ・・・









© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: