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2013.11.02

「愛の賛歌」など訳詞の岩谷時子さんが死去 10月25日のことだという。

テーマ：今日聴いた音楽(78979)

カテゴリ：音楽は素晴らしい

為谷は今朝のラジオ番組で知りました。
岩谷時子さんといえば、為谷にとっては一番なじみのある作詞家なんです。

なぜなら、加山雄三の曲の大部分の作詞を手がけたからです。
スポーツ報知の記事を読んでみましょう。

　１９３９年に宝塚歌劇団出版部に入り、５１年に越路さんとともに東宝文芸部に移籍。マネジャー兼作詞家として越路さんとコンビを組み、「愛の讃歌」「ラストダンスは私に」「サン・トワ・マミー」など海外のヒット曲を訳詞した。

　ザ・ピーナッツが歌った「ふりむかないで」「ウナ・セラ・ディ東京」や、佐良直美の「いいじゃないの幸せならば」、ピンキーとキラーズ「恋の季節」、郷ひろみ「男の子女の子」など数多くの作詞を手掛けた。

　ミュージカルにも造詣が深く、「王様と私」を日本にいち早く紹介。「南太平洋」「ジーザス・クライスト＝スーパースター」「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」の訳詞を担当した。

　詞は、歌謡曲の主流だった七五調から脱して、会話を思わせるような新鮮な言語感覚が特徴。その後の流行歌にも大きな影響を与えた。

　７９年に菊田一夫演劇賞特別賞、９３年に勲四等瑞宝章。２００９年に文化功労者に選ばれた。岩谷時子音楽文化振興財団を設立し、岩谷時子賞が創設された。

　音楽評論家の反畑誠一氏「まるで五つ星のフランス料理や高級創作和食のような品格を歌謡曲にもたらし、時代に合った新しい風を吹き込んだ。「愛の讃歌」では女性の言葉で、「お嫁においで」では男性の言葉で歌の世界を創り上げた。両方の言葉で表現できる作詞家はそんなにいない。ご本人はいつもおしとやかで、とても優しい方でした」

　歌手・今陽子「１５歳でデビューしたとき、体は大きいけれども幼い、という意味を込めて「デカベイビー」というニックネームをつけていただいて以来、岩谷さんを音楽における母親と慕っていたので、ショックを受けています。「恋の季節」の有名な「夜明けのコーヒー」という詞は、越路吹雪さんがパリでつぶやいた言葉が基になっています。尊敬する２人から生まれた言葉を歌うことができ幸せでした」

　歌手で俳優の加山雄三「僕の作品のほぼ全てと言っていいほど、岩谷時子さんが作詞をしてくださいました。偉大な方で、僕は何も伝えていないのに、思い描いた以上の言葉を詞にしてくださいました。岩谷さんにお会いしていなかったら、今の僕はない。心から感謝とご冥福をお祈りいたします」

[2013/10/28-12:35 スポーツ報知]
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20131028-OHT1T00081.htm

ここで加山雄三が述べている言葉を補足しましょう。

＞「僕の作品のほぼ全てと言っていいほど、岩谷時子さんが
＞作詞をしてくださいました。

加山が歌手として一線を退くまではほとんど全てと言っていいですね。

＞偉大な方で、僕は何も伝えていないのに、

補足しましょう。加山の作曲家（作詞作品もあるけど）としての
ペンネームは、弾厚作。弾がまず、曲を作ります。
それに岩谷さんが詞をはめこむわけです。

メロディーが優先だった。それだからこそ、為谷を夢中にさせるだけの
ヒット曲を次々と生み出すことができたのです。

こんなエピソードがあります。

岩谷：どんな内容にしましょう？

弾：空を見上げたら星が三つあった。

そうして出来た作品が以下です。

加山雄三、蒼い星くず、歌＋スライドショー
http://www.youtube.com/watch?v=LSS7NLbfTOM

それから加山は唱法に特徴があるのですね。

つまり一回息継ぎをしただけで、一気に何小節かを歌い上げる唱法です。
まさにこの曲でそれが使われています。

♪風よ伝えてよあの娘に　遠く離れていようと
　ぼくの想いは変わらない　どうぞ泣かないで♪

これをワンブレスで歌っています。

しかしながら残念なことに、コンサートではしっかりブレスしながら
歌っています。この曲はこのワンブレス唱法が特徴なのに、
とっても残念なことです。

＞岩谷さんにお会いしていなかったら、今の僕はない。

その通りだと思います。
岩谷、弾は素晴らしいコンビでした。

ではもう一曲、岩谷時子、弾厚作による作品を聞いてください。
加山ファンでなかったらおそらく全然知らない曲です。

愛のすずらん_加山雄三
http://www.youtube.com/watch?v=fLBV-C1YRK8