第二十七停車:彗参、風林火山

第二十七停車:彗参、風林火山


 ディノライナーの強化、これにより数体のギガノトンディノライナーに傷を与えることなく倒す事ができた。
これにより、戦いも少し楽になってきた。
しかしディノジンは日々強くなっていく一方。
新た仲間、クロウを迎えたとしてもディノジンとの最終決戦、ファイナルステージは近い。

 リュウタはディノジンについて調べるためクロウと共に外へと出ていた。
なぜ調べようかとおもったかは今から数分前、ディノライナーの食堂車でのある会話がきっかけだった。

 ディノライナー食堂車―
リュウタ「クロウ・・・、テリジノサウルス・・・。」
リュウタがクロウを見て一言言った、クロウはリュウタの思い描くテリジノサウルスが形となってこの世に現出した姿。
マルム「クロウがどうかしたのリュウタ?」
リュウタ「あっ、いや・・・、最近思ったんだけど、ディノジンって契約者の思い描く恐竜の形になるんだよね?」
マルム「そうだけど・・・。」

リュウタ「恐竜を全く知らない人でもなんであんな細かい種類のディノジンが出てくるのかな?ほら、僕はいろいろな恐竜しってるからカルノタウルスやパラサウロロフス、テリジノサウルスとかイメージしたけど」
マルム「ディノジンに関しては結構難しいところが多いんだよね・・・、ねぇガブ達は何か知らないの?」
ガブ「俺達は実体化するまで実体がねぇからな。誰がどんな形してたなんてんなもんは知らないからな。」
エース「それに関しては僕も少しひっかかってたところがあるんだよね。」

 エースが2人に言う。
マルム「何か気になってることが?」
エース「僕達は頭の中にさまざまな指示のようなものが届く、まぁ命令形とかじゃなくて、その事に関する単語がポンッと浮かぶような感じ、でしょう?パラパラ。」
エースがパラパラに振る。コーヒーを飲んでたパラパラはコーヒーを置いてエースのほうに飛んで言った。
パラパラ「うんうん!たとえば変身するんだったら「変身」って浮かんで、ディノジンが出たら「街・ディノジン」って浮かぶんだ!」
ガブ「まぁ俺の場合はディノジンが出たら、匂うんだけどよぉ。」
マルム「ディノジンによってそういう特性とかが変わるのかな・・・。」

エース「でね、最近気づいたんだけど僕達この2007年に来る前のはっきりとした記憶がないんだ。うっすらはあるけどそれは何か少し矛盾点が発したりする。」
リュウタ「矛盾・・・点?」
リュウタが矛盾点について聞く、するとガブがエースの話に共感を持つ。
ガブ「ぁー、俺もそれなんかたまにある。なんか・・・、砂漠でくらしていたような・・・草原で暮らしていたような・・・そんな記憶がごちゃごちゃするときがあるんだ」


リュウタ「寝るときの夢・・・、みたいなものかな?」
パラパラ「夢?」
リュウタ「ほら夢ってさ、自分は今街を歩いているのに知らない間にビルの中に入ってたとか、いきなり展開が変わったりすることあるじゃない?」
クロウ「それとは違うな。」

 クロウが話しに入ってくる。クロウが続けて話し始める。
クロウ「俺達の場合、急激に変化するのではなく、記憶が出てなくなって出ての繰り返しだ。簡単に言えば過去の自分が住んでいたところが時間によって、水辺・思い出せない・空という風にころころ変わるもんだ」
リュウタ「変わる・・・?」

エース「これはまだ序章、他にもまだ気になることが・・・。」
ピピピピッ!
するとディノホルダーが鳴り出す。
ディノジンが出現したようだ。

リュウタ「ディノジンだ!」
エース「これからだって時にねぇ・・・。」
リュウタ「クロウ、一緒に行こう。」
クロウ「よしきた!」

 クロウと共にリュウタはディノライナーを出る。
エース「じゃあこの話の続きはリュウタが戻ってきてから・・・という事で。」
エースが話を中断する。するとガブがある事に気づく。
ガブ「妙だな。」
マルム「何が妙なの?」

ガブ「ディノジンのにおい、全然しなかったぜ。」
パラパラ「たしかに・・・、僕も全然感じなかった。」
ガブ「最近うすうすと感じてきてはいたが・・・、なんかディノジンが匂わなくなってきた・・・。」
マルム「鼻でもつまってるじゃない?」


 リュウタがディノジンのいる方向に走る。
走っていると、目の前にはレックスが立っていた。
リュウタ「レックス!」
レックス「遅かったな、古代。」
リュウタがレックスに近づく、するとレックスの足元には爆発跡のようなものがあった。
リュウタ「レックスが、倒したの?」

レックス「いや、俺が来たときにはもう倒されていた。」
リュウタ「えっ!?」

レックス「原因として考えられるのは3つだな、龍牙か、自爆か、新手のライダーか・・・だな。」
リュウタ「いずれにしても、被害が少なくディノジンがいなくなった・。・・って事だね。」
レックス(・・・あと一つだったのにな・・・。ゲージも・・・。)


 そして現在
クロウ(リュウタ、一度ディノライナーに戻らなくていいのか?)
リュウタ「せっかく外へ出たんだし、もうちょっとね・・・。」
リュウタはクロウと共に外を歩いていた。
ディノジンの事が気になったのかいままでディノジンと戦った場所に訪れていた。
クロウ(ここは?)
リュウタがやってきたのはとある公園。リュウタは目の前にあったベンチに座った。
リュウタ「ここはね・・・、初めてレックスが変身した公園なんだ・・・。クロウがまだいなかった頃だね」


 レックス「変身。」

ボクサーフォーム
コォオオン。ギィイイン、ガチャン!

リュウタ「レックスが・・・・、変身した?」

レイノス「最初に言っておく。」
ダダダ
レイノス「俺はすごーく強い!」
バキィッ!


クロウ(だがなぜここに?)
リュウタ「いろいろ気になることがあってね・・・、でもやっぱり一度ディノライナーに戻ってみんなと話そうかな、さっきの話の続き、気になるし。」

 リュウタが立ち上がる。するとクロウが突然リュウタの中に入ってくる。
クロウ(危ないリュウタ!)
バシュン!!
シュッ、パシィッ!
どこからともなく手裏剣が飛んでくる、しかしクロウが憑依したのでKリュウタは手裏剣を手で取った。
Kリュウタ「誰だ!」

 バッ
木の中から一人の少年が出てくる。
手裏剣を投げてきたとはいえごく普通の少年だ。
Kリュウタ「なんだ・・・、お前」
Kリュウタが問う、すると少年はこう返した。
「貴様、ディノジンだな・・・。」

 ッ!!
その言葉にクロウもリュウタも驚く。
なぜ自分がディノジンだという事を一発で分かってしまったのか。
Kリュウタ「そういうお前は・・・、何なんだ。」

「・・・・彗参、風のごとく。」
そう言葉を発した後、少年の周りに風が吹き始める。
すると一瞬にして少年の姿は消えた。
Kリュウタ「ッ、どこへ・・・。」
ズッ

気がつくと、少年はKリュウタの後ろへ立っていた。
するとKリュウタが腹をかかえてうずくまってしまった。
Kリュウタ「なっ・・・、一瞬で・・だと!?」
トサッ
同時にリュウタの中からクロウが出ていく。
リュウタはかろうじて意識をたもっていた。

リュウタ「君・・・は?」
「さっきのディノジンかは、強いようだな。」
リュウタ「ッ・・・、じゃあさっきのは君・・・が。」

 少年は姿を消す。
そこにレックスが現われた。
レックス「古代!どうしたんだ!!」
しかしリュウタはそのまま気を失ってしまった。
レックスはリュウタを抱えてディノライナーへと運ぶ。

マルム「リュウタ!大丈夫!」
リュウタをイスに寝かせる。
クロウはさっきの事についてガブ達に話しをしていた。
クロウ「やつはただものじゃない、俺が入ったリュウタを一発でディノジンを見分け、そしてあの攻撃・・・・。俺でも見れなかった」
エース「そんなヤツがいるとはねぇ、スピード勝負だったら僕を呼んでくれれば良かったのに。」
ガブ「へっ、おもしれぇじゃねぇか。今度は俺がたたきのめしてやるぜ!!」



 数分後、目が覚めたリュウタはさっきの事をクロウより詳しく話していた。
その説明に、レックスは気になることがあった。
レックス「だとしたらそいつは、新手のライダーかもしれないな。」
リュウタ「でも・・・、なんかが違った気がする。」
マルム「何かって?」
リュウタ「わからない、でも何かが・・・・。」


 するとガブがある事を思い出す。
ガブ「おっ、そうだそうだ鬼。さっきの話だけどよぉ、リュウタに話に続きしなきゃなんねぇじゃねぇか。」
エース「あぁ、そういやそうだったね、すっかり忘れてたよ。」
リュウタ「そういえば・・・、さっき気になったことがどうとか・・・。」
エース「僕が気になってたのはね・・・、最近出てきた未契約体ってのなんだよ。」

マルム「未契約体がどうしたのよ。」
エース「ディノジンってのはそもそも契約する事により、その契約者のイメージでこの世に形として現われる。契約もしないで、どうやってこの世に現出するかが問題なんだよ。」
リュウタ「たしかに・・・、ガブ達はちゃんとした契約じゃないけど僕と仮契約を結んでこの世に現出してるわけだから・・・・。」
マルム「自分達の意思でできるなじゃいの?」
エース「ムリだね、現に僕もそれを試みてやってみたけど全然駄目だったよ。まぁ偶然リュウタに会うことができてこんな体だけどこの世に出てこれたってわけさ。」

リュウタ「きっと・・・、なんらかの方法で出てきてるんだと思う。」
レックス「その謎を全て片付けるには、時間がかかる。」
リュウタ「レックス。」

レックス「古代、前にも話したが・・・・・。」
レックスはリュウタとアイコンタクトをとる。
リュウタはこの間レックスに話されたファイナルステージの事だと分かった。
それを見たマルムは何か2人だけの隠し事があるんじゃないかと推測する。
リュウタ「たしかに謎はおおい、だけど僕達にできるのは今目の前の事を一つ一つ片付けていくこと、もしかしたらディノジンの事だって、戦っていくうちに敵側から何か情報を得られるかもしれない。」
エース「たしかに・・・、以前戦ったティラノたちからもいろいろ教えてもらったからねぇ。」
ガブ「また戦うときにはまたなんか情報が得られるかもしれねぇ、って事か・・・。」
マルム(おかしい・・・、リュウタとレックスは何かみんなに隠し事をしている・・・。)

 ピピピッ!
レックス「またディノジンか!?」
リュウタ「もしかしたらさっきの子もまた来るかもしれない、急ごう!」
リュウタとレックスは急いでディノライナーを飛び出す。
すると2人が出たと同時に剣竜が入ってくる。
シュー
マルム「オーナー。」
剣竜「多くの謎を抱えているようですねぇ、特にリュウタは・・・。」
マルム「オーナーは、何か知ってるんですか?」

剣竜「全てではありませんが、今君達の謎・・・、ディノジンの事なら少々・・・。」
ガブ「ほんとかよ!」
パラパラ「教えて教えて!!」

剣竜「ただし・・・・、あの2人は内緒ですよ。」
マルム「・・・どうしてですか?」
剣竜「それは・・・・・・、彼らが・・・・」

仮面ライダーだからです。




 ダダダダ!!
ドゴォオオン!
レックス「あっちのほうで爆発が!」
リュウタ「まだディノジンがいるみたいだ!」

レックスとリュウタが駆けつけた場所には一体のディノジンが暴れていた。
タラルルスに似たタラディノジンだ。
レックス「古代、俺のゲージはコイツを倒せばたまる。お前はフォローに回ってくれ!」
リュウタ「分かった。」

 2人はベルトを取り出す。
リュウタ「いくよ、ガブ。」
リュウタはガブを呼び出す、しかしガブからの応答はない。
リュウタ「ガブ・・・?」
レックス「どうしたんだ!」

リュウタ「な、なんかガブ達が答えてくれないんだよ・・・、なんていうか・・・、つながらないみたいな。」
レックス「仕方ない、俺一人でやる!変身。」
ボクサーフォーム

レイノスがタラディノジンに殴りかかろうとする。
するとタラディノジンとレイノスの前にまたあの少年が現われた。
レイノス「お前・・・。」
リュウタ「ッ、さっきの子!」

タラ「なーんだ?おまっ!!」
ダダダ!!
タラディノジンが容赦なく少年に襲い掛かる。
リュウタ「危ない!」

ジャキンッ!!
すると少年は懐からクナイを取り出し、タラディノジンを斬った。
タラ「にゃっ!」

レイノス「通常の武器が効いているだと!?」
タラ「このっ!」
タラディノジンはしっぽのようなハンマーで少年を攻撃するが全て軽く交わされる。

バッ
「速きこと風のごとく・・・。」
風のようにすばやく動く少年、変身もしていないのにタラディノジンと同等に戦っている。
ジャキンジャキン!
タラ「このっ!」
タラディノジンが反撃する。
まともに攻撃を受けた少年。
ドゴッ!
リュウタ「あっ!」
しかし少年はいつのまにか木の丸太と摩り替わっていた。
まるで忍法、変わり身の術のように。


「静かなること林のごとく」
スゥウウ。
すると少年は誰にも気づかれる事なく、タラディノジンの後ろを取った。

「侵略すること火のごとく」
ダダダダダ!!!
少年はクナイでタラディノジンの背中に連撃を与えた。
固い甲羅で覆われてるのにもかかわらず、タラディノジンはまともにダメージをおってしまう。
タラ「うあああぃあい!!」
ドッ!

ドシャァア
タラ「このぉおお!」
タラディノジンが起き上がり、少年に思いっきりハンマー攻撃をしかけた。
ドゴォオオ!!
今度もよけなかった少年、しかし今度は変わり身の術を使わずそのまま受け止めていた。
タラ「な、なあぁあにぃい!!」

「動かざること山のごとし」
少年の言うように、まるで山のように動じない。
するとタラディノジンは一旦少年から離れる。
タラ「コイツ化け物か!?俺が言うのもなんだけど!」

 すると少年はリュウタを指差した。
「見たところによると少年、お前は特異点だそうだな。」
リュウタ「ッ!なんでそんなことまで・・・。」
「それは俺が、ディノジンだからだ。」

!!
レイノス「ディノジンだと!?」
「少年、今お前はどうやら変身できないようだな。どれ私が力を貸してやろう。」
バシュン!
すると少年から虹色の光が飛びだした。
リュウタ「!!」

 光はリュウタに取り憑く。
するとリュウタの瞳の色は金色にかわっていた。
レイノス「・・・・、古代?」

リュウタはベルトを腰に巻き、クロウが使ったとき虹色のチケットを裏返しにしてディノホルダーに入れた。
「変身。」

シノビフォーム
ギュォオオオオ
コォオン、ガチャン!

レイノス「第5の・・・竜王だと!!?」
竜王シノビ「彗参・・・・、風のごとく。」

タラ「なんだぁ!!そんな姿聞いた事ないぞ!!」
竜王シノビ「当然だ、お前が私の変身を見る第一号だからな・・・。」

スッ
ジャギィイイン!!
タラ「なっ・・・。」
一瞬のうちにして竜王はディノガッシャーをクナイのように連結させ、タラディノジンを斬った。
タラディノジンはたったの一撃で爆発した。

 ドゴォオオン!!!
レイノス「アイツ・・・。」
コォオオ
ドゴッ!
するとタラディノジンはギガノトンとして甦った。
竜王シノビ「ふむ、喜べ、お前が我が必殺技実験台の第一号だ。」

レイノス「お、おい!そのままで戦うのか!?」
竜王シノビ「この程度なら、この技で十分だ。」

フルチャージ
竜王シノビ「封・臨・華・斬。」

シュッ!
竜王は虹色の光を体にまとい、ディノガッシャーでつくった手裏剣を投げつけた。
ゴォオッ
ザクッ!!
グォオアアアア!!

タラディノジンが悲鳴をあげる。
すると竜王はクナイを片手に虹色の光を体に纏いながら縦回転を始めた。
ゴォオオオオ

「超転龍襲!」

ズギャァアア!!!
ドゴォオオン!!!

レイノス「通常必殺技で倒すなんて・・・、アイツ何者なんだ・・・。」
竜王シノビ「地に眠れ、闇と共に。」

バシュゥウウ
するとリュウタからディノジンが出てくる。
ディノニクスによくにたチビディノジンだ。
リュウタ「き・・・、君は。」

 するとディノニクスディノジンはリュウタ達に背を向け少年のほうにいく。
「・・・契約完了。」
リュウタ「ッ!!!」
コォン!
ディノニクスディノジンは契約完了の言葉とともに少年の中に入っていった。
レイノス「やっぱりアイツもディノジンなんだ!どうやら俺達の仲間じゃないようだ。」
レイノスはチケットを少年にあてる、日にちが表示されるが。

―NO PAST―

レイノス「・・・存在しない過去・・だと。」
リュウタ「かしてっ。」
リュウタがチケットを取り、裏返しにして少年にあてる。
するとチケットにはこう表示された。
―白亜紀―

リュウタ「やっぱり・・・。」
レイノス「ウワサには聞いていたが、まさか本当に記憶以前の過去へ飛ぶものがいたとはな・・・・。」
リュウタ「急がないと・・・・。」

続く


次回予告

レイノス「古代!!」

「私がこの世界に来たのは・・・、龍牙、貴様を倒すためだ。」

龍牙「自分でつくったものの扱い方ぐらい、わかるさ。」

剣竜「・・・お久しぶりですねぇ、Dr,ソーノイダ。」

第二十八停車:王の上の神の列車

リュウタ「神の・・・・列車?」


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