非常に適当な本と映画のページ

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2005.06.30
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カテゴリ: 邦書
ハワイッサー

解説/感想

角川書店は、主催する小説賞で、ある応募作を選考者の意向で却下せざるを得なかった。その小説は別の出版社から出された。
 バトル・ロワイヤルというタイトルで。
「角川書店主催の小説賞で物議をかもした問題作!」といった内容のキャッチコピーもあって、大ベストセラーに。映画にもなった。
 このことから、角川書店は判断した:
「小説家らを選考者とする小説賞の形態は機能しなくなっている。講談社には編集者らが選考者となって『受賞者』を決めるメフィスト賞の例もある。我々も同様の賞を設ける必要がある」
 そこで誕生したのがNext賞である。
 Next賞は、応募作全てに対しAからEまでランク付けしたコメントシートを作成し、応募者に送り返す、ということを売りにした。これはネットでも話題になり、応募者の期待を盛り上げた。
 しかし、受賞作はなかなか発表されなかった。
 Next賞創設から約一年。
 受賞作が一度に三作も発表された(リベンジ・ゲーム、 ラヴ・アタック! アフリカン・ゲーム・カートリッジズ )。
 Next賞は、この三作が発表された時点で、応募者から不評を買った。
 なぜなら、三作の内二冊が既に本を出していた「プロ」だったから。著者は既に本を出していたのである。角川書店と全く無関係の出版社からだったら問題はなかっただろうが、関連出版社だった為、「出来レース」と酷評されてしまった。
 また、どの作品もライトノベルっぽい設定ながらセックスやバイオレンスの過激的な描写満載で、結局どういう読者を想定しているのが分かり難い、という点で不評を買った。
 そういうことから、出版社は、傾向をガラリと変えようと決め、出されたのが本作である。
 で、本作だが……、少なくとも野郎が読める代物ではない
 暇を持て余した主婦向け。
 なんせ、ある主婦の一日を描いたもの、という内容だから。
 不倫も何でもありの、自分の思うままに生きるアホな主婦の。
 最初の三作を読んでいた数少ない読者や、応募者の期待を完全に裏切る代物だった。
 推薦文を書いた者が当時直木賞を受賞したばかりだった恋愛小説家とあって、多少は売れたものの、直ぐ忘れ去られた。
 最初の三作は大人向けのライトノベル、今回は専業主婦小説。
 読者も、応募者も、全く付いていけない賞。
 NEXT賞の迷走振りを象徴する一作。
 NEXT賞はその後受賞作を出すことなく2005年5月に終了してしまった。


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Last updated  2005.06.30 14:55:19
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