HeaphyTrack



HeaphyTrack

実はこのHeaphy Trackについて覚えていることは少ない
Abel Tasmanを歩き終わった後、Hiroは自転車旅に戻った。
僕はもっとNZのトレッキングコースが歩きたくなった。
同じ気持ちのChiharuさんと相談し、近くにあるGreat Walk
のHeaphyTrackを歩きに行くことにした。
ShigeさんにHeaphyTrackのスタート地点まで車で送ってもらい
4日後にHeaphyTrackのゴール地点まで迎えに来てもらうこと
になる。

その頃の日記はこんな感じ。


2月22日(火)
朝、10時にCollingwoodの宿を出る。宿にチーズとチョコを
忘れてしまった。毎回なにかを忘れている自分に自己嫌悪。
12時、スタート地点のBrouwn Hutスタート。簡単な登り坂を
4時間半歩いてPerry Saddle Hutに到着。ホントEasy way!
Hutは初のガスリング付き。外国人はガス付と知ってか、料理
がBackPackers(安宿)の時と同じような感じだ。
僕らはラーメン…おそろしく不味い。食べるというより、鼻
をつまんで押し込んだ。ちょっと話をしたNZ人が米を一合分
くらいくれたが、それも米と言うよりも小麦粉かなんかの塊
を食べているようだった。
でも、米のほうは匂いがないので、それ程の苦労はなく、おい
しそうな顔をして食べ終えることができた。

2月23日(水)
 8時過ぎにPerry Saddle Hutを出発。朝食は水をかけて
10分温めるパスタスナック。昼飯はSaxon Hutでラーメン
(出前一丁)を食べる。
 朝方、道脇の草についた朝露が陽光でダイヤのように輝き
を放っていた。道の様子は『高原の景色。時々日陰が多い森
に入ると苔、シダ類で森全体が緑になっているところもあり、
美しい…』
 このHut(James Mackay Hut)からは海が見えるが、雲が多い
ために、いま少しはっきりと海が見えない。
部屋が臭い。外国人のにおいがプンプンする。

2月24日(木)
 Track最後のHut、Heaphy Hutに到着。Bunk(ベット)はほとんど
Full! ベットのない人はどうするんだろうか。やっぱりテント
があるといいなぁ。でもそんなものを買うのは面倒だし、持って
歩く体力もない。
 今日のコースは・・・川あり山あり、熱帯雨林のジャングルのよ
うな所。森を歩いていると人懐っこい小鳥が近づいてきてクルクル
とあたりを小さく飛び回ったりしていた。

2月25日(金)
 Heaphy Track制覇!
 今度のトレッキングは一人でのんびりと歩きたい気がする。
 Track最後は海をチラチラ見ながら5時間くらい歩いた。



日記を読み返してみると、すこぉ~しだけ思い出してきた。
山小屋で何を作ってよいのかわからなかったこの頃、
そうかそうか、最初はニュージーランドやオーストラリアの
スーパーでよく売ってるインスタント・ラーメンを持ってい
っていたんだなぁ。
このラーメンはホントに不味かった。Hiroは「慣れればおい
しいよ」と言い、実際Abel Tasmanではパクパク食べてた。
でも僕はもともとインスタントやカップラーメンに吐き気を覚
えるほど嫌い。しかも癖のあるこのラーメンなのだから「鼻を
つまみながら押し込むようにして食べた」とある。食べきった
のかなぁ?よくあんなものを食べられたもんだ。NZ人にもらっ
た小麦粉の塊のような米っていうのはアルファ米か何かだった
のかな?とにかくプラスチックを食べているような食感(わかる
よね、この感じ?)。Chiharuさんと顔を見合わせながら、これも
押し込むように食べたんだった。このNZ人、親切でくれたという
よりも、単に作りすぎて、困ったあげくに僕らにくれたのだ。
不味いラーメンの後に、不味い米。この後、吐き気を必死にこら
え、がぶがぶ水を飲んだ。

23日の「外国人の匂いがプンプンする」とある。
これは嗅いでみるとわかるんだけど、外国人の体臭っていうのは
男女とも独特の悪臭を持っていて、汗をかいたりするとそれが部
屋中に広がる。
これは白人が長い間、肉食だったことに原因があるのかもしれない。
白人が香水をつけるのは、このキツイ体臭を隠すためなんだろうなぁ。
だから匂いの少ない日本人の女性が香水をぷんぷんさせているのは、
個人的には残念。必要ないんだから。

最後の日に泊まったHeaphy Trackは、ものすごく混んでいた。
僕らはものすごく狭い空間に二人分のスペースを見つけて寝た。
そこはBunk Bedの3段目、一番上の段だったけど、一人一畳くらい
の広さの場所で、顔の上には屋根が迫ってきている場所。夜中は人
の体温で猛烈に暑く、顔の前の屋根裏は何匹ものネズミが、ばたばた
走り回っていて眠れない。身じろぎすらできないもんだから閉所恐
怖症のぼくは、真剣に発狂しそうになった。この晩の苦しさは、氷点
下14度で寒さの中で眠れずに朝を迎えた時よりも苦しかった。



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