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2006.11.27
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カテゴリ: 邦画

 水野美紀出演作。


粗筋

日本国は「緑の猿」を名乗るテロ組織によってどん底に落とされた。この危機から日本を救えるのは女性心理カウンセラーと女性自衛官だけ……。

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感想

映画にもなった小説「催眠」と同じ作者松岡圭祐による小説の映画化である。精神カウンセラーという肩書きを売り物にしている原作者は、本作品で脚本家として参加しただけでなく、ちょい役で出演している(心理カウンセリングを受ける患者として)。
 テロ組織「緑の猿」のリーダーは黒木瞳が演じる心理カウンセラーだ。
「おい、ネタをばらすな!」とお叱りをいただきそうだが、ネタというほどのことでないので大丈夫である。なぜなら、黒木瞳が演じる心理カウンセラーと彼女が運営しているという設定になっている精神病院があまりにも不気味で、上映開始から10分程度で「『緑の猿』なんかよりこいつらの方がずっと怖い」と思うようになるからである。上映開始から20分程度で「黒木瞳演じる心理カウンセラーと精神病院はカルト集団だ」と思うようになる。そして上映開始から30分後には上記の真相が判明してしまう。そんなもんだから、水野美紀演じる女性自衛官に対して「さっさと気付けよ、ボケ!」と突っ込みたくなる。
 本作品はサスペンス映画とかアクション映画とかとして宣伝されているが、この映画にはいずれもない。

 米軍のミサイルが原子力発電所をめがけて発射された! 水野美紀演じる女性自衛官は阻止できるのか?

 ……というクライマックスの場面は全て管制センターに留まり、動きが全然ない。マッハ4で目標に向かっている筈のミサイルのショットも殆どなく、外国人役者が口でそう叫んでいるだけなのだ。音響でサスペンスを盛り上げようとするが、チープで話にならないほど緊迫感に欠ける。
 本作品は水野美紀の格闘シーンが話題になっていて、ニュース番組の映画情報特集でも頻繁に取り上げられているが、アクションシーンはそこの一場面だけ。むしろ、他の場面があまりにもスローペースでアクションに欠けるので、ワイヤーアクション(らしい)のシーンが場違いに感じる。才能の持ち腐れとはこういうことを指すのだろう。また、水野美紀演じる女性自衛官はF-15戦闘機パイロットという設定になっていたが、映画の中では一度も戦闘機に搭乗しない。それどころか操縦桿を握っているシーンさえない。「ほら、凄い肩書きでしょう。だから凄いキャラクターなんだよ」というチープな演出に過ぎないのである。
 水野美紀は香港映画にも出演し、国際派女優を目指しているというが、英語力は松田聖子並み。単にアメリカ永住するだけなら充分以上に通用するだろうが、喋ることで生計を立てる女優にはなれない。ハリウッド進出は諦めた方がいい。これは他の俳優にも言えること。バリバリの関西弁しか喋られない役者が東京に進出してもできる役が限定されてしまって大成しないように、日本語訛りの英語しかできない俳優の需要は、ハリウッドでは限られているというか、皆無なので、成功しない。
 黒木瞳の演技は不気味過ぎて前述したように真相がすぐばれてしまう。もう少し抑えた演技にした方が良かった。
 柳葉敏郎ははっきり言って何の為に出演していたのか全然分からない。彼に払うギャラを特撮に回していればより迫力のある映画になっていたのに、と思う。
 本作品は撮影前からトラブル続きだった。本来の監督が原作者松岡圭祐による脚本を読んで「原作と全く違う! 私が撮りたいのは原作に忠実な「千里眼」だ。こんなの撮れない!」と怒って撮影が始まる前に下りてしまった。原作に忠実過ぎると媒体の違いから「クロスファイア」みたいになってしまう可能性が高いので、この監督の言い分は必ずしも適切でない。しかし、今回の場合、映画と原作が別作品と思えるほど違うのである。違っていても改善されていればいいのだが、その逆で、改悪されている。怒って当然だ。
 映画では、女性自衛官は戦闘機に近寄りもしないどころか映画全体でも戦闘機のせの字が辛うじて見える程度(オープニングで米海軍のキティ・ホーク型航空母艦のショットがあるが、そこの飛行甲板にF-14艦載戦闘機があった。一秒にも満たない)なのに、原作では女性自衛官は戦闘機でミサイルを撃墜する、という設定になっているのだ。スケールがまるで違う。というか、普通逆じゃないか? 小説なら管制センターだけに留めても文章力でサスペンスを盛り上げることができるが、映画では無理なので、戦闘機によるミサイル撃墜という派手なシーンに変更する……。
 戦闘機のシーンを導入するほどの予算がなかった、ということもあったのかも知れないが、それなら最初から映画化なんて諦めるべきで、最大の盛り場をスケールダウンしたら意味がない。せっかく派手な作品に仕上がる筈のものが、アホ原作者のクソ脚本で超地味なものになってしまった……。
 下りた監督も、こう思っていたのではないか。
 この原作者松岡圭祐、前回の「催眠」でも撮影に介入して映画製作者側を呆れさせたそうだ。こんな奴の小説をなぜ映画化し続けるのか。催眠にかかってるのか?
 本作品のパート2(精神カウンセラーは死んだと思われているが実は生きている! ……というオリジナリティに欠ける最終シーンだったので、パート2へと繋ぎたいらしい)の計画もされているというが、東映はこんな奴に振り回されていると松竹の二の舞になるぞ。
 やめとけ!
 日本映画が復活した、と騒がれているようだが、自分としては「どこが?」と大声で叫びたい。
 最後にもう一度言う。
 この作品は観るべきではない。
 必ず後悔する。
 本作品を観て面白いという人は、精神カウンセラーとのご対面をお勧めする。
 本作品の原作者松岡圭祐以外のまともなのを。


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Last updated  2006.11.27 16:25:54
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