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2005.08.08
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カテゴリ: 邦画
火垂るの墓(DVD)

 第二次世界大戦中における日本の市民の様子を描いたアニメ長編。終戦記念日頃になると毎年のように放送される。


粗筋

第二次世界大戦。帝国海軍大佐を父に持つ兄妹。母を見送った直後、空襲に遭う。その結果、母は死亡。兄妹は親戚の元へ身を寄せるが、居辛くなり、町外れの洞の中で生活するように。父の帰りを待った。
 最初の内は母が残してくれた遺産もあり、どうにか生活できたが、それもできなくなり、盗みを繰り広げるようになった。無論、そんな生活を長く続けられる訳が無く、兄妹は常に空腹に悩まされるように。幼い妹は徐々に衰弱。
 兄は妹をどうにかしてあげようと奔走するが、所詮未成年。何の手も打てない。そんなところ、ふとしたところで父が属していた海軍が全滅していたことを知らされる。それどころか、日本はとっくに無条件降伏しており、戦争は終わっていた。
 父の生還は絶望的なのを知った兄妹は、二人での生活を余儀なくされる。
 日本は徐々に復興していたが、兄妹はそれに完全に取り残され、妹はついに衰弱死。



感想

 戦中・終戦直後は比較的よくあった出来事だと思われる。
 兄が日本がいつの間にか降伏していたことを知らされてぶったまげる場面があったが……、ポツダム宣言受け入れ無条件降伏したことを天皇自らが告げる玉音放送を日本国民全員が聴けた訳ではないから、有り得そうな話。フィリピンでは終戦を知らずに30年も活動し続けた日本兵がいたくらいだし。

 作中には焼け焦げた死体など、アニメにしては残酷な部分がある。「アニメは子供向け。大人が観るものではない」とする海外では、誰に見せるのか定まらず、なかなか放送できないだろう。ただ、アニメとあって、残酷性はかなり和らげられている。
 本作品は、実写で作られなくもないが、実写にしてしまうと残酷な部分が強烈になり過ぎて全世代に見せられなくなり、毎年放送されような「名作」にはなり得なかったと思う。

 せっかく親戚の家で世話になっていたのに、居辛くなってそこから飛び出てしまい、二人での暮らしをすることを決めた兄の思考は、おかしい感じがしないでもない。が、未成年だったということを考慮すると、有り得たのかも知れない。
 兄は衰弱している妹を医者に見せるが、「栄養失調ですね。ハイ、次」と言われるだけの場面があった。当時の人はそんなに冷たかったのかね、と首を捻らざるを得ない。終戦直後で、どの人も余裕が無かったのは事実だが……。
 日本が復興していく中、兄妹が取り残され、妹が衰弱死する、というのは、見方によっては戦争そのものより残酷である。人類全体にとっては戦争は恐ろしいが、個人個人にとって恐ろしいのは、時代の変化についていけなくなり、取り残され、生存権すら失うことではないかね。

 妹が死んでしまうこともあり、後味は良くない。観て「面白い!」と感じる作品ではない。


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Last updated  2009.08.14 21:16:49
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