非常に適当な本と映画のページ

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2006.12.07
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カテゴリ: 邦書

 著者田中光二がフレミングの007シリーズに刺激されて創造した殺し屋カラスシリーズ第五弾。


粗筋

日本のロケット開発者が誘拐された。犯行グループは、身代金としてダイヤモンドを持ってこい、と要求する。
 日本の防諜機関JSAの諜報員草薙は、ダイヤを持ってサイパンへ飛んだ。すると、犯行グループは日本だけでなく、中国、台湾、そしてインドの諜報員まで招待していた。ロケット開発者をオークションにかけるつもりだったのだ。
 中国諜報局の代表は、本シリーズ第二弾で登場した白麗華だった……。


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解説

第二弾では味方だった白麗華は、今回は悪役として登場する。また、インドや台湾も悪役だ。日本は周辺諸国とここまで敵対していてもいいのか、と思ってしまう。ま、諜報の世界なんて、この程度は当たり前なのだろうが。
 本作品で、草薙はアウディTTクーペを乗り回す。これまでは日本車を乗り回してばかりいたので、意外である。
 門田泰明の黒豹は海外にも展開したが、これまで殺し屋カラスは海外展開していなかった。ほんの僅かな期間だが、本作品は海外に出ている。この点はよかった。
 ただ、本作品からシリーズの背景が破綻し始めている。
 JSAの長綾小路には後宮百合子という秘書がいる。が、彼女は、実はダブルゼロ諜報員007だった、ということになっているのだ。これにはちょっと首を捻ってしまう。なぜこんなことしたのかと。
 意外な展開を演出したつもりなのかもしれないが、これはやり過ぎ。三流スパイ小説になってしまったではないか。実戦経験のない諜報員をダブルゼロにするなんて……。
 適度の自制力を持った安定感のあるシリーズだと思っていたから、残念である。
 ネタ切れか……?



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Last updated  2006.12.07 11:42:49
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