ヒトヤスミ

プール



   僕は受験生だ

   このメンバーで遊べるのももう少し

   大学に行ったらミンナ離ればなれになる

   その前に何か思い出を・・・

   「・・・学校のプール入りに行こう」

   僕は言った

   「はぁ?誰かに見つかったらどうするんだよ」

   確かに今は夜だけど、見つかったら補導だよね

   でもやっぱりミンナで行きたかった

   「そうなったら、そのとき考えようぜ」

   「どっから入るんだよ。上からじゃ針金あるだろ」  

   もう一人の友達が入り口の上を見ながら

   「あそこは?」

   ミンナが見ると、よじ登ればすんなり入れそうだ

   「これ使おうぜ」

   どこからかいすを持ってきた

   あまり苦労せずに入れた


   その後みんなで遊びまくった

   小さな音でミンナびくびくしたり、わざと大きな音を出してみたり

   本当に楽しかった


   二時間ほど遊んでお開きにしたけど、別れ際に僕のほほを伝ったあの一滴の粒は、涙だったのか水だったのかは自分でも分からなかった


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: