☆ Sanctuary ☆  Smile for you

短編ミステリー第1話



      ☆’.・*.・:★’.・* 隠された慰霊塔の秘密 第1話 ☆’.・*.・:★


(2003.07.07 ~ 07.29制作)
母が、最後に恵理に残してくれた言葉、それが意味するものは。。
その一言が、恵理の人生に思いもよらない出来事に遭遇させる。。
そして、その出来事と慰霊塔にまつわる秘密とは?
時空を超えた短編ミステリー。。。

★ プロローグ ★

「幸福のアクセサリーを見つけなさい・・・」

恵理には、そんな風に聞こえた。それが、母の最後の一言だった。
その後、まもなく母は息を引き取った。
病室で、父と弟と、担当医、それに数名の看護婦で、
母の最後を看取った。

恵理は、母の唇に赤い口紅を、スーッと軽く塗ってあげた。
そのとき、幼い頃からの母の姿が走馬灯のように現われ、
さまざまな母とのシーンが、頭の中を駆け巡った。
恵理の目から、一滴の涙が頬を伝って、床に落ちた。。
「お母さん・・・」
天国に旅立つ母の顔はとても穏やかで、幸せそうだった。

「お母さん、何が言いたかったんだろう?」
恵理は、そのとき、大して気にも留めていなかった・・・

母の葬儀も滞りなくすんだ、といってもいいんだろうか。
「やっと、終わったわ」
「親戚中の人におもてなしするのも、けっこう大変なものね」
「でも、こういうときだからこそ、日頃あまり顔もあわせない
 身内の人たちと会うこともできるのね」

「どうしたの、お姉ちゃん、椅子に座り込んじゃって」
恵理の弟だった。
「だって、今日一日中、動き回って疲れちゃったんだもん」
「( ^O^)はは、お姉ちゃん、そんなに動き回ってたっけ」
「大変だったわよ」
「そうか、そうか、そういえば、全然落ち着いてなかったよね」
恵理は、親戚の人たちを見送った後、疲れて椅子に座り込んでいた。

「お姉ちゃん、それじゃ、そろそろ僕たちも家に帰ろうよ。
 父さん、もう外で待ってるよ」
「そうね、あ!もうこんな時間!、忙しい一日だったわ」
外に出ると、空が夕日で紅く染まっていた。・・・あれから、4年が過ぎた・・・

隠された慰霊塔の秘密 第1話


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