非常に適当な本と映画のページ

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2010.10.04
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カテゴリ: 洋画

 ジャン=クロード・ヴァン・ダム出演作。


粗筋

フランス南部。
 ある男が、何者かに追われていた。男は追っ手から懸命に逃れようとするが、最終的には乗っていたバイクごと車に突っ込んで、死んでしまう。
 元軍人の刑事アランが、その現場に呼び寄せられる。
 死んだ男は、アランと瓜二つだった。現場に呼ばれたのも、地元警察がアランが死んだと勘違いしたからだった。
 アランは、母親にこの事を話す。母親は認めた。お前には双子の弟がいたが、貧しいが故に二人も育てられず、片方は養子に出した、ロシア人に貰われたらしい、と。
 アランは、ショックを隠せないまま、養子縁組の手続きをした弁護士の元へ向かう。
 その弁護士は、何者かに殺されていた。殺し屋は、アランの顔を見て、問答無用で襲い掛かった。アランは、辛うじてその場を逃れられた。
 アランの双子の弟は、危険な事に首を突っ込んで、双子の兄に助けを求めに来たらしい。が、逃走中、死亡。
 アランはそう推測した。
 双子の弟の所有物を調べたところ、ニューヨークへの往復切符の片方があった。
 アランは、双子の弟になりすまし、ニューヨークへ向かい、弟が何に巻き込まれたのか調べる事に。
 ニューヨークでは、アランは「ミカエル」と呼ばれ、更に「何故戻って来たんだ?」と訊かれる。
 双子の弟ミカエルは、アメリカに移住したロシアマフィアの一員になっていたのだ。アランは、ニューヨークを牛耳るロシアマフィアの幹部イヴァンと顔を合わせる。
 イヴァンは、アランをミカエルと勘違いした上で、殺しにかかってきた。
 アランは、ミカエルがロシアマフィアに対し何をしたのかよく分からないまま、ニューヨークを駆け回る。その最中、ミカエルの恋人で、イヴァンが所有するクラブで働いていた女性アレックスと出会う。彼女も当初はアランをミカエルだと勘違いしていたが、アランは真実を伝えた。ミカエルはフランスで死んだ、自分は双子の兄だ、と。アレックスは、アランに協力する事にする。
 アレックスによると、ミカエルはマフィアから足を洗いたがっていた。イヴァンの組織を壊滅に追い込む人名リストを作成し、FBIに渡す筈だった。しかし、ミカエルはそのリストを、FBIに直接渡さず、フランスの銀行に預けた。その直後に何者かに追われ、事故死したのだ。
 アランとアレックスの前に、FBI捜査官らが姿を現す。ミカエルと取引していたのは自分たちだ、だからお前らも我々に協力して、リストを寄越すよう要求する。
 が、アランはFBI捜査官らを即座に疑った。何故なら、FBI捜査官らはアランをミカエルの双子の兄だ、と知っていたからだ。イヴァンらは、アランをミカエルと勘違いして、追っていた。つまり、ミカエルに双子の兄がいるとは知らず、ミカエル本人はフランスで死んでいる事も知らなかった。が、FBI捜査官らは、ミカエルに双子の兄がいる事だけでなく、ミカエル本人が死んでいる事についても知っていた。ミカエルが死んでいると知っているのは、ミカエルを事故死に追い込んだ者だから、とアランは推測した。
 アランがそれをFBI捜査官に告げると、FBI捜査官らは銃を突き付けてリスト回収に協力しろ、と強要した。
 アランはアレックスと共にFBI捜査官から逃れた。
 アランは、ミカエルが何故フランスで追われていたのか、ようやく分かった。ミカエルはマフィアから足を洗おうと考え、マフィアの内通者のリストを作成し、FBIに渡して保護を求めるつもりだった。しかし、そのリストにはマフィアに通じていたFBI捜査官の名もあったのだ。
 ミカエルは、ロシアマフィアは勿論、悪徳FBIにも追われる身となってしまい、双子の兄がいるフランスへ脱出したものの、リストを銀行に預けた時点で悪徳FBI捜査官らに追い付かれ、死亡したのだった。
 アランは、非常手段に出る。ロシアマフィアの大ボスと会い、ミカエルは死んでいると告げ、リスト回収に協力しろ、と。
 大ボスは、実はミカエルを息子の様に思っていた。彼は、ミカエルを殺そうとなど思っていなかった。幹部のイヴァンがミカエルを勝手に危険視し、殺そうとしていたのだ。が、ミカエルもアランも快く思っていなかったイヴァンは、大ボスを射殺し、自身を大ボスに据えると、アランを追う。
 アランは、イヴァンの手から逃れる事に成功するが、結局警察に捕まってしまう。
 アランの下へ、先程の悪徳FBI捜査官が訪れる。アレックスを人質にしていて、リスト回収に協力しろ、と迫る。
 アレックスを人質に捕られていては、抵抗も出来ず、協力を承諾。
 悪徳FBI捜査官は、実はイヴァンと繋がっていた。悪徳FBI捜査官は、リストさえ回収すればアランもアレックスも用済みだから、お前の好きな様にしろ、とイヴァンに言う。イヴァンは了承。
 アラン、アレックス、悪徳FBI捜査官、そしてイヴァンは、フランスへ向かう。
 アランは、フランスの銀行でリストを回収。アランは、悪徳FBI捜査官やイヴァンの目を盗んで、銀行員にリストをアメリカ大使館に届ける様、頼む。が、その銀行員はイヴァンの手下に殺害され、リストは奪われてしまう。アランはその手下を追いかけ、始末する。それを機に、戦闘が始まり、アランはイヴァンを始末し、悪徳FBI捜査官らを倒し、アレックスを救出する。


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感想

 現在はかなり落ち目になっているジャン=クロード・ヴァン・ダムのアクション物。
 双子が登場する、という点においては、ヴァン・ダム作品の定番といえる。無論、二人は生きた状態で顔を合わせる事はなかったが。

 舞台設定はフランス(撮影も一部フランスで行われた様だ)だが、ハリウッド映画の例に漏れず、アクションは派手。
 街中でカーチェイスを展開し、路上のものをガンガン破壊。よく撮影許可が下りたな、と感心させられる。
 カーチェイス以外にも、肉弾戦も多い。
 サウナでも肉弾戦が展開されるので、ヴァン・ダムの肉体美を堪能出来る。ただ、そのシーンではタオル一丁のヴァン・ダムが吹っ飛ばされたり投げ飛ばされたりするのに、タオルが解けずポロリがないという、非現実的な展開が。これだけでも「作り物なんだな~」と感じてしまう。
 ただ、CGの利用はないので、その意味ではリアルなアクションである。

 ストーリー的には、当然ながら無理な部分が。
 ミカエルが、自分に双子の兄がいると知ったのは、アランの軍隊時代の姿を写した写真のニュース記事を偶然見付けたから。それ以前は全く知らなかった。
 アランは、今回の件で母親を問い詰めるまで双子の弟がいた事を全く知らなかった。
 そこまでミカエルとアランは自分らの出生について知らなかったのに、FBIは難なくこの事実を掴む。しかも、どうにか隠し通す事に成功。ミカエルが属していたロシアマフィアからも難なく隠し通せた。
 アランとミカエルの出生の事実が何故今まで明らかにされなかったのか、さっぱり分からない。

 ミカエルが結局何をしたかったのかも、不明。
 アメリカからフランスまで追いかけて来るFBIやロシアマフィアを相手に、足を洗って逃げ通せると何故考えたのか。単に姿を消しただけなら、ロシアマフィアも執拗に追わなかっただろうが、ミカエルは大金を奪っていた。これでは、マフィアが見逃す訳がない。
 もう少し頭の良い足の洗い方を考えていれば、兄に頼る必要もなかっただろうに。
 所詮悪党は悪党、という事か。

 アランが何でもない様にミカエルになり済ませたのかも分からない。
 双子とはいえ、指紋は違うし、育った環境の違いから立ち振る舞いも違っていた筈。にも拘らず、アランはミカエルに比較的簡単になり済ませた。
 税関のチェック、て本作が公開された当時はかなり緩かった様だ(現在も双子にはお手上げかも知れない)。

 ロシアマフィアの描写にも疑問が。
 街中で本作の様に大暴れするのがいたら、アメリカ政府は全力を挙げて壊滅に追い込むだろう。
 証拠集めも簡単だろうから、ガンガン逮捕できる筈。

 本作は、典型的なB級アクション。
 頭を空っぽにして映画を観れる(アクション映画なんてどれもそんなもんだが)、というなら充分以上に楽しめる。


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Last updated  2010.10.04 18:01:43
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