宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

私は少々不機嫌である 



私はこの間から少し気分を害している。主人は笑うけれども、あの娘が持ってきた紙袋の中に天風師の本まで入っているとはどういうことか分ってんのか!?と。
デリカシーのない人だと息子も呆れ顔をする。
そんなものは最初からない。それは分っている。だからこそ、色んなことを認識して、自分を正しく把握しようと努力して、この十五年があったんじゃないのか?
そのことを説明したとしたら、あの娘から返ってくる言葉は分っている。
それは心の話ではなく、単なる物的価値の話だ。

レベルが高すぎるとか低すぎるとかそういう話ではない。
難しかったとか易しかったとかそういう話ではない。
人間は自分を愛するようにしか人を愛さないとは幾度も言ったし、
人が受け取る愛はおおよそ自分が人に与えた愛に等しい とはジョン・レノンも言っていた。
あの娘が不幸感をぬぐえないのはそこだ。
愛されようと思うこと自体がすでにおかしいと、かの坊様のように言ったら、益々混乱するだろう。

子供、ちゃんと育てたまいよ。
そういうことももうとうの昔に忘れ去ってしまったような暮らしぶりだ。
嗚呼!




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