自民党イラク問題見解



 イラクで拘束されていた日本人5人が解放されました。よかったと思いま
す。ご家族の方もご心配で気が気でなかったと思います。ホッとされたので
はないでしょうか。

 事件発生以来、3人と2人、合計5人の皆さんの無事救出のために政府と
して全力をあげてきました。関係者のご尽力とイラクの聖職者の方々をはじ
め世界各国からのご支援とご協力に心から感謝いたします。

 今回は、犯人グループの要求には屈しないこと、しかし、人質を無事救出
しなければならないという極めて難しい仕事でした。

 現在のイラクをめぐる情勢の中にあっては、いかに善意でイラクに行って
も、人質にされたらどれほど多くの人に迷惑をかけるかということも考えて
いただきたいと思います。

 今回の事件について、メルマガ読者の皆さんから「人質の無事の解放を祈
ります。」などたくさんのメールをいただきました。「政府はイラクへの渡
航を禁止すべきではないのか。」というご意見もありました。

 日本国民がどこに住むのか、どこに行くのか、憲法で保障された自由があ
ります。現在、イラクに入ることを禁止したり、退避命令を出したりするこ
とはできません。政府は、イラクのような危険な地域には行かないでくださ
いという勧告しかできないんです。

 政府は昨年2月以来、今年に入ってからは既に14回、危険ですからイラ
クには入らないでくださいと退避勧告を出してきました。政府の退避勧告を
全ての日本人が真剣に受け止めていただければいいんですが。

 これに従わないでイラクに入る人や、まだ残っている人がいるようですが、
是非ともそういうことのないようにしていただきたいと思います。

 日本は、この事件でイラクでの人道復興支援活動をやめることは考えてい
ません。現在、一般の民間人の方々がイラクで活動できるような状況ではあ
りません。だからこそ、自衛隊の諸君がイラクの人道復興支援のために行っ
ているんです。

 イラク復興の主役は、アメリカでもない、国連でもありません。イラク人
自身なのです。何よりも、まず意見の対立を乗り越えて、イラク人自らが結
束し、自分たちの国を再建していくという強い意志が必要だと思います。

 イラクの発展のためには、アメリカだけでなく、国連やフランス、ドイツ
も含めた国際協調の下に世界中が一致協力して支援していかなければならな
いと思います。

 現在、世界各国はイラクの復興に進んで協力しようとしているのですから、
イラク人自身がこのチャンスを活かして、イラク復興につなげていってほし
いと思います。

 これからもイラクにおいて、イラク人自らの手で安定した民主的な国が再
建されるように、日本もできる限りの協力をしていきたいと思っております。




イラク人質事件

 小泉純一郎です。

 8日木曜日、イラクで3名の日本人が人質にされる事件がおきました。

 どのような理由であれ、誘拐したり人質を取ったりすることは決して許さ
れないことです。

 政府は、直ちに対策本部を設置して一刻も早く3人が無事に解放されるよ
うに、全力をあげています。

 官邸では、官房長官を中心に関係各省が緊密に協力する緊急対応体制を立
ち上げました。事件の第一報が入って以来、官邸地下の危機管理センターに
おいて、内閣危機管理監はじめ多くのスタッフが夜を徹し、24時間体制で
情報収集や対応にあたっています。

 外務省では、外務大臣が各国の外務大臣に電話して協力を求めるなど、人
質解放に向けた努力を始めました。翌日には、逢沢外務副大臣を隣国ヨルダ
ンのアンマンに派遣し、逢沢副大臣が現地緊急対策本部の指揮をとっていま
す。

 そして、外務省地下のオペレーションルームに特に集められた職員など常
時約100人が、諸外国への働きかけや在外公館との連絡、対応に昼夜兼行
で取り組んでいます。

 このほか、警察庁や防衛庁など関連する政府の力を総動員して人質の救出
に向けて努力しています。

 ご家族の方々はつらいと思いますが、気を強くもって頑張っていただきた
いと思います。

 日本は、一日も早くイラクがイラク人自身の手によって希望をもって再建
できるように、国連をはじめとする国際社会と協力して支援しています。自
衛隊はイラクの人たちと手をたずさえて人道復興支援を進めていくという考
えに変わりはありません。

 政府は昨年2月以来、今年に入ってからは既に14回、危険ですからイラ
クには入らないでくださいと退避勧告を出してきました。政府の退避勧告を
全ての日本人が真剣に受けとめていただきたい。これに従わないでイラクに
入る人がまだいるようですが、是非ともそういうことのないようにしていた
だきたいと思います。

 人質になった皆さんが一日も早く無事に解放されるように、そしてイラク
に一日も早くイラクの人々の手による平和で民主的な国が再建されるように、
力を尽くしてまいります。



© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: